【目次】
①オーウエル 株式会社IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/01更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント【11/29更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- オーウエル株式会社
- コード
- 7670
- 市場
- 東証2部
- 業種
- 卸売業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 飛戸 克治 /1957年生
- 本店所在地
- 大阪府大阪市西淀川区御幣島
- 設立年
- 1943
- 従業員数
- 390人 (2018/09/30現在)(平均42.2歳、年収640.9万円)、連結603人
- 事業内容
- 塗料、表面処理剤、塗装関連機器・設備、意匠・保護フィルムなどの販売および電気・電子部品などの販売ならびにそれらに付帯する各種工事の請負および設計・監理
- URL
- http://www.owell.co.jp/
- 株主数
- 167人 (目論見書より)
- 資本金
- 857,860,000円 (2018/11/08現在)
- 上場時発行済み株数
- 10,500,000株
- 公開株数
- 1,872,200株(公募1,628,000株、オーバーアロットメント244,200株)
- 調達資金使途
- システム構築やロボットの更新、営業所改築費、運転資金、借入金の返済
- 連結会社
- 20社
- スケジュール
- 仮条件決定:2018/11/26→700円~750円に決定
- ブックビルディング期間:2018/11/28 - 12/04
- 公開価格決定:2018/12/05→750円に決定
- 申込期間:2018/12/06 - 12/11
- 払込期日:2018/12/12
- 上場日:2018/12/13→初値855円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:野村證券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:SMBC日興証券(SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- 従業員持ち株会 1,403,000株 16.27%
- 日本ペイント(株) 900,000株 10.43%
- 関西ペイント(株) 700,000株 8.12%
- 大日本塗料(株) 550,000株 6.38%
- (株)三菱UFJ銀行 420,000株 4.87%
- 日油(株) 400,000株 4.64%
- (株)三井住友銀行 300,000株 3.48%
- (株)みずほ銀行 300,000株 3.48%
- 宮本 文義 260,000株 3.01%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/3 連結実績 63,457 1,152 1,265 770
- 2018/3 連結実績 63,750 1,200 1,337 823
- 2019/3 連結予想 67,000 - 1,480 1,000
- 2019/3 連結中間実績 31,442 629 726 501
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の平成31年3月12日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 14億0415万0000円(1,872,200株×750円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- なし
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- オーウエル<7670>は塗料及び電気・電子部品の開発販売を行っている、1943年創業の大阪の老舗企業である。同社及び連結子会社16社、持分法適用関連会社4社の計21社で構成されている。
事業については塗料関連事業及び電気・電子部品事業の2事業体制である。
■塗料関連事業
同社の主力取扱商品である塗料は、その用途により「汎用塗料」と「工業用塗料」に大別できる。
「汎用塗料」は、建築用塗料に代表される一般的な塗料である。一方で「工業用塗料」は、自動車用塗料に代表される、生産ライン上などで工業製品に使用される塗料であり、顧客のニーズに応じて設計・開発されている。
同社は「汎用塗料」及び「工業用塗料」の開発販売を行っている。また塗料の開発のみならず、グループ会社において塗装請負も行っている。
また塗料関連事業において、塗料以外にも化成品(防音材、プラスチックシート等)、塗料関係の計測機器、塗装関連の工事請負など、顧客の製品や生産現場における課題解決の商品やサービスを提供している。
■電気・電子部品事業
電気・電子部品事業では、ホールICと言われる磁気センサー及びLED照明製品を取り扱っている。
磁気センサー専業的な代理店として事業を拡大しており、車載向け及び民生向けに製品を出荷。車載向けでは、ブレーキ制御、エンジン制御等に採用実績を有している。
LED照明製品はサイン、工場構内の照明、組込み市場等に向けた製品を設計・開発し、協力会社にて製造し、自社ブランドで販売中である。
■部門別売上高
塗料関連事業及び電気・電子部品事業の部門別売上高は下記となっている。
・塗料関連事業
2018年3月期 売上高498億円(前年同期比+1.3%増)
2019年3月期(予想) 売上高497億円(同▲0.2%減)
・電気・電子部品事業
2018年3月期 売上高139億円(前年同期比▲2.4%減)
2019年3月期(予想) 売上高173億円(同+24%増)
塗料関連事業は500億円目前の売上をキープの一方で、電気・電子部品事業の売上高について当期(2019年3月期)は前年同期比+24%増の170億円規模にまで拡大の予想である。
尚、従業員数は2018年9月30日現在、合計603名。そのうち、塗料関連事業479名、電気・電子部品事業69名の人員構成であり、売上高・人員ともに塗料関連事業中心の事業体制となっている。
■業績推移
2016年3月期 売上高544億円、経常利益9.4億円、当期純利益6.1億円
2017年3月期 売上高635億円、経常利益13億円、当期純利益7.7億円
2018年3月期 売上高638億円、経常利益13億円、当期純利益8.2億円
2019年3月期(予想) 売上高670億円、経常利益15億円、当期純利益10億円
着実に増収増益を重ねている。当期(2019年3月期)は経常利益15億円、当期純利益10億円の大台に乗る予定である。
当期はQ2累計で売上高314億円、経常利益7.3億円の実績であり、通期予想に対する進捗率は売上高47%、経常利益49%。通期予想達成に向け順調に進捗している。
■財務状況
2018年3月期末は資産合計454億円に対して、純資産合計164億円であり、自己資本比率は36%となっている。
借入金47億円に対して現預金60億円を有しており、実質的な無借金会社である。
また投資その他資産として、109億円の投資有価証券を保有している。取得原価20億円に対し貸借対照表上106億円の資産計上がなされており、時価評価で86億円の含み益の状態である。
塗料メーカーとして位置付けられるが、貸借対照表上で工場等の有形固定資産は33億円に留まる一方、現預金60億円、受取手形及び売掛金167億円、投資有価証券109億円を有する。メーカーとしては、有形固定資産の比率が非常に低い貸借対照表となっている。
■資金使途
IPOにより12億円の資金調達が予定されている。調達された資金については、主に下記の使途が予定されている。
① 塗装工程における現場管理システム構築のためのハード・ソフトウェア開発等の設備投資 2.6億円
② 老朽化した営業所の改築等 2.8億円
③ 子会社の塗装設備資金としての出資金 3.0億円
④ センサー関連事業のマーケティング用備品購入等の運転資金 0.3億円
⑤ 借入金の返済 3.3億円
■株主状況
筆頭株主はオーウエル従業員持株会の株主シェア16.3%。第2位日本ペイント(株主シェア10.4%)、第3位関西ペイント(同8.1%)、第4位大日本塗料(同6.4%)と取引先が上位株主となっている。
銀行も三菱UFJ銀行が第5位株主(同4.9%)、第7位株主として三井住友銀行(同3.5%)、みずほ銀行(同3.5%)と大株主として存在している。
■今後の注目ポイント