心配された台風も今のところ大きな被害もないようですし、電車も動いているということで一安心となりました。株式市場も懸念された貿易摩擦問題で大きく売られるということもなく値持ちの良い展開が続いています。米国では「中国関連」=「輸出株」ということになっているのでしょうが、日本市場の場合、そもそもがどこまで米中間の貿易戦争の影響があるかということでもあり、また、「中国関連」も「輸出株」も何だか似たような銘柄になるということで反応しきれないということでしょう。
ただ、貿易摩擦問題が下火になったとしてもあくまでも米中間の話であり、日本ではここからが本番ということで日米閣僚級貿易協議などが注目されます。ただ、ここですぐに何が決まるというよりは今の相場は決算発表やトランプ大統領の言動で動いているという感じでもあり、貿易協議が落ち着いたものであったとしても株式市場は波乱含みということなのだと思います。日銀のスタンスの変化も引き続き要注意だと思います。
本日の投資戦略
引き続き貿易摩擦問題などが気になり、米国でも日本でも上値が重いという感じです。一方で貿易摩擦問題などと関係ない銘柄は好調な決算を織り込むように堅調な動きとなっています。ただ、好調な決算がどこまで続くかということもあり、世界的な金余りからの変化がみられるなかでは上値の重い状況が続くと思われます。
一つや二つの銘柄の動きで日経平均が押し上げられ、値持ちの良い展開ですが、決算発表への反応が一巡となってくると買われ過ぎ銘柄等の手仕舞い売りに押されるということもありそうです。貿易摩擦問題などが後から効いてくるようであれば、買われ過ぎ、期待し過ぎという結果となる可能性もありそうです。
売られ過ぎ銘柄に注目ですが、買われ過ぎた銘柄の調整を売られ過ぎと取らないように気を付けなければならないと思います。また、あくまでも「落ちるナイフは掴むな」ということであり、「落ちているナイフを拾う」ような感じが良いでしょう。引き続き売られすぎとなっている食品株に注目ですが、株価は年初来安値圏にあるにもかかわらず、好決算を発表した銘柄にも注目です海運株も底入れ感が出てきました。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。