(本記事は、中根一氏の著書『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』KADOKAWA、2018年11月8日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

体調を整える水分摂取のタイミングと目安

(画像=nd3000/Shutterstock.com)

1日2リットルの水分摂取をすすめる健康法が流行りましたね。

私は、この考え方はおすすめできません。

そもそも、加齢とともに腎虚体質になり排泄機能が衰えているのにもかかわらず、誰もが水分を多く摂ることはナンセンスです。

水分を摂りすぎると、身体が重くなり倦怠感が出ます。

夕方になると足などがむくんでくるという方もいらっしゃるでしょう。朝と較べて飲んだ水分量よりも尿が少なくなる腎虚の時間だからです。

基本的に水分は飲みたい時に飲むということを心がけておきましょう。そもそも、きちんとした食事を心がけていれば、水分不足に陥ることはありません。

ですから、喉が渇いた時に、水を飲むようにします。

私がビジネスエリートの方をはじめ、患者さんにお伝えしている水分の摂り方についてお教えしましょう。

まず、一度にたくさん飲むことは控えます。だいたい湯飲み1杯くらい、200mlくらいの水分を、1日に7回程度飲むという方法です。

一例ですが、まずは朝起きた時、朝食、午前中の仕事の合間、昼食、15時の休憩時、晩御飯、お風呂の後に、一日の生活リズムに合わせて、水分を摂取してみてはいかがでしょうか?

小さなことですが、一流のビジネスマンは水分を上手に摂って身体を健康に保っているのです。

体調は肌に表れる。食事で「pHコントロール」

生まれたばかりの乳児の肌は中性ですが、すぐに弱酸性になって身体を守ります。ところが年をとると徐々に中性へと戻り始めるので、外部からの刺激によって肌が傷みやすくなるのです。

加えて皮脂の分泌が減ると、カサカサした肌となります。実年齢以上に老けて見える、ビジネスエリートの方にとって気になるお悩みです。

よく、シャンプーやボディソープのコマーシャルで、「弱酸性」をPRしていますね。これは、「肌に負担がかかりませんよ」ということをアピールしているのです。

肌は基本的にpH4.5?6の弱酸性を保っており、肌に付着した雑菌が繁殖しないようコントロールされています。

清潔を保つ自己治癒力を傷付けないように、基礎化粧品は弱酸性になっているのです。

石鹸は弱アルカリ性ですが、これは肌の余分な脂質や角質を取り除く(ピーリング)ため。「美人の湯」とされている温泉のお湯もアルカリ性が多く、温泉に入っているだけで全身のピーリング効果が期待できます。

ですから乾燥肌の人や普段から皮脂を洗い流すようなスキンケアをしている人は、アルカリ性の温泉から出たらすぐにスキンミルクなどの保湿クリームを使うことをおすすめします。

身体をアルカリ性に保つ梅干しの効果

体内と体表は、互いが陰陽のバランスを取っています。体内がアルカリ性ならば、肌は酸性を保ちます。

肌を健やかな状態に保つためにはスキンケアだけではなく、身体の内側、食事によるpHコントロールが大切になってくるのです。

pHコントロールで身体をアルカリ性に保つ食材は、梅干し。1日1個の梅干しが美肌管理につながるということです。東洋医学では、酸味は肝を補うと言われています。

肝のバランスが取れていると、五行で母の役割に該当している腎を補うので、疲れにくい身体になり、肌も美しく保つことができるのです。

いずれにせよ、健康的な肌を維持したいと思ったら、「pH」と酸味のある食事を意識してみましょう。

梅干しの他にも、ヨーグルト、ワイン、味噌や醤油などの調味料、お漬物、緑茶も、身体をアルカリ性に保つ食品です。

一流ビジネスエリートとファストフード

ハンバーガー、フライドチキンなどのファストフードは健康に悪いと問題視されています。ただ絶対にファストフードが百害あって一利なしということではないと私は考えています。

実際、私も時折、ファストフードを食べます。

では、ファストフードのどこが問題かといえば、「栄養の偏り」「塩分摂取」と「過酸化脂質」が挙げられます。

特に過酸化脂質は、細胞膜の働きを低下させて代謝を落としたり、動脈硬化などのリスクを高めたりする原因になります。東洋医学でいう、腎の働きが低下して、老け込みが増す要因となるのです。

ただし、仕事をしていて短い時間に食事を済ませなくてはならないという時などは、過酸化脂質を上手にコントロールできるようになれば、怖いものではありません。

逆に、「食べたいけど健康に悪いよね」、と思いながらファストフードを食べたり、食べることを我慢したりすることのほうが心身に不調をもたらすかもしれません。

ファストフードには、無駄な過酸化脂質の吸収を抑える緑茶がおすすめ

過酸化脂質をコントロールする、つまり体内で増加する過酸化脂質にブレーキをかけるのが、ビタミンEとビタミンCです。

ファストフードを食べる時は、これらを一緒に摂ると、無駄な過酸化脂質の吸収を抑えてくれます。

ビタミンEとビタミンCを効率よく同時に摂ることができる成分を含むのは、「緑茶」。また緑茶のカテキンは、運動を習慣とする人にとっては、脂肪燃焼、特に、体脂肪の減少をもたらすことがわかっています。

ペットボトルのお茶もいいですが、たまには茶葉の緑茶を自分で淹れて飲んでみるのも、一種の体調管理と言えるでしょう。

中根一(なかね・はじめ)
鍼灸師。「鍼灸Meridian烏丸」院長。京都在住。日本で最も古い鍼灸学術団体「経絡治療学会」の理事・関西支部長を務め、日本の東洋医学界を牽引。世界一流の政治家や経営者、俳優や音楽家だけでなく医師もクライアントに抱える。慢性疾患の治療だけでなく、疲労回復も得意とする現代人のお抱え鍼灸師として、執筆活動・ウェルネス事業アドバイザー・鍼灸学校における後進指導にあたっている。

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