クレジットカードの上位ランクとも言えば「プラチナ」や「ブラック」ですが、上位ランクであれば何でも良いというのは少々短絡的。利用のしやすさや取得のしやすさ、コストパフォーマンスを含め、最良の選択をするべきです。

数ある上位カードから1枚を選ぶ「視点」

card
(写真=Teerasak Ladnongkhun/Shutterstock.com)

クレジットカードは、世界に7種類ある「国際ブランド」のいずれかと契約を結んで発行されています。クレジッドカードを持つ場合には、決済可能な加盟店が多い「ビザ」「マスターカード」のいずれかをメインカード、そのほかの国際ブランドから1枚をサブカードとするのが、海外での使用も想定している場合には定番です。

カードランクには、「一般」「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」の4段階があります。富裕層に見合ったカードである「プラチナ」と「ブラック」の各ランクにおいて、メインカード、サブカードとして特に人気のクレジットカードを紹介します。

歴史と知名度で安定のステータス「三井住友プラチナカード」

三井住友プラチナカードはVISAとマスターカードの両方で発行されています。日本においてはテレビCMでもお馴染みの知名度が高いプラチナカードの一つで、所有することで本人のステータスを周りに自然にアピールできるでしょう。

このカードの人気の理由は、宝塚歌劇の貸し切り公演でSS席の優先販売や入手困難な歌舞伎や能などの鑑賞チケットの手配など、最高峰の伝統的な日本文化を味わえる優待が用意されていることや、一流レストランを含む飲食店での優待が充実していることです。

旅行の際には日本国内の主要空港において無料でラウンジが利用できたり、保険サービスが付帯していたりするのはもちろんのこと、コンシェルジュサービスに対する評判が高いことも特徴の一つです。

サブカードのプラチナという選択「JCBプラチナカード」

「JCBプラチナカード」は、三井住友プラチナカードと並んで日本を代表するプラチナカードであると言え、この2つのカードは優待内容などでも競い合うライバル関係にあります。優待内容で比較すると甲乙付けがたいのですが、決定的な違いがあります。それは年会費です。

三井住友プラチナカードの年間費は5万円ですが、JCBプラチナカードの年会費は2万5,000円です。数ある世界のプラチナカードの中でもJCBプラチナカードは最もコストパフォーマンスが良いカードの一つとされており、特にサブカードとしては最良の選択肢の一つでしょう。

世界1,000ヵ所以上の空港の専用ラウンジを無料で使用できる「プライオリティ・パス」の最上位グレード「プレステージ会員」(年会費399ドル)が無料で取得できることも、JCBプラチナカードの強みです。

日本で唯一発行されているVisaのブラック「Visa Infinite」

「Visa Infinite(ビザ・インフィニット)」は、VISAブランドとして日本で唯一発行されているブラックカードです。発行会社は日本のスルガ銀行で、VISAの公式サイトには「Visaの商品の中で最上位に位置するカード」と明記されています。

これまで紹介した「三井住友プラチナカード」と「JCBプラチナカード」はいずれも本人による申し込みも可能なクレジットカードですが、Visa Infiniteはスルガ銀行からの招待があって初めて保有することが可能です。「選ばれた人しか持てない」という希少性は、社会的地位が高い医師にとっても自己ブランディングに役立つカードと言えるでしょう。

招待を受けるためにはまずスルガ銀行の顧客になることが必須条件で、スルガ銀行における数千万円単位の預金額や住宅ローン契約をすることなどが招待の可能性を高めると言われています。この預金額は富裕層にとっては決して不可能な額ではなく、現実的に入手が目指せるブラックカードです。

ブラックカードの元祖「American Express Centurion Card」

「世界最高峰」と謳われているブラックカードが、「American Express Centurion Card(アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード)」です。そもそもブラックカードという概念を最初に形成したのはこのカードで、1999年の発行以降、多くの他社がこれに追随する形でさまざまなブラックカードを作ったという経緯があります。

保有するには入会金が54万円、年会費が37万8,000円かかります。Visa Infiniteの年会費は12万円ですから、その差は歴然です。Visa Infiniteと同様に完全招待制のブラックカードで、アメリカン・エキスプレスのプラチナカードにおける中長期にわたる決済金額が評価基準の一つとされ、勤務先企業の時価総額なども考慮されるとされています。

申し込むことで、チタン素材のカードに取り替えることができます。ひんやりとし、プラスチック製カードよりも重みのあるその1枚は、支払いの場面で保有者の高いステータスを確実に印象づけることになるでしょう。

上位クラスを持つ動機に立ち返ることも需要

なぜ上位クラスのクレジットカードを持つのか——。数あるプラチナカードやブラックカードから1枚を選ぶとき、まずその動機を改めて考えることが重要です。自己ブランディングを重視するのか、コストパフォーマンスも重視するのかなどによって、あなたが持つべきカードは変わってくるのです。(d.folio編集部 / d.folio