社債は高利率も狙えるが上級者向き
もう少し高いリターンを求めるなら、「社債」が狙い目です。
最近発行されたものを挙げると、人気のSBIホールディングスの2年債は年利0・48%、クレディセゾンの5年債は年利が0・18%でした。最低売買単位は10万円からと、社債の中では個人が買いやすい条件になっています。
一般的に、信用度が低い会社ほど、利率が高い傾向にありますが、その会社が満期までつぶれなければ、きちんと利息が支払われます。
株式とは異なり、「A社の社債はB証券とC証券だけが取り扱っている」というように取り扱い証券会社が限られていることが多いので、複数の証券会社をチェックしましょう。
証券会社のホームページをチェックすると、年利が5~10%という高金利の社債が売られていることがあります。これは「仕組債」と呼ばれるものです。
たとえば、仕組債のひとつの「他社株転換債」は、「その債券を発行している会社とは別の会社の株式の値動きによって、満期時にもらえるものが変わってくる」というような複雑な仕組みになっていて、場合によっては、満期時にお金の代わりに、値下がりした株式で支払われます。受け取った株式がその後に値上がりせず、資産が減ってしまうことも十分にあり得ます。
仕組みがわからないものには手を出さないというのが投資の鉄則。上級者向けの商品なので、ビギナーの人は、高金利につられて、手を出さないようにしましょう。
金利と為替差益が同時に狙える「外債」
もう一つ、比較的リターンの高い債券は、「外国債券(外債)」です。
外債は、「発行体」「発行した場所」「通貨」のいずれかが外国の公債・社債のことです。
外債の特徴は、日本の債券よりも高い金利の債券が多いことです。たとえば、最近発行された、「アフリカ開発銀行 メキシコペソ建て債券」は4年満期で、年利は約7%に達していました。
外貨建ての債券の場合は、為替差益も期待できます。たとえば、円をドルに換金して、ドル建ての債券を購入したとしましょう。満期時の為替レートが、買ったときよりも円安ドル高だとすると、ドルから円に換金したときに、多くの円を得られます。反対に、買ったときより円高ドル安なら、為替差損が発生します。こういった為替リスクには、証券会社の「外貨決済サービス」を利用して、満期時には外貨のまま受け取り、円安になるのを待って換金することで対応します。
ただし、金利の高い外債はそれだけ元本割れなどのリスクが高いうえ、そのリスクを見極めるための情報が少ないので、ビギナーには買うのが難しいかもしれません。外債投資がしたいなら、外国債券を投資対象とした投資信託を利用すると良いでしょう。
これらの債券を上手に使い分けて、資金を着実に増やしてください。
やがら純子(やがら・じゅんこ)ファイナンシャルプランナー/アナウンサー
神奈川県生まれ。アナウンサーとして報道・情報番組に携わる中で、個人責任の時代を生き抜くには金融知識が必要になると感じ、2000年にFP資格を取得。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。All About「国債・債券」「マネープラン」ガイドとして、初心者が始めやすい資産運用や人生設計に基づくお金の貯め方増やし方を解説。(『THE21オンライン』2018年9月号より)
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