さまざまなフランチャイズ本部に加盟し、いくつものブランドの店舗を抱える大手企業を「メガフランチャイジー」という。この呼称には明確なラインはないが、FC(フランチャイズ)研究会では“30店舗以上の展開、あるいはフランチャイズ売上げ額が20億円以上の企業”と定義しているようだ。

また競合へのノウハウ流出を防ぐため、同一業種業態に複数加盟するのは契約上困難である。反対に業種業態が違えば同一企業による複数加盟は容易く、むしろ異業種のノウハウを活かすことができるという。

メガフランチャイジーのなかには、本部よりもフランチャイズ知識やノウハウに長けた場合がある。そんな大手企業に、自社が持つ優良ブランドを樫村は売り渡すのか?ドラマBiz『ラストチャンス 再生請負人』(テレビ東京)、8月20日(月)午後10:00より放送される第6話のみどころを紹介したいと思う。

ラストチャンス
(画像=©テレビ東京)

働く母親の前に立ち塞がる壁

今年7月、厚生労働省から平成29年版「国民生活基礎調査の概況」が公表された。それによると、夫婦世帯では世帯主は男性=夫、女性=妻は配偶者となる。最近は逆の世帯も増えてはいるももの、比率的には考慮から外されるほどに少ない数だ。

世帯主(夫)の収入だけでは経済的に不安を感じる世帯は、(子供がいる場合なども)妻がパートなどで生計を補助する“共働き”状態になる。その実情を知ることが出来るのが、「末子の年齢階級別にみた母の仕事の状況」だ。

これは18歳未満の(未婚者)児童がいる世帯において、母親が仕事をしているかの比率を表示したもの。そのなかで、母親の就業は末子の年齢が高くなるにしたがり「非正規の職員・従業員」の割合が高くなる傾向とされている。2017年(平成29年)では仕事を持つ母親の割合は7割以上であり、2001年と比べれば18.3%も上昇。つまり末子が児童である世帯であっても、現在は7割もの母親が働いているのだ。

しかし、「働く母親」にとって正社員や復職・再就職の壁は高い。18歳未満の子どもがいる世帯で、仕事を持つ母親の正規社員率は24.7%と、パートなどを含む非正規社員率37%より低く、全体でも4分の1以下だ。ならば子供が大きくなれば正社員としてフルタイムで働けそうだが、現実には子どもの年齢と正規社員率に関連性はないようだ。

会社の休職・再雇用の整備化や待機児童の解消など、こうしたいくつもの問題を孕んではいるももの、周囲との相互理解こそが“壁”を崩す大きな力になるのかもしれない。

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ブランドを売り、赤字店を潰す以外に会社再生は不可能か? 第6話のあらすじ

社員の熱意に押され、赤字店に一ヶ月の猶予を与える樫村(仲村トオル)だったが、宮内(椎名桔平)からは「甘い」と非難されてしまう。さらに、会社の業績悪化を嗅ぎつけた新聞記者・木佐貫(永岡佑)が、社長である樫村の自宅まで押しかける始末だった。

そんな中、直営店を整理しているとの噂が流れたために、デリシャス・フードの株価が急落。倒産を恐れたフランチャイズのオーナーたちが会社へ大挙押しかけ、金を返せないなら会社の銀行口座を“差し押さえ”だと言い出してしまう。会社を守るため、返済を延ばしてくれと必死に懇願する樫村に対し、オーナーたちが与えた返済期日はわずか半年だった。

現状の危機を打開するため、宮内は会社の優良ブランドである新潟屋をメガフランチャージーへの売却を提案。だが、店をたんなる“商品”としての価値でしか考えない相手に対し、樫村は売却を拒絶する。

――そんなことをしたら、現場で懸命に働いている従業員たちに申し訳がたたない。

樫村の考えに反発した宮内は、互いの意見の相違として契約解消を申し出てしまう。

会社再建のため、社員とともに奮闘を続ける樫村だったが、苦しい業況にありながらも少しずつ光明が見え始めていた。そんな夫の姿を見た妻・明子(長谷川京子)は、自分も働くことを決意する。

ラストチャンス
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第6話のみどころ 

返済延期のためオーナーを訪れていた樫村は、財務部長・岸野(勝村政信)の案内でデリシャス・フード創業者の結城(池田成志)と初対面する。結城は自身の株を売って会社を去った後、小さなそば屋を営んでいた。会社を見捨て、巨額の含み損を出した張本人を前に憤りを隠せない樫村だったが、結城は経営再建に向け“ある提案”をする。

一方、樫村から経営支援を頼まれていた十和子フード社長の十和子(水野美紀)は、8億円の資金提供と引き換えに55%の株――経営権を求めていた。十和子に興味を持つファンド社長の山本(大谷亮平)だったが、その申し出には反発を見せる。

そんな中、専業主婦であった樫村の妻・明子が突如、以前樫村が勤めていた「ちとせ銀行」で働くことに。しかも彼女の勤務先とは、デリシャス・フードと取引関係のある港南支店で……。

会社の危機を招いた前経営者との対峙、“幸運の女神”である十和子の真意、さらに樫村の妻が選んだ就職先。デリシャス・フード再建を巡り、さまざまな思惑が入り乱れた第6話も楽しみにしたい。(ZUU online 編集部)