こんにちは、相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

みなさんは、相続税申告の税理士をどのような基準で選びますか?
相続税申告なんて一生に何回もあるわけでもなく、もちろん、相続税の税理士を選ぶ機会もはじめての方が多いと思います。なので、どのような基準で選べばいいのかもわからないはずです。

今回のコラムは、相続税の税理士を選ぶべき基準をわかりやすくチェックリストにしてまとめました。是非、税理士選びの参考としてご活用ください。

チェックリスト

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(画像=税理士法人トゥモローズ)

まず、確認すべきことをチェックリストでまとめます。
下記10項目のうちできればすべて満たす税理士を選ぶべきです。ただ、選ぶ方によって重視すべき項目も異なると思いますので最低でも8項目以上のチェックが付いた税理士にしましょう。

❏ 聞く力を持っているか
❏ 相続税申告を個人単位で年間30件以上やっているか
❏ 税理士業界での経験は10年以上あり、相続税以外の経験も十分か
❏ 担当者は税理士資格を有しているか
❏ 書面添付制度をお願いできるか
❏ 報酬は相場と比べて適正か
❏ ワンストップで対応してくれるか(提携の相続専門家の有無)
❏ 二次相続についての提案があるか
❏ 税務調査率は5%以下か
❏ アフターサービスは充実しているか

解説

上記チェックリストの各項目について解説します!

聞く力を持っているか

税理士が相続税申告をする上で、いちばん重要なことは何でしょうか?

相続税を節税する、計算を間違えない、スピーディーに終わらせる、、、、

これらもとても重要なことですが、一番重要なことはお客様の思いを聞くことです。

どんなに腕の良い税理士でもお客様の希望と違った申告書を作ったらそれは優秀な税理士とは言えません。(もちろん、お客様の希望が法律に違反するような希望であれば軌道修正するのも税理士の重要な役割ですが。)

初回の面談時に、お客様の話に真剣に耳を傾けているか、確認してみてください。自社のアピールばかりとか、自分の意見ばかり押し付けるような税理士には頼まないほうが良いでしょう。

相続税申告を個人単位で年間30件以上やっているか

相続税の申告実績もその税理士が相続税に強いかどうか測る重要な基準になります。

ここで重要なのは、税理士法人全体の実績ではなく担当者個人の実績です。

例えば、大手税理士法人の場合で、その法人の申告実績が年間500件以上であったとしてもその法人の専門職が50人いれば、一人あたりの実績は平均で10件程度ということです。

また、大手税理士法人の場合には上司の税理士と担当者の二名体制で初回面談することも多いですが、実際に自身の案件を担当されるのはどちらなのかを必ず確認し、その担当者個人の申告実績を確認しましょう。

税理士業界での経験は10年以上あり、相続税以外の経験も十分か

相続税は税理士が扱う業務の中でも経験がものを言う分野です。また、相続税申告は相続税だけでなく、贈与税、所得税、法人税の知識や経験も必要になることが多いです。

例えば、遺産の中に賃貸不動産があった場合には、それを相続した翌年の不動産所得の確定申告も必要となります。相続税は詳しいんだけど不動産に関する所得税はあんまり詳しくないのでは全体最適なアドバイスはできません。

また、被相続人が会社オーナーであった場合には、その会社に関することにも適切なアドバイスができなければいけません。

相続税だけでなく違う税目、税金以外の知識も求められるのが相続税理士なのです。相続税申告を頼むにあたってはその税理士の相続税以外の経験値も確認すべきでしょう。

担当者は税理士資格を有しているか

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(画像=税理士法人トゥモローズ)

初回面談で担当者となる人の名刺に税理士の記載があるかどうか確認しましょう。

相続税申告は被相続人が遺した大切な財産を任せるとても重要な手続きです。その手続を任せる担当者が税理士資格を持っていないのは問題です。

例えば、税理士資格がない担当者は、将来、書面添付制度における意見聴取が必要となった場合でもその者一人で税務署職員と折衝することはできず、税理士資格を有した者の同席が必要となるケースが多いです。

また、初回面談で対応する担当者が税理士でなく営業職員という税理士法人も存在します。その営業職員がとてもいい感じの人であっても実際に相続税申告を担当する人ではありませんので、依頼するときは実際に担当する税理士と面談してから決めるべきでしょう。

書面添付制度をお願いできるか

書面添付制度とは、相続税の申告にあたり税金の専門家である税理士が、『この申告書は、適正な手続きを経て適正に作成した申告書です。』と折り紙を付けられる制度であり、一種の保証書のようなものです。この制度を適用した申告書は税務調査に入られる割合が低くなったり、修正申告時のペナルティーが減免されたりと納税者にとっては有利なことばかり。

詳細は、相続税の税務調査を避けたければ書面添付で相続税申告!のコラムを参照してください。

納税者にとって有利ではありますが、税理士にとってはこの書面添付に間違えがあったりすると懲戒処分を受けるリスクもあります。したがって、相続税に自信がない税理士はこの制度を積極的に勧めたがらないでしょう。

報酬は相場と比べて適正か

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(画像=税理士法人トゥモローズ)

相続税の税理士報酬の相場は、遺産総額(小規模宅地特例、生命保険等の非課税、借入金等の債務の控除前の金額)の0.5%~1%と言われています。つまり、遺産総額が2億円の場合、100万円から200万円程度が相場と言えるでしょう。下記のような特殊事情がない限り、この範囲に納まらない場合にはその税理士は適正報酬とは言えないと思います。

【特殊事情】
○相続人の数が多数
○土地の数が多い
○非上場株式が遺産に含まれる
○延納や物納を適用する
○農地や非上場株式の納税猶予を適用する

相続税申告の税理士報酬の相場 実際に税理士が調査しました!のコラムも参照してください。

また、報酬が相場と比べて高すぎるのはもっての外ですが、安すぎるのも注意しなければなりません。最近は相続税を専門に謳う税理士が増え、安かろう悪かろうの税理士もいないとは限りません。

ワンストップで対応してくれるか(提携の相続専門家の有無)

相続手続きは、相続税申告だけでなく不動産の名義変更である相続登記、金融機関の相続手続き、相続不動産の売却など多種多様です。 お客様の方でそれぞれの専門家を選択するのは手間と時間がかかります。信頼おける専門家に他分野の専門家を紹介してもらうのが一番効率的で確実なのです。
優秀な専門家の周りには、必ずその分野の別の優秀な専門家がいるものです。
その税理士が他の相続手続きを自信を持って紹介できる専門家が周りにいるか必ず確認しましょう。

二次相続についての提案があるか

父又は母のいずれかが先になくなった場合に、その相続を一次相続といいます。その後、遺された父又は母が亡くなることを二次相続をいいます。相続税は、この一次相続、二次相続、双方の相続税を抑えられるように、一次相続の遺産分割や二次相続の生前対策を考えなければなりません。今、頼もうとしている税理士が、相続税の専門家として二次相続を踏まえた提案があるかどうか、できるかどうかもよーく確認しましょう。

税務調査率は5%以下か

税務調査率を公表している税理士は多くはありませんが、集計している税理士はそれなりにいるかもしれません。せっかく税理士に頼むなら税務調査に入る割合が低いにこしたことはありません。ちなみに、上記の書面添付制度を適用している相続税申告の税務調査率は2.7%です。つまり、書面添付制度をデフォルトで適用している税理士は税務調査率も数%に抑えられるはずなのです。

アフターサービスは充実しているか

相続税申告が終わった後も相続不動産の売却、二次相続対策、相続不動産の確定申告、税務調査対応など様々なイベントが待ち構えています。相続税申告だけでなくアフター相続税申告も充実しているかどうか、確認しましょう。(提供:税理士法人トゥモローズ)