「持ち家信仰」は将来的に地獄を招く
さらに、私が一刻も早く捨てたほうが良いと思うのは「持ち家信仰」です。
「家を持ってこそ一人前」と考えているのか、迷わずに家を買う人は少なくありません。この考え方は今の時代、非常に危険です。少なくとも、40代で20 年も30年もの高額なローンを組むのはあり得ません。将来、家計が破たんするリスクが高いからです。
冒頭で述べたように、今の40代が60歳を超える頃には社会保険制度が崩壊しますから、医療や介護にかかる費用がべらぼうに高くなります。そのときに、ローンの支払いが残っていると、さらに自分の首を締めることになりかねません。
「いざとなったら売って、安い家を借りればいい」と考えるかもしれませんが、残念ながら、大半の家は売れません。人口減によって、家が余りに余っているからです。そうこうしているうちに、貯金が底をつき、夫婦どちらかが要介護状態になれば、地獄が待っています。自分は大丈夫と思っていませんか。
そんな悲劇を招きたくなければ、今のうちに持ち家を売ってしまい、賃貸に変えることをお勧めします。「持ち家がないと不安」というなら、郊外で激安の家を買いましょう。私が東京に住んでいるとしたら、郊外のニュータウンのマンションを中古で安く買い、大々的にリノベーションします。ニュータウンは今や高齢者だらけになっていますが、自分も高齢者になってしまえば、大して気にならなくなるはずです。