昨日の海外時間には、欧州株が下落してユーロ円やドル円が下落しましたが、NY時間にはいって株価と米長期金利が上昇したことから、リスク選好の動きの中円売りが優勢となりました。
今後の見通し
昨日の欧州時間には各国株価が下落したものの、NY時間に反発して前日比ではあまり変わらずの水準まで戻しました。その中で北米株だけは上昇しています。NAFTAの再交渉では、カナダが「国内酪農市場への限定的アクセスを米国側に認める用意がある」と報じられ、メキシコに続いて、カナダとも妥協点を見つけられる可能性が出てきました。
その一方中国は、WTO(世界貿易機関)に米国が通商紛争でのWTO判断を順守していないとして、約70億ドル相当の対米報復措置の承認を求めたことから、アメリカが第3弾の2000億ドル分、さらには第4弾の2670億ドル分への追加関税を発動して中国からの輸入品すべてに追加関税をかける可能性が現実的なものとなっています。
米中の貿易戦争の激化は、続く日米の貿易協議にもネガティブな連想を呼ぶことから、今後円高要因となる可能性があります。
一旦様子見
昨日111.40円でドル売り円買いのポジションを作りました。日中にほとんど建値付近の動きが続いたあと、欧州時間に少し利が乗りましたが、ふたたび反発したので、建値付近でポジションを閉じました。
海外時間からの流れ
欧州時間、寄り付き直後から欧州株が下落を始めたことからユーロ売り、円買いが優勢となって、ユーロドルは1.1560台まで、ユーロ円は128.70円台まで、ドル円も111.20円台まで下落しました。
NY時間にはいると、各国株価が反発を開始する中米長期金利も上昇したことから円売りが優勢となって、ドル円は111.60円台まで、ユーロ円は129.50円台まで、ユーロドルも1.1590台まで上昇しました。
なお、カナダがNAFT再交渉で「国内酪農市場への限定的アクセスを米国側に認める用意がある」としたことで交渉の進展があるのではとの見方でカナダ・ドルが買われました。
東京時間にはいってからは、日経平均が軟調に推移していることから円買いが優勢となっています。
今日の予定
今日の海外時間には、ユーロ圏・7月鉱工業生産、米・8月生産者物価指数の発表があるほか、米・ベージュブック(地区連銀経済報告)の公表、ブラード・セントルイス連銀総裁、ブレイナード・FRB理事の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp