少し前、人がコンピュータと囲碁で対局し、人が負けたというニュースが世の中を踊りました。囲碁以外ではチェスや将棋でも同様のニュースがあったことを覚えている人もいることでしょう。これらはともにAIの技術進化がもたらした結果です。今や企業経営を始め、医療、食、製造、そして音楽や小説といったクリエイティブな分野まで、さまざまな分野でAIが導入されており、周りを見渡せば金融サービスを含めてAIの活用例はたくさんあります。そこで、今回はAIについて考えてみましょう。
AIはどんなことができるの?
AIとは、Artificial Intelligenceの略で、人工知能と訳されます。AIの定義は研究者の間でも異なっているものの、「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」だと言われています。
一方で日米の就労者を対象に、多くの人がAIについてどのようなイメージを持っているのかを総務省の「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(平成28年)で確認すると、日本ではAIのイメージを「コンピュータが人間のように見たり、聞いたり、話したりする技術」とする回答が最も多く、こちらでもAIをやや抽象的に、かつ難しいものと捉えていることが見て取れます。
そこで、実際にAIの活用例を見てみると、お掃除ロボットやペットロボットなどのロボット、ボット機能を活用したコミュニケーションアプリ、スマートフォンの音声応答アプリケーション、訪日外国人向けのAI翻訳サービスなど、私たちが普段使っているサービスにAIが用いられていることが分かります。
実際にサービスで見てみると、一見難しくて複雑だと思いがちなAIが、案外身近なものに感じられるのではないでしょうか。
金融業界でのAIの活躍、あなたはいくつ知ってる?
実は金融サービスにおいても多くの場面でAIが活躍し始めています。ここでは、金融でのいくつかのAIの活用をみてみましょう。
残高や為替レートがわかる
AIによって口座の残高や為替レートの確認ができるようになっています。AIスピーカーに対して残高やドル円の為替相場を尋ねると、その内容について答えてくれるというものです。
為替予測ができるAIも生まれている
AIで為替予測ができるサービスもでてきています。現在の為替相場を知るだけではなく、今後の為替相場の予測にもAIが活用されています。過去の値動きの情報などから将来予測が行われているようです。
AIは株価予測もできる
為替同様、AIは株価予測にも活用されています。AIによる株価予測は、さまざまなニュースをもとに株価が上がるか下がるかを予測するというものです。そのほか、大量のデータを分析してどのように株式取引を行えば利益が出るかを自動的に判断・売買する自動株取引にもAIが利用されています。
AIが金融商品のアドバイザリーをしてくれる
最後に、AIは金融商品のアドバイザリーをしてくれます。これまで資産運用や保険は人間が提案していましたが、AIを活用したロボアド(ロボットアドバイザー)内にある簡単なアンケートに答えるだけで、AIが資産配分や保険商品を提案してくれます。 こういったサービスは資産運用分野で先行していましたが、最近では保険でもこのようなサービスが生まれています。
このように金融サービスにもAIがさまざまな場面で活用されていることが分かります。あなたはいくつご存じでしたか。
AIによって生活がより便利になる日がやってくる
このように、金融サービスもAIの導入によって利便性が高まってきました。これまで金融サービスには複雑、難しいという印象があった人もいたことでしょう。AIの精度が上がり、私たち一人ひとりに適した回答や予測を含めたきめ細やかなサポートをしてくれるようになったら、それらのサポートを得ながら自分でお金のことを考え、判断し、行動できるようになるはずです。
AIは私たちの身近にいる良いサポーターだと捉え、どのように付き合うのが自分にとってベストなのか考えてみてはいかがでしょうか。(提供=auじぶん銀行)
執筆者:伊藤亮太(ファイナンシャルプランナー)
【おすすめ記事 auじぶん銀行より】
・もうすぐ「平成」が終わる…元号の変更でどうなる?昭和から平成はどうだった?
・その買い物、本当にお得ですか?松竹梅で竹を選ぶ理由―損しないための心理学
・40歳からのお金のやりくり、貯蓄のコツ。
・新築以外のマイホームの選択肢 中古物件を買う時のポイント
・初心者がNISAで始めるカンタン分散投資