趣味の仲間がいる人、また、好奇心や向学心が旺盛な人は、イベントに参加する機会が多いだろう。そんな人にとっては、もうPeatixはお馴染みの存在かもしれない。イベントの主催者と参加者を、インターネット上でマッチングするサービスPeatixがユーザーを増やし続けているのは、いったいなぜなのか? Peatix Japan〔株〕代表取締役の岩井直文氏に取材した。

ユーザーの声を徹底して聞く。ただし、そのまま反映はしない

Peatix,岩井直文
(画像=THE21オンライン)

――Peatixを利用したイベントが多くなったように感じます。

岩井 そう言っていただけると嬉しいですね。イベント数が増えているのはわかっていても、実際のユーザー様にそう感じてもらえるのが一番嬉しいです。

――オフィスに来て驚きましたが、社員数が少ないんですね。

岩井 少人数で頑張っています。ニューヨークとシンガポール、クアラルンプールにも拠点を置いていて、グローバル全体で40人もいません。日本からサービスを始めたので、日本の社員数が一番多いのですが、それでも26人です。

人が少ない代わり、パートナー企業との協力体制やテクノロジーを活用して、サービスを運営しています。

――サービスの開始が2011年5月。現在、どれだけの人が利用しているのでしょうか?

岩井 ユーザー数が280万人強、イベント主催者数が8万人強になっています。

――なぜ、そんなに伸びたのですか?

岩井 スタートアップでも大きく広告を打つ企業が少なくありませんが、当社は、広告も含めて、営業活動はごく一部しかしていません。

イベント主催者がPeatixを使うきっかけは、8割が口コミです。そのうち半数は、Peatixを利用したイベントに参加したことで、Peatixを知った方です。そういった実体験や口コミでユーザー数が伸びていきました。

――口コミで広がるということは、ユーザーやイベント主催者の満足度が高いということだと思います。どのようにして、満足度を高めているのですか?

岩井 月並みな言い方になりますが、ユーザーの声を聞くことに尽きます。

もちろんアンケートも取っていますし、カスタマーサポートにいただいた声も聞いていますし、ユーザーがどの画面をよく見ていて、どの画面から先に進まなくなっているのかなどのデータも分析しています。

ただし、ユーザーの声を、そのまますぐに反映することはせず、慎重に検討しています。特に気をつけているのは、複雑化しないこと。できるだけシンプルなインターフェイスにこだわっています。

というのは、日本だけでなく、世界での展開を前提にしたサービスだからです。様々な文化の人たちに使っていただくためには、シンプルでなければなりません。

サービスを始めて2年目に海外に進出したのですが、すると海外の方から「わかりづらい」という声を多くいただきました。そこで、抜本的にデザインを変えることにしました。ニューヨークに拠点を置いているのは、優秀なデザイナーが多いのも理由です。

今は特にアジアでのユーザー数の伸びが大きいのですが、それもインターフェイスがシンプルだからだと思います。