ネット証券には、取引手数料や投資信託の保有金額などに応じてポイントが付与されるポイント還元サービスがある。ポイント付与の対象・還元率・使い方などは各社さまざま。主要5社のポイント還元サービスはどう違うのか?

ネット証券のポイント還元サービス 投資信託によるポイント付与以外も要チェック

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(画像=Phonix_a Pk.sarote/Shutterstock.com)

主要ネット証券が提供するポイント還元サービスの概要を以下で確認してほしい。投資信託に関わるポイント付与率以外にも、各社独自のポイント付与サービスや使用方法に違いがある。そのため、ネット証券選びにあたってはこの辺りについても事前にチェックするのとよい。

SBI証券−−現金にも交換できるSBIポイントとSBI独自のIPOチャレンジポイント

SBI証券のポイントプログラムには、「SBIポイント」と「IPOチャレンジポイント」の2種類がある。

「SBIポイント」はさまざまな場面で獲得可能だ。新規口座開設で一律100ポイント、国内株式移管入庫1回につき100ポイント。さらに「国内株式手数料マイレージサービス」、「投信マイレージサービス」、「金・プラチナ・銀マイレージサービス」の3つのマイレージサービスでは取引内容に応じて一定割合のポイントが付与される。

「国内株式手数料マイレージサービス」では国内株式取引手数料の月間合計額の1.1%相当のポイント付与だ。

「投信マイレージサービス」については以下の通りだ。

SBI証券が取り扱う国内公募投資信託の月間平均保有金額が
・1,000万円未満…年率0.1%
・1,000万円以上…年率0.2%

さらに指定銘柄を保有していると一律0.05%または0.03%相当のポイントが付与される。

「金・プラチナ・銀マイレージサービス」は、金・プラチナ・銀取引のスポット取引と積立取引のどちらに対しても、月間手数料合計額の1.0%相当のポイントが付与されるサービスだ。

貯まったSBIポイントは現金や商品・ほかのポイント・マイルに交換することができる。現金交換の際の指定口座を住信SBIネット銀行にすると1ポイント=0.85円で手数料無料、ゆうちょ銀行を除く金融機関を指定すると1ポイント=0.8円で手数料は1件につき165円で交換できる。

1:1でnanacoポイントやTポイントに交換する、または所定の交換レートでANAやJALのマイレージクラブのマイルへ、あるいは商品カタログの中からお好みの品を選んで交換することもできる。

ただし、SBIポイントを使用するにあたっては、まずは貯まったSBIポイントをポイントサイトに振り替えて、利用開始の手続きをする必要があるのでご注意を。

「IPOチャレンジポイント」は、新規上場株式の抽選に外れるたびに自動的に1ポイントが付与され、貯まったポイントを使うと次回以降の銘柄の抽選で当選しやすくなるというSBI独自のサービスだ。

楽天証券――楽天スーパーポイントやJALマイルへの交換の他、投資信託に再投資

楽天証券のポイントプラグラムには貯め方が数通りある。

国内外株式や投資信託、日経225先物取引・日経225オプション・海外先物・金プラチナ取引では手数料の1%分のポイントが付与される。投信積立では買付手数料の全額分のポイントが、投資信託の保有残高が50万円以上なら月々の保有残高に応じたポイントが付与される。

取引以外でも、友達や家族に楽天紹介を紹介する、またはポイントプレゼントキャンペーンに参加してもポイントを貯めることができる。連携する楽天銀行で口座開設しハッピープログラムにエントリーしてから楽天証券で取引すると、楽天スーパーポイントまで貯められる。

楽天証券で貯まったポイントは、1:1の割合で楽天スーパーポイントに交換する、JALマイレージバンクのマイルに交換する、または楽天証券が取り扱う投資信託の購入に充てることができる。

マネックス証券――株式売買手数料への充当や、マイル・さまざまなポイントに交換可能

マネックス証券は、投資信託購入時に申込手数料の1.5%(マネックスセゾンカードを持っていれば4.5%)分のマネックスポイントが付与される。さらに、投資信託を保有していると、月間平均残高×0.08%÷12で算出した金額相当のポイントも付与される。ポイントの有効期間は、ポイントを獲得した日の翌々年度末までとなっている。

貯まったマネックスポイントは株式売買手数料に1ポイント=1円で充当できる。それ以外にも、さまざまなポイントと交換したり、1ポイントから日本赤十字社に寄付できたり、マネックスグッズなどに交換することもできる。

ほかのポイントとの交換比率は、以下の通りだ。

・1,000マネックスポイント=ANAまたはJALマイレージバンクの250マイル
・250マネックスポイント=永久不滅ポイント50ポイント
・100マネックスポイント=WAONポイント100ポイント
・50マネックスポイント=Tポイント50ポイント
・50マネックスポイント=nanacoポイント50ポイント

松井証券――投信積立購入やAmazonギフト券などと交換できる

松井証券ポイントプログラムでは、ポイント発行対象の投資信託銘柄の保有で、月間平均保有残高×0.1%÷12相当の松井証券ポイントが付与される。ブルベア型を除く投資信託を購入しても、購入時手数料全額分の松井証券ポイントが、1円=1ポイント換算で還元される。ポイント有効期限は翌々年度の3月末日だ。

それ以外にも、提携クレジットカード「MATSUI SECURITIES CARD」の利用料100円ごとに1ポイントの松井証券ポイントが還元されるポイントサービス(有効期限はポイント発行日の2年後)や、ポイントが発行されるキャンペーンも実施している。キャンペーンの詳細やポイントの有効期限についてはWEBサイト上で確認可能だ。

松井証券ポイントは、1ポイント=1円として、100ポイント以上1ポイント単位で、対象投資信託の積立投資の購入に利用できる。さらに、カタログ商品との交換や、1ポイント1円で1,000円または10,000円のAmazonギフト券への交換もできる。

カブドットコム証券 100ポイント貯まると1万円の現金プレゼント

カブドットコム証券が取り扱う対象公募株式投資信託を保有している場合、月間平均保有額が3,000万円未満であれば100万円ごとに1ポイント付与、3,000万円以上であれば、100万円ごとに2ポイントが付与される。有効期限は3年。100ポイント貯まると1万円の現金がプレゼントされる。

ネット証券のポイントプログラム ポイント獲得チャンスと交換方法をチェック

主要5大ネット証券のポイントプラグラムは、投資信託購入または保有でポイントが付与される点は共通しているが、それ以外のポイント付与対象やポイント交換先・ポイント交換比率などは各社によって違いがある。

SBI証券や楽天証券のポイントは、株式・投資信託購入と保有・金融商品・金銀プラチナなど、幅広い取引でポイントが貯められる。ポイントが貯まれば、現金に交換または投資信託の購入・商品やマイルまたはほかのポイントと交換するなど、選択肢も豊富で、ポイントプログラムを活用しやすい。

マネックス証券と松井証券では、ポイントが付与されるのが投資信託の購入と保有など限定的だ。しかし、貯まったポイントを株式売買手数料または積立投信購入費用に充当できるだけでなく、その他のマイルやギフト券・商品にも交換できるので使い勝手はよい。

カブドットコム証券については、ポイント付与・交換条件が厳しく、大口の投資信託を保有している人に限って有効なサービスだといえよう。

ネット証券を選ぶ際にポイントプログラムの内容も考慮に入れるのであれば、口座開設後の自分の投資スタイルを想定して、付与されるポイントで少なからず投資回収できるのが望ましい。今後さまざまな金融商品を購入したり頻繁に取引したりする可能性があれば、ポイント獲得チャンスが多く、ポイント交換の選択肢が多い証券会社を選ぶのもよい。株式または投資信託を主な取引対象にする予定であれば、株式売買または投資信託購入・保有でポイントが付与される証券会社でもポイントプログラムを十分活用できるだろう。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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