なぜ、日本で働く選択肢しかないのか?
もし、読者の皆さんが転職するとしたら、どんな基準で転職先を探すでしょうか。おそらく、大部分の人は「日本で働く」ことを前提にしているのではないでしょうか。
しかし私は、たとえ語学が十分に堪能ではなくとも、「海外で働く」ことを視野に入れたほうが良いと思います。中国や東南アジア、インドなどの新興国は成長し続けていて常に求人があるので、転職先に困ることはほとんどありません。それに、一度海外で働く経験を積めば、意外となんとかなることがわかるので、どの国でもやっていける可能性が高まります。
海外で働くというと、現地の顧客を相手にしたビジネスをイメージするかもしれませんが、必ずしもそうではありません。「日本の顧客」を相手にしたビジネスも数多くあります。たとえば、今や印刷は中国や東南アジアのほうが圧倒的に安く刷れるうえに、品質も向上しています。今後、「新興国で刷って日本に輸出する」という流れは加速するでしょう。そのとき、日本人の営業マンがいたほうが海外企業にとって営業しやすいので、日本人が欲しいのです。
試しに「海外 転職」でネットを検索してみてください。さまざまな海外求人サイトが出てきます。それらをのぞいてみると、実に多様な求人があることがわかるでしょう。
しかし、このような話をすると、「海外では働きたくない」と拒否反応を示す人が必ず出てきます。「日本が好きだから、離れたくない」というのであれば、別に強制はしませんが、そうした人には、一度海外旅行に行ってみることをお勧めします。思ったより快適な生活ができると気づくからです。
タイやマレーシアあたりは、比較的治安も良いですし、生活費が安い。また、日本からのLCCがバンバン飛んでいますから、往復5万円程度払えば、年に2、3回は帰ってこられます。将来、介護を受けることになっても、日本よりはるかに低価格で受けられるでしょう。老後の生活を考えても、今のうちに現地の暮らしに慣れておいたほうが得策です。
「妻(夫)や子供が嫌がる」という人もいるかもしれません。ただ、あなたの子供の世代になれば、日本は高齢者だらけの貧乏国になりますから、今のうちに海外に慣れさせておいたほうが、子供のためというものです。将来、家族を幸せにするためには何がベストな選択なのか、一度奥さん(ご主人)と話し合ってみてはいかがでしょうか。