「スキルという幻想」に振り回される40代

40代が、ゆとり世代に駆逐されないためには、何らかの手を打つ必要があります。

そういうと、まず「資格さえあれば!」「とにかくスキルアップ」と考える人は多いでしょう。最近は、「人生100年時代を生き抜くために、社会人も『学び直し』が必要だ」とメディアで盛んにいわれています。安倍政権も社会人の学び直しの支援に力を入れるようです。

しかし、私はいたずらに学び直す必要などないと思います。少なくとも、論理的思考やフレームワークといったいわゆるビジネススキルを学んでも、無意味。現場では役に立ちませんし、差別化にもつながりません。スキルなどというのは、世の中が作りあげた幻想に過ぎないのです。実は皆さんも薄々お気づきではありませんか?

無意味な学び直しの最たるものが、国内MBAです。かつて私は国内のビジネススクールで教鞭をとっていましたが、講義後に希望する生徒と連れ立って飲みに行くと、「MBAなんて、あまり役に立たないよ」と伝えていました。戸惑っていた生徒も、何週間か後にまた飲みに行くと、「成毛さんの言う通りかもしれません。MBAをとれば、なんとかなると思っていましたけど、なんともならないですね」と言っていました。

学生たちは数百万円の学費を払い、寝る間を削ってMBAに臨んでいますが、実は学位取得という知的趣味を楽しんでいるのです。

40代,成毛眞
(画像=THE21オンライン)