「テレアポ受難時代」を乗り越えるための準備とは?

トークスクリプト,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

テレアポは、電話を受ける側にとっては、仕事を中断させる迷惑な「売り込み電話」というのが、一般的な認識に違いない。

そのため、その発信者は相手から歓迎されることなどなく、邪険に扱われたり、ガチャ切りされたりと、凹み続けてしまうことも。

なので今回は、そのテレアポによって営業パーソンが不快な思いをしたり、無力感を味わったりすることを最小限にするためのトークスクリプト(台本)の作成法と実践のコツを共有したい。

ゲイトキーパーの対応に応じたシナリオを作って練習

誰でも簡単に情報検索できるネット社会となっただけでなく、働き方改革で無益な面会を避ける中、テレアポの難易度はますます高くなっている。

そんな逆風の中で、いかにゲイトキーパーを突破し、キーパーソンの興味関心を引き出すかは、もはや単純な営業トークではなく、テレアポ全体のシナリオと、そのスクリプトによる練習によって成果が左右される時代となった。

そんな時代でも成果を上げるには、以下の方法が必要になる。

まずはテレアポ全体の流れを表したスクリプトチャートの概略を、下記の図版に沿って紹介する。

私達が企業や団体にテレアポする際に、最初に電話を取るのは代表受付や部門受付になるので、そのアプローチトークから作成することになる。

トークスクリプト,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

ゲイトキーパーの対応に、トークスクリプトを4つ用意しておく

ゲイトキーパーの対応は基本的に次の4種類になる。

1 キーパーソンに取り次いでくれる
2 用件を問われる
3 何らかの理由で拒否される
4 キーパーソンは不在と返答される

1のキーパーソンにつないでもらえた場合はいいとして、用件を問われたり、何らかの理由で拒否されたり、キーパーソンが不在と返答された場合を想定し、あらかじめ準備し反射神経で対応できるまで練習しておきたい。

2の用件を問われた際は、とにかく簡潔に返すことがキモで、相手を主語(主題)にしたトークが最も突破率が高くなる。

また、3の何かの理由で拒否された場合は、その会社の電話応答マニュアルもしくは、電話を取った人の経験から「拒否する基準」に該当しているため、次回は絶対に同じ営業トークを使ってはならない。

もちろん、少々間を空けて再チャレンジするべきだが、その際は主語、主題や切り口を大きく変えたトークを試して欲しい。

たとえば、キーパーソンの名を告げれば、ゲイトキーパーの段階で拒絶されることは少なくなるので、もし、キーパーソンの名を告げていなかったら、そこが原因かもしれない。

4のキーパーソンが不在と告げられた際は、戻り時間を聞くのはもちろんだが、その際はただ聞けばいいのではなく、聞き方がキモになる。

なぜなら、この時、本当に外出していたり、会議中であったりすることもあるが、売り込み電話の「体のいい断り」として居留守を使っていることも少なくない。

なので、とにかく腰を低く、丁重に、そして申し訳なさそうに、「失礼ですが、だいたいお戻りは何時頃に……」という謙虚な空気感満載で対応しないと、いい結果にはならないのだ。

練習ではトーク自体を自分の中に浸み込ませるのはもちろんだが、それだけでは不完全で、むしろ、この謙虚な空気感を演出する口調の方が重要なので、そこをメインに練習して欲しい。