2019年の幕が開くと、引き続き株式市場はボラティリティーが高く、成長株は10年続いた米国経済の拡大も終焉であるという懸念から下押し圧力がかかっている。

このような不明瞭な情勢の中で、信頼できるディフェンシブ株をポートフォリオに組むことが懸命だろう。ディフェンシブ株の中でも、我々は世界的な化学品・医薬品メーカーであるメルク(Merck & Co., Inc.)(NYSE:MRK)を2つの理由から推薦することができる。同社の医薬品の売上と、堅い配当である。

1.メルクの強い成長

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(画像=Investing.com)

過去3年間にわたり、メルクは決算報告でアナリストの予想を上回ってきた。この続く強い成長は株価の上昇を招いている。メルクは2018年においてダウ平均に上場している中で、もっとも良いパフォーマンスをみせていた。

メルクのがん治療薬である「キイトルーダ」がマーケットシェアを拡大しており、メルクの成長ペースは当分落ちるとは考えられていない。2018年1月から9月にかけて、キイトルーダの売上は2倍になり50億ドルに達している。

キイトルーダの売上はメルクの成長の大切な要素であり、特に肺がんの領域から収益をあげるとみられる。一部のアナリストは、未治療患者の大半はキイトルーダを服用すると考えている。Evalate pharmaの予想によると、2024年までにキイトルーダの売上は年間126億9000万ドルになると考えられている。キイトルーダの成功が後押しし、メルクは2022年にかけて160億ドルを新しいプロジェクトに投資する計画を立てている。

メルクの抗がん薬に注目が集まっている一方で、同社の他の薬の売上も好調である。ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの売上は、前年同期比で55%上がっている。また、糖尿病薬のジャヌビアやジャヌメットの売上は14億9000万ドルとなっている。

2. 信頼できるディフェンシブ株

予想配当利回りは約3%であり、同社は投資家への還元を最優先にしている。メルクは1970年から配当の支払いが止まったことはない。同社は2010年から5.5%の増配を続けている。10月にメルクは配当を15%引き上げた後に、同社の現在の一株あたり配当は0.55ドルとなっている。

ここ数年で同社は投資家に還元するために自社株買いを行ってきた。10月では、同社はさらに100億ドルの自社株買いの計画があることを発表した。

配当成長は、売上の成長と同社の配当性向にかかっている。メルクの現在の配当性向は66%であり、同社は配当成長戦略において良いと考えられる。

要点

もし2019年のトレードで安全を求めているのなら、メルクは考慮するに値する株である。同社の強い成長や配当の成長をもって、長期投資家にとって良い株となっている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル