※この記事は2019年1月3日11:05(GMT)に投稿されたものです。

2018年に比べると、2019年の原油価格は著しく低く幕が開いた。WTI原油は2018年と比べて24%低く45.81ドル、ブレント原油 は19%低く45.15ドルとなっている。

chart
(画像=Investing.com)

良いように捉えれば、WTI原油とブレント原油は、ウエスタン・カナディアン・セレクト(WCS)の29.48ドルより上で2018年を終えたことである。

2019年の原油市場は、いままでのところ2018年と同様ボラティリティーが高く、引き続き下降トレンドである。

このボラティリティーの高さは、2つの要因がある。最も大事な一つ目は投機的な動きであり、2つ目は不明瞭な2019年の世界経済への懸念である。この2つの要因が原油価格の乱高下を生んでいる。トレーダーにとって良いニュースは、ボラティリティーの高さから利益を生む機会があるということだ。

トランプ米大統領とアラブ首長国連邦のマズルーイ石油相はツイッターを通じて、2019年に対する明るい見通しを表明した。しかし、この明るい見通しは原油価格に対して全く真逆な見解だ。マズルーイ石油相は原油価格の上昇を求めている一方、トランプ米大統領は、米国消費者のために安いガソリン価格を望んでいる。

2018年12月初旬のOPEC総会での決定の影響は原油価格を押し上げることに失敗したが、マズルーイ石油相は2019年に対しポジティブにとらえている。

年が明け、私はOPECと非加盟国産油国による原油減産の後に第1四半期の原油市場バランスに対して楽観的な見方を継続している。昨年のこの時期では、我々の見解とは異なり悲観的な見通しがあったことを覚えている。2018年は良い年であった。(注1)

このマズルーイ石油相のツイートで「第1四半期の間で原油市場バランスに対して楽観的な見方」を続けていると述べている。そして、特に同氏は昨年の同じ頃をあげ、たくさんのアナリストは原油市場に対して悲観的な見方をしていた。この見方に対して、マズルーイ石油相は賛同していなかった。しかし、マズルーイ石油相にとって2018年は原油市場に対しいい年であったと評価している。

他のOPECの閣僚とは違い、マズルーイ石油相はOPECが直面するいかなる問題でも解決できるという楽観的な見解をしている。しかし、トレーダーは、同氏のツイッターでのこの楽観的なコメントに対して深読みすべきではないだろう。

一方で、同氏が2018年の原油価格について成功であるとみなしていることは興味深いことである。OPECの閣僚は原油価格において需要を苦しめないほどに高く、産油国の予算の均衡が保てないほど低くなく安定することが望まれていると考えられる。2018年では原油価格で大きなボラティリティーがみられ、ブレント原油は10月に80ドルを記録し、すぐに70ドル以下まで下落している。マズルーイ石油相のこの見解は、単純に2019年の第1四半期後で、高いボラティリティの中で上昇すると見込んでいるのか、もしくは同氏は彼の立場を活かして市場を動かすことに楽観的に考えているということかもしれない。

一方で、トランプ米大統領は2018年ではツイッターを通して石油価格を下げることを訴えてきた。昨年12月では、消費者は安いガソリン価格の恩恵を受けれるようになり、これは2019年も続くということを同氏の2019年1月1日のツイートで述べている。

トランプ米大統領は、ガソリン価格を下げることは、米国への減税と同じように捉えている。GasBuddyによると、米国の42%ガソリンスタンドはガロンあたり2ドル以下で販売しているという。

もちろん、ガソリン価格が下がることは消費者にとって良いことである。GasBuddyの2019年の予想によると、平均ガソリン価格は昨年よりやや価格が下がるとされている。しかし、消費者とトレーダーは、ガソリン価格が現在低くとも、ガソリンは5月にはすぐにガロンあたりの3ドル以上になる可能性を考慮すべきだ。

注1:記事の内容上この様に訳したが、筆者が読み間違えた可能性あり。(提供:Investing.comより)

著者:エレン ワルド