2日、ニューヨーク市場終了後にアップル(NASDAQ:AAPL) は、2018年10-12月(第1四半期)の業績見通しを下方修正した。この下方修正の背景として、予想以上の中国圏(中国・台湾)の経済低迷による影響をあげている。アップルが売上高を下方修正したのは2007年のiPhone販売以降で初めてである。

2日のアップル株の終値は157.92ドルだった。しかし、同株価はこの発表があった後に7.66%(12.10ドル)下落し145.82ドルとなった。

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(画像=Investing.com)

アップル株は昨年10月3日の233.47ドルの最高値から、12月24日までには36%(85.32ドル)下落し145.59ドルとなった。そして、今回の値下がりを合わせると最高値から約38%(88ドル)下落している。

アップル株は明らかに弱気相場入りしている。また、中期でも下降トレンドである。しかし、このような深刻な下落の後で、上昇相場に転じる可能性がある。

現在、アップルの悪材料はすべて織り込まれ短期的に買い時に近いと考えられる。

テクニカル的には、2週間前に50日の移動平均線は200日の移動平均線を下回り、デッドクロスを形成している。しかし、RSIは21の水準まで落ち、売られ過ぎを示唆している。さらにMACDも買いシグナルを発している。

週足のRSIは26まで落ちており、これは2008年のリーマンショック以来の水準である。また、MACDでも売られ過ぎを示唆している。

これらのテクニカルは、今回の下方修正が発表される前に起こっている。テクニカルを使うことによってどこまで株価が動くかや、買い時を準備することができるだろう。

買いが入るのは130ドル台前半の水準だろう。アップル株は2015年にApple Watchの発売にかけて130ドル台にのったが、同製品はiPhoneに続く主力製品になる期待には届かず、株価が下落していった。これによって2015年半ばから2016年にかけて33%下落した。

しかし、iPhoneの売上が累計10億台を超えるにつれて、株価は上昇していった。133ドルの水準は抵抗ラインからサポートラインに転換した。

投資家はこれらの経緯を意識し、130ドル台前半以上下落しないと読んでこの水準が買い時となるだろうか?またこの水準は、2009年を底とする長期の上昇トレンドラインと一致する。そして、200WMAと2015年の最高値がこの水準を支えている。

テクニカルは作用するか?

アップルの売上高は890-930億ドルから840億ドルに下方修正されている。これは、9.7%の低下である。このことが株価に織り込まれ、143.51ドルまで下落している。

しかし、経済状況によって株式市場が揺さぶられる中で、トレーダーがテクニカル通りに取引するとは限らない。中国を中心とする世界的な経済の低迷懸念が株価を押し下げている。中国の製造業PMIは相次いで低下している。これらの懸念がアップル株を押し下げている。

トレーダーは上昇に転ずる調整を待っている。上記で述べたように、買いが入るのに良いポイントは2015年の最高値である。これは昨日の終値と200WMAの水準からまだ15%の下げ余地を残している。

トレード戦略

慎重なトレーダーは、中期トレンドが完全に上昇トレンドに転じるまで待とう。

一般トレーダーは、短期的にダウ理論上昇トレンドが成立するまで待とう。

積極的なトレーダーは、今回の下方修正が十分織り込まれたと考え、株価が146.59ドルの水準を超えて終値を迎えたら、ロングエントリーを考えることができる。または、200WMAの上で調整することでロングを見計らえることができる。もし、このようなことが起きなければ、次の買い機会は2015年の最高値だろう。

トレード例

・エントリー: $140
・損切り: $130
・損切り幅: $10
・目標価格: $170
・利確幅: $30
・リスクリワードレシオ: 1:3(提供:Investing.comより)

著者:ピンカス コーエン