昨日の海外時間には、ドル円が112円台を付ける場面もありましたが、各国株価が軟調に推移したことなどから円とドルが買われる展開となって、ドル円、ユーロドル、ユーロ円ともに下落しました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

日銀が10年国債利回りのゼロ%近傍の解釈をプラスマイナス0.2%程度まで拡大したあと、一旦0.05%付近まで急落した10年物国債利回りは、昨日から上昇をはじめ今日一時0.13%まで上昇しました。昨日も書いたように、近日中に0.20%付近まで上昇すると予想しています。一方で米国債利回りも上昇したことから大きな円買いにはなっていません。しかしべ米国債の利回り上昇はこれまでのレンジ内の動きであるのに対し、日本国債の利回り上昇は政策変更の結果で2016年1月以来のとなる水準での動きです。したがって日本国債利回りの上昇のほうが影響が大きいと考えられ、今後0.20%へ向けた上昇が続けば、緩やかに円買いが強まると予想しています。

111.85円のドル売りポジションを維持

111.85円で作ったドル売り円買いのポジションを保有中です。112.25円に損切りを置いて先週のレンジの中心である111.00円付近での利食いを目指します。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、東京時間終盤に円売りが優勢となった流れを引き継いでドル円は112.10円台まで、ユーロ円は131.10円付近まで上昇しました。しかし各国株価と原油相場が軟調となると円の買い戻しが強まって、ドル円は111.80円付近まで、ユーロ円は130.60円台まで下落しました。

NY時間にはいって、発表された米・7月ADP民間雇用者数が予想よりもいい結果だったことから、やや円売りなどが強まって、ドル円は112.00円付近まで、ユーロ円は130.80円台まで、ユーロドルも1.1700付近まで上昇しました。しかしこの動きは続かずその後発表された米・7月ISM製造業景況指数が予想を下回ったこともあって、円とドルが買われ、ドル円は111.60円台まで、ユーロ円は130.20円台まで、ユーロドルも1.1650台まで下落しました。

米FOMCは、予想通り金融政策の据え置きを発表し、声明文にも目立った変更はありませんでしたが、発表後再び円買いが強まって、ドル円は111.30円台まで、ユーロ円は130.00円台まで下落幅を拡大し、ユーロドルは1.1670台まで上昇しました。NY時間引けにかけてはドル円は111.70円台まで上昇し、ユーロドルは1.1650台まで下落しました。

東京時間には小動きの中ややドル売りが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には、英中銀金融政策委員会が開催され、金融政策の発表と、議事録、4半期インフレレポートの公表、カーニーBOE総裁の会見が行われるほか、ユーロ圏・6月生産者物価指数、米・新規失業保険申請件数、米・6月耐久財受注、米・6月製造業受注の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp