商品よりも大事なのは「リスト」。だが……

市場,船ヶ山哲
(画像=The 21 online)

「リストを制する者がビジネスを制する」とはよく言われることだが、では、どんなリストでもいいかと言えば、そんなことはない。

本当に必要なリストとはどういうもので、それはどのように手に入れればいいのか。

マーケティングのプロである船ケ山氏が解説する。

「結婚式の招待リスト」と仕事のリストの違いとは?

あなたはこれまでに結婚式を挙げたことはありますか。もし、なかったとしても、その際の段取りはなんとなく想像できると思います。

まずは、結婚式に呼びたい友人や知り合いをリストアップし、招待状を書くことで案内をします。そこで出欠を取り、最終人数を確定させるわけですが、もし、あなたが、この結婚式をもう一度、「1カ月後」に行なうとしたら何人の人が集まるでしょうか。

おそらく、1桁ないしゼロになる可能性が大です。

しかし、ビジネスの場合、1回売ったからもう終わりということはなく、この先も何度も販売し続ける必要があります。ということは、結婚式以上に膨大なリストが必要になるということです。

再度、結婚式に置き換えるとわかりやすいと思いますが、リストの友達が少ないからといって、街中を歩いている見ず知らずの人にいきなり声をかける人はいませんし、そんなことをしても「お互い迷惑になる」だけです。

にもかかわらず、これがビジネスとなると、このような大切な視点を見失ってしまう人がいるのです。むしろ、そのような人ばかりです。

そして、「お客が集まらない」と嘆く羽目になるわけです。

が、リストがあれば状況は一変します。なぜなら、そのリストに対し、1通のメールないしお手紙を送れば、それだけで集客が済んでしまうからです。こんなに簡単なことはありませんし、そこには労力も根性も不要です。

つまり、集客に必要なのは商品ではなくリストです。だから、どんなビジネスを行なっていたとしても、リストを持っている人には敵わないと言われるのです。

「お金を払う人」のリストはどこで見つかるのか?

とはいえ、リストであれば何でもいいということではありません。

ただのリストではなく、「顧客リスト」ないし「見込み客リスト」を所有していなければ、仮に人が集まってきたとしても、それをお金に変えることはできないからです。

集客とは、人を集める行為ではなく「お金を払う可能性のある人」を集めることです。だから、集客をしたければ、まずは見込み客リストを集める必要があるのです。

とはいえ、「その顧客リストないし見込み客リストがないから困っているんだ」という人も多いとは思いますが、だとしたら、今から集めればいいだけです。

冒頭でお話しした結婚式の例と同じで、はじめから式に呼ぶ人のリストを持っている人など、ほぼいません。仮にいるとしたら、親の言いつけで政略結婚をする人ぐらいです。

それ以外の人は、これまで出会ってきた多くの人たちが、結婚式にも参加し、祝福してくれることになります。ですので、集客ができないと嘆く暇があったら、今すぐ行動を起こして見込み客を集めることです。