7月30~8月3日の東京株式市場はもみ合いとなった。この週は日銀の金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)等が続いたが、日経平均は方向感が定まらず一進一退のもみ合いに終始していた。8月3日の日経平均の終値は前週末比187円57銭安の2万2525円18銭、週ベースでは4週間ぶりの下落となった。
東証マザーズ「7月の値上がり率」ランキング
それでは、今回は東証マザーズ市場の「7月の値上がり率」ランキングをみて行こう。
(1)データセクション <3905> 855円 +41.79%
(2)ジェネレーションパス <3195> 560円 +41.06%
(3)サマンサタバサジャパンリミテッド <7829> 423円 +30.56%
(4)エクストリーム <6033> 1720円 +28.65%
(5)大泉製作所 <6618> 850円 +28.01%
(6)スタジオアタオ <3550> 2435円 +24.87%
(7)メディアシーク <4824> 815円 +23.48%
(8)ロゼッタ <6182> 2183円 +22.99%
(9)UUUM <3990> 5930円 +22.90%
(10)WASHハウス <6537> 1932円 +21.13%
※銘柄、証券コード、終値(7月31日)、上昇率の順。データはヤフーファイナンスより。
7月の新興株式市場は軟調。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均株価ともに前月末の水準を下回った。ただ、そうした中にあっても業務提携など新規材料のでた銘柄は大きく上昇している。上記ランキングを業種別で見ると情報・通信業とサービス業が各3銘柄、小売業が2銘柄と続き、その他製品と電気機器が各1銘柄となっている。
ジェネレーションパス、ユニー・ファミマHDとECサイト構築
今回は上記ランキングからジェネレーションパス、データセクション、サマンサタバサジャパンリミテッドをみていこう。
ジェネレーションパスは、EC(電子商取引)のマーケティング事業を展開する企業。楽天市場やヤフーションピング、アマゾン等で「リコメン堂」を展開している。
7月20日、ジェネレーションパスはユニー・ファミリーマートホールディングス(HD) <8028> との業務提携契約の締結を発表した。両社でECサイトを構築、ユニー・ファミリーマートHDの会員登録者に対し、一般顧客より販売条件を優遇する。今回の業務提携でジェネレーションパスの商品・サービスの販売拡大と、ユニー・ファミリーマートHDの会員登録者数の増加を目指す。
上記発表を受けてジェネレーションパスの株価は7月23~25日にかけてストップ高を含む急上昇を記録した。7月の上昇率も41.06%に達し、今回のランキングで2位となった。
データセクション、KDDIとの業務提携で急上昇
データセクションは東京都渋谷区に本社を置く、ビッグデータの処理解析会社。AI(人工知能)を活用した画像解析の技術を有する。
7月10日、KDDI <9433> はデータセクションとの資本業務提携契約の締結を発表した。データセクションの有するAI画像分析やソーシャルメディア分析のノウハウを生かし、新しいサービスの開発に取り組む。同時にKDDIはデータセクションの発行済み株式の約18%を取得することも明らかにしている。
今回の資本業務提携については一部メディアが事前に報じていたこともあり、データセクション株は上記発表前の9日から投資家の買いを集め急上昇した。7月の上昇率は41.79%に達し、今回のランキングでTOPとなった。
サマンサタバサジャパンリミテッド、業績上方修正期待で買われる
サマンサタバサジャパンリミテッドはバックとジュエリーの企画・製造・販売を手掛けるアパレル企業。
7月10日、サマンサタバサジャパンリミテッドが発表した4~6月期連結決算は、店舗整理などのため減収となったものの、人件費や広告宣伝費等を見直し、営業利益は前期比9.9倍の5億1000万円になった。純損益も2億7100万円の黒字(前年同期は2500万円の赤字)となっている。同社は通期予想を据え置いたが、株式市場では業績の上方修正期待から人気化、株価も上昇し上記ランキングで3位となった。(ZUU online 編集部)