責任感なんてなくてもいい!?
著書『「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法』にて、「自己肯定感を高めることで、多くの悩みが解決する」ことを説く、心理カウンセラーの大嶋信頼氏。では、どうやったら自己肯定感を高めることができるのか。その方法の一つは、意外にも「責任感をなくす」ことだという。どういうことなのか詳しく伺った。
席を譲るか譲らないかで悶々と……
電車の席がたまたま空いていて「あ! ラッキー!」と思って座っていると、ご高齢者が乗ってきました。
「あ! 席を譲らなきゃ!」と瞬間的に思うのですが、「でも、待てよ! ご本人は高齢者と思っていないかもしれないから、譲ったら相手を不快にさせるかも?」と余計なことを考えてしまいます。
同時に「こんなことを考えて言い訳をして、席に座って楽をしたいだけなのかもしれない」とも考えて「じゃあ、譲ろうかな?」と思うのですが、「譲ったときに〝結構です!〟と断られたら恥ずかしいな!(周りの空気を悪くする)」と想像してしまって躊躇する……。
そうこう考えているうちに、隣に座っていた女性が「どうぞ!」と譲ってしまって「しまった!」と後悔しちゃいます。
それで終わればまだしも、家に帰ってきてからも「他の人が譲るまで待っている卑怯者」とか、「恥をかくことを恐れる、根性なし!」という言葉が頭に浮かんできては「自分はダメだな」と、どんどん自己肯定感が下がってしまいます。
「なんて恥ずかしい人間なんだ」と、そのことを考えていると生きているのも嫌な気分になってしまうんです。
「こんなことを考えるから自己肯定感が下がっちゃうんだよね」と、人に話しても「お前、それはただの考えすぎだろ!」と、笑われて終わってしまいます。
だったら考えなければいいのかな?と思っていても、同じような場面でやっぱり考えてしまって、「自分はダメだ?!」と、自己肯定感がどんどん下がってしまうんです。