「腹の中の鬼」をモチベーションアップの糧にする

次にネガティブエネルギーを紹介する。

リクルートの新人時代、当時、営業のスーパースターだったIさんに「売れる営業パーソンの条件」について聞いた時の彼の返答が今でも鮮明に残っている。

それは「明るくて、ノリがよくて、腹の中に鬼が棲んでいる人」というものだった。その時はまだ知らなかったが、この彼の言う「腹の中の鬼」がネガティブエネルギーの正体だ。

モチベーションアップ,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

実際に多い例をあげると

・経済的に恵まれない家庭で育った人
・学歴にコンプレックスを抱える人
・容姿や身体的特徴にコンプレックスを持つ人
・母子家庭で育った人
・大きな挫折経験がある人

などだ。

何かが満たされない、何かが欠けているという自分の力ではどうしようもなかった事情を抱えている人の、それを満たそうとするエネルギーというものは、時として凄まじい程のパワーと執念にも似た継続性を持っている。

エマメイ先生自身も小6で父親が事故死して母子家庭となってしまったことから、サイズはともかく「鬼」はいたに違いない。

更には高校受験や大学受験でも第一志望には進学できなかったので、それなりの学歴コンプレックスを抱えてきたため、ネガティブエネルギーの恩恵も授かった。

また、それ以上に周りの人間関係やこれまで出会ったトップセール達の多くが、上記に当てはまる人だっただけに、Iさんが言った「腹の中の鬼」については、ものすごい実感を持っている。

もちろん、あなたにこうしたネガティブエネルギーといったものがないなら、それはそれで構わないし、これから持つ必要もない。

逆に、もし、あるなら絶対にその「こん畜生、今に見ていろ」というエネルギーを営業に活かすべきだ。

ただし、このネガティブエネルギーは、それが満たされてしまった時には消滅してしまうものだけに、それがあることに感謝して大切に使って欲しい。

オススメ記事
受注後にトラブルを起こさない、納期調整の本質は「社内営業」
http://bit.ly/2DOVfVz

(出典:「営業サプリ」 https://www.eigyousapuri.jp/

大塚 寿(おおつか・ひさし)エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。(『THE21オンライン』2018年12月29日 公開)

【関連記事THE21オンラインより】
相手の心を掴む必勝プレゼン!AIDAの法則を活かす3ステップ
受注できる提案書を最速で作る!「組み立てる」アプローチ方法とは?
業績の格差はここから生まれる!売れる営業に必要なヒアリング項目10
イヤな顧客に当たってしまったら…「死神」も使う営業のストレス軽減法
業績の格差はここから生まれる!売れる営業に必要なヒアリング項目10