米中貿易戦争により、小型株のラッセル2000指数と大型株のダウ平均は負の相関となっていた。

中国への追加関税の見通しが強まった時では、外国市場の影響を受けやすいダウ平均は下落となっていた。一方で、内需色が強い小型株は貿易戦争の影響を受けにくいため、米国内における成長の余地があると考えられていた。それらの理由で投資家は、ダウ平均からラッセル2000へと資金をシフトさせていたのである。

しかし、米中間での貿易協議が進展(90日間の休戦合意)したことで、ダウ平均は上昇、ラッセル2000は下落となった。

米中貿易戦争における進展・後退は、株式市場の大きなファンダメンタルである。テクニカル分析に基づくと、次の展開としてラッセル2000は反発すると考えられる。しかし、貿易戦争が悪化することによって状況が変わる可能性はある。

chart
(画像=Investing.com)

今年9月以来でラッセル2000は25.6%下落し、米国主要株価指数の中で最も大幅安であった。そして唯一、200WMAを下回っている指数である。

ラッセル2000はこれらの要因によって弱気な見通しが強まっている。しかし、少なくとも今後数週間から1、2ヶ月の間に、同指数は反発する可能性が高いと考えられる。

ラッセル2000は先週8%下落し、主要株価指数の中でももっとも悪いパフォーマンスであった。この下落は2015年6月22日の高値から約0.1%未満上の水準で止まった。これは同指数にとって5年ぶりの調整局面であり、26%の暴落であった。

2016年11月に下落する中で、再び1300.00の水準まで戻った時にはどのようなプライスアクションだったのだろうか?

それは、繰り返される下落に乗ろうとしていた売り方がたくさんいたのだ。しかし、実際には価格は反発し、踏み上げ相場(ショートスクイーズ)を形成した。空売りしていた投資家が損失をカバーするために反対売買に急ぎ、価格はさらに上昇したのである。このことから、投資家は教訓を得て、株価の反発とプライスポイントを関連付けて考えるようになっただろう。

その一方で、予想を的中させた個人投資家は、小さな富を得て自信を付けただろう。明らかに、彼らは金融市場について少しばかり知っているように見える。しかし、彼らは同じ判断を繰り返すことはできるだろうか?

この値動きは現在の価格動向を支えている原動力である。MACDの他、RSIは2008年のリーマンショック以来の最低水準になっており反発を示唆している。

トレード戦略

慎重なトレーダーは、現在の下降トレンドに逆らわない方が良いだろう。反発が大陰線で否定されて下降トレンドが続くことを確認しよう。反発は1400.00まで上昇する可能性がある。

一般のトレーダーは、現在の下降トレンドに逆張りし、ロングポジションをとるかもしれないが、大陽線によってトレンドが確認できてからにしよう。そして、良いエントリーのためにその大陽線の後の下落を待とう。

積極的なトレーダーは、前回の高値を超えて終値を迎えることによって、逆張り的のロングポジションれるだろう。(提供:Investing.comより)

著者:ピンカス コーエン