IPO(新規公開株)投資は利益を得る期待値が高く、人気の投資方法だ。IPO投資するには、どの証券会社を利用するのがいいのだろうか。証券会社のうち、ネット証券は手数料が安く気軽に利用できる。ネット証券を、IPO投資における「銘柄取扱数」、「手数料」、「資金活用」の3点でランキングした。これらのランキングを、IPO投資に有利なネット証券選びの参考にしてほしい。
IPO抽選を狙うならネット証券を活用
IPO株を購入するには、証券会社から配分してもらうか、抽選で当選する必要がある。ネット証券は手数料が安く、IPO株の多くを抽選で配分するため、IPOの抽選を狙うならネット証券を活用したい。
また、当選確率を上げる方法の一つとして、複数の証券会社から申し込むことが有効だ。IPOを取り扱う複数のネット証券に口座を開設しておくのがよいだろう。
それではどのネット証券に口座を開設するのがよいのか。参考までに2018年にIPOの取り扱いがあったネット証券とその特徴リストアップする。
・SBI証券……IPO取扱数の多さとIPOのポイント制度が魅力
・マネックス証券……IPO取り扱いが全体の半数以上と多い
・岡三オンライン証券……過去の取引実績によりIPO抽選が有利になる
・カブドットコム証券……MUFGグループの強みがあり、IPOコンテンツ特化アプリを提供
・楽天証券……購入申込株数に応じて抽選を行う(資金が多いほうが抽選で有利)
・松井証券……IPO割当株数のうち70%以上を抽選で配分する
・ライブスター証券……IPO割当株数の原則100%を抽選で配分する
・GMOクリック証券……IPO割当株数の100%を平等抽選で配分する
次にネット証券をIPOの取扱数、手数料、資金活用でそれぞれランキングした結果を紹介しよう。
ネット証券のIPO取扱数ランキング1位はSBI証券
はじめにIPO取扱数ランキングを紹介する。当然ながら、取扱数が多いネット証券のほうがIPOの申し込みを多くできる。2018年のIPO数は全体で100社弱であった。
ネット証券IPO取扱数ランキング
1位 86社 SBI証券
2位 50社 マネックス証券
3位 48社 岡三オンライン証券
4位 24社 カブドットコム証券
5位 11社 楽天証券
6位 9社 松井証券
7位 4社 ライブスター証券
8位 1社 GMOクリック証券
ネット証券のなかでは1位のSBI証券の取り扱い数が突出している。2位のマネックス証券と3位の岡三オンライン証券は全体の半数ほどの取り扱いがあった。
4位のカブドットコム証券は、全体の4分の1程度の取り扱い。5位の楽天証券と6位の松井証券は全体の1割程度。そして7位のライブスター証券と8位のGMOクリック証券と続く。
取り扱い数が少ないライブスター証券や、GMOクリック証券にもメリットがある。これらのネット証券は、IPO投資を目的とした顧客が少ないと想定される。抽選倍率は非公表であることが多く正確な比較は難しいが、IPOに申し込むライバルが少ないと考えられる。
ネット証券のIPO手数料ランキング1位はライブスター証券
ネット証券では通常IPO株購入の手数料が無料である。IPO投資で必要となる手数料は、IPO株上場後の売却手数料だ。ネット証券のIPO手数料ランキングを次に示す。今回は約定金額50万円で比較。ランキングは約定金額によって若干変動する。
ネット証券IPO投資手数料ランキング(約定代金50万円の現物手数料、税込)
1位 194円 ライブスター証券
2位 260円 GMOクリック証券
3位 270円 SBI証券
3位 270円 楽天証券
3位 270円 カブドットコム証券
6位 378円 岡三オンライン証券
7位 486円 マネックス証券
8位 540円 松井証券
ネット証券の手数料は、「約定毎の手数料プラン」と「1日の約定代金合計の手数料プラン」の両プランを用意しているところが多い。1位から7位までは、約定毎の手数料プランの料金だ。
8位の松井証券は約定毎の手数料プランがなく、このランキングでは不利な結果となった。しかし、たとえば10万円以下の約定では、松井証券の手数料は0円で最安である。
資金を用意するべきタイミングも確認
ネット証券のなかには、IPOのブックビルディング(需要予測)に申し込むだけで資金が拘束される会社もある。資金を用意すべきタイミングを把握しておこう。
ネット証券IPO資金活用のタイミング
・抽選後……岡三オンライン証券、松井証券、ライブスター証券
・抽選前・購入申込後……GMOクリック証券
・抽選前・購入申込前……SBI証券
・ブックビルディング申込前……カブドットコム証券
・ブックビルディング申込前……マネックス証券
・ブックビルディング申込前……楽天証券
資金を用意するタイミングは、「抽選後」、「抽選前(購入申込後)」、「抽選前(購入申込時)」、「抽選前(購入申込前)」、「ブックビルディング申込前」に分類される。
抽選後は、岡三オンライン証券、松井証券、ライブスター証券が該当する。これらのネット証券は当選するまで資金が不要であり、IPOの資金を最も効率的に活用できる。
抽選前(購入申込後)は、GMOクリック証券が該当する。抽選前に資金を用意する必要があるが、資金が拘束されるのは購入申込後なので、抽選前の分類のなかでは資金の拘束期間が短い。
抽選前(購入申込前)は、SBI証券が該当する。抽選前且つ購入申込前に資金を用意する。SBI証券は抽選の後に「購入申込期間」があるため、資金の拘束期間が「抽選前(購入申込時)」よりも長くなる。
ブックビルディング申込前は、カブドットコム証券とマネックス証券、楽天証券が該当する。ブックビルディング申込の前に資金を用意する必要があり、このなかでは最も長く資金が拘束される。
「ブックビルディング申込前」と「抽選後」などの証券口座を組み合わせて利用することで、資金拘束のタイミングが重ならずに、資金を有効活用できる。
文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)/MONEY TIMES
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