【目次】
①ギークスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/11更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/7更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- ギークス株式会社
- コード
- 7060
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 曽根原 稔人 /1975年生
- 本店所在地
- 東京都渋谷区道玄坂二丁目11番1号
- 設立年
- 2007年
- 従業員数
- 86人 (2019/01/31現在)(平均30.6歳、年収440.4万円)、連結311人
- 事業内容
- IT(情報技術)フリーランスの働き方を支援し、企業向けに技術リソースのシェアリングを提供するIT人材事業、ならびにIT人材育成、ゲーム・動画制作など
- URL
- https://geechs.com/
- 株主数
- 8人(目論見書より)
- 資本金
- 419,941,000円 (2019/02/15現在)
- 上場時発行済み株数
- 5,050,920株(別に潜在株式218,260株)
- 公開株数
- 931,500株(公募622,000株、売り出し188,000株、オーバーアロットメント121,500株)
- 調達資金使途
- 本社オフィス増床、広告費や人件費などの運転資金
- 連結会社
- 2社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/03/04→1,800~1,930円に決定
- ブックビルディング期間:2019/03/05 - 03/11
- 公開価格決定:2019/03/12→1,930円に決定
- 申込期間:2019/03/13 - 03/18
- 払込期日:2019/03/19
- 上場日:2019/03/20→初値2,900円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東洋証券
- 引受証券:エース証券
- 引受証券:水戸証券
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 大株主
- 曽根原 稔人 1,776,000株 38.38%
- (同)ベインパートナーズ 1,700,000株 36.74%
- WMグロース3号投資事業有限責任組合 691,880株 14.95%
- みずほ成長支援投資事業有限責任組合 117,640株 2.54%
- 加賀電子(株) 50,000株 1.08%
- 丸山 大 40,000株 0.86%
- (株)グッドスマイルカンパニー 33,400株 0.72%
- 佐久間 大輔 26,600株 0.57%
- 成末 千尋 17,000株 0.37%
- 桜井 敦 17,000株 0.37%
- 高原 大輔 17,000株 0.37%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/03 連結実績 1,892 5 0 -21
- 2018/03 連結実績 2,581 379 379 277
- 2018/12 連結3Q累計実績 2,361 478 472 396
- ロックアップ情報
- 曽根原稔人、合同会社ベインパートナーズ、丸山大、株式会社グッドスマイルカンパニー、新株予約権者111名は上場後180日目の平成31年9月15日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
WMグロース3号投資事業有限責任組合、みずほ成長支援投資事業有限責任組合は上場後90日目の平成31年6月17日までは普通株式の売却ができず(例外あり) - 調達額(公開株数×公開価格)
- 17億9779万5000円(931,500株×1,930円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 218,260株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
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ギークスはITフリーランスと企業のマッチング事業及びゲーム開発事業などを手掛ける企業である。
■事業内容について
同社はITフリーランスと企業をマッチングする、①IT人事事業を中心に、②IT人材育成事業、③ゲーム事業、④動画事業、⑤インターネット事業の5つの事業を手掛けている。各事業の詳細は下記となる。
■①IT人材事業
IT人材事業では、ITフリーランスの働き方を支援し、技術スキル・経験・志向性と企業の案件をデータベース化することで、企業のニーズに応えられるマッチングを実現している。
企業側は各種プロジェクトにおいて、必要な人材の効率的な確保が可能である。一方でITフリーランスにとっては、同社が営業代行を行うため、継続的に案件の受注とサポートを受けられる。
2015年3月期から2019年3月期12月末時点の、ITフリーランス累計発注人月数は34,500人月に上る。各期の受注人月数も右肩上がりで上昇しており、2018年3月期は8,459人であった。
2018年3月期は売上高9.2億円、セグメント利益5.0億円となっている。
■②IT人材育成事業
IT人材育成事業では、フィリピンセブ州においてエンジニア留学、英語留学を提供するスクール事業を展開している。フィリピン最大級の日系テックスクールである。
留学生、企業からの留学費用と提携企業からの運営受託売上、FC展開による業務委託売上が主な収入源である。
2018年3月期は売上高1.6億円、セグメント利益0.3億円となっている。
■③ゲーム事業
ゲーム事業は大手ゲームメーカー等と協業・パートナーシップを組んで、スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を受託している。最大40~50名規模のプロジェクトチームを組成可能である。
ゲーム配信事業者からの企画・開発の制作料に加え、一定額の運営受託料を受け取っている。またゲーム配信事業者の課金売上収入から、一部分配によるロイヤリティー収入を受け取るケースも存在する。
IT人材事業とのシナジーにより、同社登録のITフリーランスに開発を発注することで、開発スピードの向上もなされている。
2018年3月期は売上高13億円、セグメント利益1.7億円となっている。
■④動画事業
動画事業では、主にパチンコ・パチスロ等の遊戯系とスマホゲーム・アプリのPVなどの映像・動画制作を行っている。広告代理店や顧客企業からの、受託制作料が収入源である。
2018年3月期は売上高1.0億円、セグメント利益0.2億円となっている。
■⑤インターネット事業
インターネット事業では、ゴルフ専門情報サイトの「Gridge(グリッジ)」を運営。ゴルファーの10人に1人が訪問するサイトとなっており、ゴルフ業界で多くのSNSフォロワーを獲得している。
主な収入源は、ゴルフ用品メーカーやアパレル企業からの記事広告・動画広告・リアルイベント連動広告・求人広告等の配信料である。
2018年3月期は売上高0.2億円、セグメント利益▲0.9億円となっている。
■業績推移
2016年3月期 売上高17億円、経常利益1.1億円、当期純利益0.5億円
2017年3月期 売上高19億円、経常利益0億円、当期純利益▲0.2億円
2018年3月期 売上高26億円、経常利益3.8億円、当期純利益2.8億円
2019年3月期(予想) 売上高31億円、経常利益5.1億円、当期純利益3.9億円
※2017年3月期より連結決算
2018年3月期から成長が加速しており、利益率の高い事業展開に成功している。2019年3月期は売上高30億円、経常利益5億円の大台に乗る予想である。2019年3月期Q3時点で、売上高24億円、経常利益4.7億円となっており、通期予想に向けた進捗は順調である。
■財務状況
2018年3月期末時点で資産合計28億円に対し、純資産合計10億円であり、自己資本比率37%となっている。
借入金4.4億円(1年内償還予定の転換社債型新株予約券付社債2.0億円含む)に対し、現預金12億円を保有しており、実質的には無借金会社である。
資産合計28億円のうち現預金12億円が、貸借対照表上の最大の科目となっている。
■資金使途
IPOにより13億円の資金調達を行う計画である。調達資金については主に下記の使途を予定している。
・事業拡大に伴う人員増強に対応するための本社オフィス増床資金 2.0億円
・ITフリーランスを新規に獲得するためのプロモーション費用 2.9億円
・IT人材事業における社内の人材採用費及び人件費 2.0億円
・IT人材育成事業における留学生集客費 1.3億円
・ゲーム事業における人材採用費及び人件費 3.4億円
各事業の拡大投資に、調達資金は投じられる。
■株主構成
曽根原社長が株主シェア38%を保有する筆頭株主である。また2位株主(同37%)の合同会社ベインパートナーズは曽根原社長が代表を務める個人会社。よって曽根原社長が関係先含め、70%以上の株主シェアを保有する安定的な株主構成となっている。
VCとしてWMグロース3号投資事業有限責任組合(同15%)、みずほ成長支援投資事業有限責任組合(同2.5%)が投資を行っている。両ファンドともにIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
■今後の注目ポイント