教育費をいくらかけるか早めに話し合いを

また、ぜひ家計も一度、見直しを。手っ取り早く削るとしたら、固定費である保険料と住居費です。夫婦で財布を別に管理していると使途不明金が出やすいので、何に使っているかをはっきりさせる勇気が必要です。

教育費には個々の考え方や価値観が色濃く反映されます。例えばご主人は幼稚園から高校まで公立、奥様は私立の中高一貫校を卒業しているとします。誰もが自分が歩んできた道をわが子にもと思いがちですから、意見が食い違う可能性も。しかし先に触れたように、ご自身の学生時代とは明らかに状況が変わっています。まずは状況を正しく把握して、早い段階での教育方針のすり合わせがお勧めです。

教育費は「いくらかかるか」ではなく、「いくらかけるか」という費用。ライフプランをしっかり立てて、見通しをつけておけば、無自覚のまま老後資金を切り崩すリスクも回避しやすくなると考えます。

竹下さくら(たけした・さくら)ファイナンシャルプランナー
兵庫県生まれ。慶應義塾大学卒業後、損害保険会社・生命保険会社を経て、1998年に独立。「なごみFP事務所」を共同運営。おもに、個人向けのコンサルティングに従事し、講師や執筆活動も行なう。1級FP技能士、千葉商科大学大学院客員教授。著書に、『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)、『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春新書)など。≪取材・構成:吉川ゆこ≫(『THE21オンライン』2018年9月号より)

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