睡眠の敵「ブルーライト」をどう防ぐ?

ブルーライト
(画像=THE21オンライン)

「スマホやパソコンのブルーライトが睡眠に悪影響を及ぼす」というのは、よく言われる話。眠る前にブルーライトを多く含む強い光を見ると、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が抑えられてしまうため、寝つきが悪くなるというのだ。しかし、仕事柄、スケジュールや資料の確認などで、夜でも画面を見ずにはいられないという人も多いだろう。そこで、できる限り睡眠に影響を与えないための「スマホ・パソコンとの上手な付き合い方」について考えてみよう。

睡眠の敵「ブルーライト」はこんなところにも!
1 LEDの蛍光灯、デスクライト
2 ファーストフード店やコンビニ
3 冷蔵庫やテレビ、電子レンジなど

「スマホのブルーライトで不眠になる」はもはや常識!?

人間は朝が来ると目覚め、夜になると眠る。その体内時計のサイクルで重要な役割を担っているのが「太陽の光」だ。目覚めてすぐに太陽の光を浴びることで「交感神経」が優位となって心身が覚醒し、日中に活動しやすい状態に整えられる。この時に体内時計がリセットされ、16時間後に睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌されるよう、スイッチが入るようになっているのだ。

しかし、夜になっても、太陽の光と同じような強い光を浴びたらどうなるだろう。脳が勘違いを起こしてメラトニンの分泌が抑制されてしまう。そのため、寝つきが悪くなるだけでなく、睡眠の質が低下するという。結果、十分な睡眠時間をとっても疲労感が残ることになりかねない。

この太陽光に多く含まれ、人間の体内時計に大きく影響を与えるのが「ブルーライト」だ。

波長が380~500nm(ナノメートル)と波長が短く、図に示すように他の波長の光に比べてメラトニンの分泌抑制効果が強い。また、ブルーライトは紫外線の次にエネルギーが強い。紫外線は目の水晶体で吸収される一方、ブルーライトは目の奥に位置する網膜まで届きやすい。その結果、網膜に直接ダメージを与えて青色光網膜傷害を起こすことでも知られている。

ブルーライト
(画像=THE21オンライン)

もちろん、これまでも人工的な光にはブルーライトが含まれてきたが、青色LEDの発明によりモバイルやゲームなど小型電子機器にも多く使われるようになった。特にスマホは目と画面との距離が近く、ブルーライトの影響を受けやすい。光を浴びるだけでなく、目の中に強く飛び込んでくるブルーライトに体内時計が撹乱されてしまうというわけだ。