個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)では、運用商品として投資信託の一種である「バランスファンド」を選べる。分散投資によるリスクヘッジを考えるなら、初心者でも手を出しやすい運用商品だ。

そもそもバランスファンドとは?

イデコ,バランスファンド
(画像=Borka Kiss/Shutterstock.com)

iDeCoの運用商品には、「元本確保商品」と「投資信託」がある。元本確保商品は元本割れのリスクがない定期預金や保険商品などで、投資信託は運用の専門家に資産運用を任せるタイプの商品だ。

投資信託の投資対象は、国内外の株式や債券、不動産を投資対象とする不動産投資信託(REIT)などで、これらを組み合わせた商品が「バランス型」「バランスファンド」などと呼ばれる。

バランスファンドの強みは、投資・運用する資産を複数に分散することで、仮にそのうち一つの資産の価格が大きく値下がりしたとしても、全体への影響を小さく抑えることができることだ。こうした仕組みは「分散投資」と呼ばれ、リスク軽減に有効な手段の一つとされている。

バランスファンドの運用商品には、「4資産均等型」「8資産均等型」など複数の資産に等しい割合で投資を行うタイプや、「株式重点型」「債券重点型」など特定の資産にウェイトを置くタイプ、「成長型」「安定型」など投資姿勢に特徴があるタイプなどがある。

実際に運用されているバランスファンド

iDeCoを取り扱う都市銀行の商品ラインナップにある、バランスファンドの特徴をみていこう。

ちなみに投資信託には、大きく分けて「パッシブ型」と「アクティブ型」がある。パッシブ型は東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動する成果を目指すタイプで、アクティブ型は指数を超える成果を目指すタイプだ。パッシブ型のほうが運用管理費用に相当する「信託報酬」が安く、運用方針も明解なことから、初心者に向いているとされる。

eMAXIS バランス(4資産均等型)

「eMAXIS バランス(4資産均等型)」は、三菱UFJ銀行が取り扱うパッシブ型のバランスファンドで、国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券の各資産への基本投資割合が25%に設定されている。国内株式は東証株価指数と連動する投資成果を目指して運用されており、投資対象ごとに目標とする指数が設定されている。信託報酬は年0.54%以内だ。

eMAXIS バランス(8資産均等型)

「eMAXIS バランス(8資産均等型)」は、前項で紹介した4資産均等型と同様に、三菱UFJ銀行が扱うパッシブ型のバランスファンドだ。8資産均等型では、4資産均等型で取り扱う国内株式、先進国株式、国内債券、先進国債券に加え、新興国株式、新興国債券、国内REIT、先進国REITも対象となっており、各資産への基本投資割合は12.5%と設定されている。信託報酬は年0.54%以内だ。

三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)

「三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)」は、三井住友銀行が扱うパッシブ型のバランスファンドで、基本資産配分が債券にかなり偏っている。投資目論見書によれば、資産配分は国内債券に55%、外国債券に10%となっている。信託報酬は年0.2376%。

三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型)

「三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型)」も三井住友銀行が取り扱っているバランスファンドだが、これまでに紹介した商品とは違い、アクティブ型の投資信託だ。資産配分は市場のリスク状況を加味して設定され、下落リスクを抑えつつ中長期的な成長を目指すものとされている。信託報酬は年0.8856%で、これまで紹介したどのパッシブ型バランスファンドよりも高い。

交付目論見書や運用報告書で特徴の確認を

金融機関によって、取り扱うバランスファンドは異なる。それぞれの特徴は運用商品ごとに公表されている「交付目論見書」、過去の運用実績については「運用報告書」で確認することができる。商品選びの際の参考にしよう。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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