銀行の歴史は古く、紀元前3000年のバビロニアまでさかのぼるという。人々の財産や貴重品を神殿で保管し、穀物や家畜を貸し付けたものが“銀行”の起源だといわれている。また「銀行=バンク(BANK)」は、12世紀頃の北イタリアで両替商が使っていた「長机(BANCO)」が語源とされている。

メインバンクから融資を受けた企業は、それを元に業務拡大や会社運営をおこなう。しかし突然“貸しはがし”をされてしまった時、会社はどのようにして資金調達をすればよいのだろうか。ドラマBiz『ラストチャンス 再生請負人』(テレビ東京)、8月13日(月)午後10:00より放送される第5話のみどころを紹介したいと思う。

ラストチャンス
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私たちとお金を繋ぐ銀行の“仕事”

いまさら感が高いと思われるが、銀行の主な仕事には「預金業務」と「貸付業務」がある。

簡略化した説明で恐縮だが「預金業務」では、銀行口座を通して私たちのお金を預けたり引き出したりするのを管理し、そのお金を使って銀行がさまざまな運用をした結果“利息”が生まれる。その運用のひとつが「貸付業務」であり、資金を必要とする相手にお金を融資し、銀行はその“利率(支払い利息)”を貰うことで利益を得ているのだ。

子供の頃、お年玉を銀行へと預けた人も多いかもしれない。学生時代にはバイト代を、就職してから給料のほとんどは銀行振り込みを使用することになる。学校の授業料や賃貸住宅の引き落とし、住宅ローン、起業による会社設立、年金など、どれも銀行が携わる私たちと“お金”の関係といえるだろう。

また世界から見て、日本人は「貯蓄」に真面目な国民性だといわれて久しい。戦後、異例の早さで日本が復興できたのも、日本人が行っている「貯蓄」のお陰とされるほどだ。

ところが三井と太陽・神戸銀行など多くの銀行同士の合併、1990年代後半から起きた経営破たんなどにより、私たちが長年抱いていた銀行への信用が失墜し始めているのも事実だ。バブル時代に“2%”を超えていた金利も、日銀による「ゼロ金利政策」により泣く人・笑う人とが大きく分かれてしまう。さらに“貸し渋り”や“貸しはがし”などにより、私たちと銀行の関係は少しづつだが変わらざるをえないのかもしれない。

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返済に詰め寄るオーナーたち、救うのは幸運の女神か? 第4話のあらすじ

契約していたオーナーたちが会社に押しかけ、フランチャイズ権(裏契約)の買い戻しを要求する。消費者金融社長・龍ヶ崎(大鷹明良)がまとめ役を買って出るが、樫村はオーナーひとりひとりに対応すると龍ヶ崎の申し出を断る。会社の事情を説明しようと「夢」を語る樫村だったが、怒り心頭のオーナーたちからは反対に呆れられてしまう。

ファンド社長・山本(大谷亮平)から至急リストラを求められる樫村は、直営店の閉鎖や融資先などに頭を悩ませる。樫村は謎の占い師に導かれ、十和子フード社長・十和子(水野美紀)へ資金と経営両面での支援を依頼。しかし息子の誕生日を忘れてしまい、さらに周囲からは十和子との関係を勘繰られてしまう。一方、樫村からアドバイスを求められた十和子は、スタッフを伴い北京秋天へ赴く。

メインバンクのちとせ銀行からも増資を断られ、その裏で前社長・大友(本田博太郎)が妙な動きをしていた事実を知る。

――夢ですよ。社長、夢で食っていきましょう!

北京秋天で十和子とともに改善点の話し合いをしていた樫村のもとに、コンサルティング会社の宮内(椎名桔平)が訪れる。

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第5話のみどころ 

社員の熱意に押される形で、赤字店の整理を先延ばしにしていた樫村だが、宮内に「甘い」と非難されてしまう。さらに自宅へ押し掛けた新聞記者・木佐貫(永岡佑)からは、会社の業績悪化について問いただされることに。

そんな中、デリシャスフードが直営店を整理している噂で株価が下がり、倒産を恐れたフランチャイズのオーナーたちが再び会社に押しかける。オーナーの一人で消費者金融社長・龍ヶ崎は金を返してもらうため、会社の銀行口座を差し押さえると言い出してしまう。

樫村は財務部長の岸野(勝村政信)から「寄っていただきたいところがある」と誘われるが、連れていかれた先にいたのは……。

幸運の女神に続き、いよいよホワイトナイトの登場か?会社が潰れるかどうかの瀬戸際――“最後のチャンス”に、社長・樫村の真価が問われる。会社再生とともに、樫村を中心とした人間模様も楽しみにしたい。(ZUU online 編集部)