「お風呂で酒を抜く」は絶対にNG!
その他、私が実践しているのは、「お酒を飲んだあとにお風呂(湯船)に入らない」こと。「お風呂で汗をかいて酒を抜く」なんていう話も聞きますが、先生の話によると、お風呂で汗をかいてアルコールを抜くことはできないそうなので、絶対にやめましょう。
お酒を飲んだあとに入浴すると、急激な温度変化により血圧が変動することで、激しい動悸やめまいに襲われる「ヒートショック」が起こります。飲酒時は一時的に血圧が下がった状態。つまり、普段より血圧の低い状態で入浴することで血圧の変動幅が大きくなり、ヒートショックが起こりやすくなるのです。
この取材をする以前、私も飲酒後の入浴で命の危険を感じたことがありました。飲酒とヒートショックの関係を医学的に学び、それ以来、飲酒後の入浴はしていません。今は夏なので湯船には入らない、という人も多いかと思いますが、冬場はぜひ気をつけてください。
このように、これまでのお酒にまつわる習慣や思い込みを見直し、飲み方を変えたことで、お酒は酔うためではなく「味わうために飲む」という意識がますます高まりました。このままのペースで飲み続けても大丈夫なのかな……という不安が出てきたときこそ、飲み方を変えるチャンス。お酒が好きで、これからもずっと飲み続けたいと思う人は、ぜひ「健康的な飲み方」を始めてみてください。
葉石かおり(はいし・かおり)エッセイスト/酒ジャーナリスト
1966年、東京都生まれ。日本大学卒業後、ラジオレポーター、女性週刊誌記者を経て現職。全国の日本酒蔵、本格焼酎・泡盛蔵を巡り、各メディアにコラムなどの寄稿や、講演、セミナー活動などを行なう。2015年、(一社)ジャパン・サケ・アソシエーション設立。国内外で酒のプロ、サケ・エキスパートの育成に励み、各地でイベントをプロデュースする。著書に、『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP社)など。≪取材・構成:麻生泰子≫(『THE21オンライン』2018年8月号より)
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