昨日の海外時間には、株価が下落して円売りが強まる場面もありましたが、米長期金利が上昇したことからドル円は上昇しました。また南ア・第2四半期GDPが予想外のマイナス成長だったことから南ア・ランドが下落しています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日、発表された南ア・第2四半期GDPが予想外のマイナス成長で、第1四半期に続いて2期連続でマイナス成長となったことから2009年以来のリセッション(景気後退)入りとなって南ア・ランドは急落しています。8月13日の安値は割り込んでいませんが、その水準に迫る勢いです。また今日アメリカとのNAFTA再交渉が再開される予定のカナダ・ドルも続落しています。

しかしこれまでのところこういった通貨の下落が全般的なリスク回避にはつながっておらず、ドル円は堅調に推移しています。引き続き株価などよりも米長期金利との相関が強い状態が続いていることから、今晩の地区連銀総裁の講演などにも注目しています。

ドル売りポジションを検討

111.10円のドル売り円買いポジションは111.30円で損切りが成立しました。南ア・ランドなど新興国通貨の下落が全般的なリスク回避につながる可能性があることから、8月30日の高値111.80円台から8月1日の高値112.10円台の間付近でドル売りポジションを作りたいと考えています。

海外時間からの流れ

東京時間終盤から欧州時間序盤にかけて、米長期金利が上昇する中全般的にドル買いが優勢となって、ドル円は111.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.1550台まで下落しました。しかし欧州株価が下落したことから米長期金利が低下する流れとなると円買いが優勢となって、ドル円は111.20円付近まで反落し、ユーロ円は128.50円付近まで下落しました。

NY時間にはいると再び米長期金利が上昇したことからドル円は111.40円台まで上昇しましたが、NYダウが下落幅を拡大すると再び円買いが強まって、ドル円は111.10円台まで、ユーロ円は128.30円台まで下落しました。その後発表された米・8月ISM製造業景況指数が予想よりもいい結果だったいことからNYダウが反発する中米長期金利も一段と上昇し、円売りとドル売りが強まって、NY時間午後にかけてドル円は111.50円付近まで、ユーロ円は129.10円台まで、ユーロドルも1.1580台まで上昇しました。

東京時間にはいって、日経平均が軟調に推移していることからドル円は上値の重い展開となっていしたが、仲値絡みの円売りをきっかけにストップ・ロスを巻き込んで高値を更新しています。

今日の予定

今日の海外時間には、ユーロ圏・8月サービス業PMI(確報値)、英・8月サービス業PMI、ユーロ圏・7月小売売上高、米・7月貿易収支の発表があるほか加中銀(BOC)政策金利発表と、ブラード・セントルイス連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp