ネット証券各社からリリースされている高性能・高機能取引ツールは、デイトレードなど取引を頻繁に行う投資家にとっては欠かせない。各社が開発・改良に力を入れているトレーディングツールには、どのような違いがあるのだろうか。
ネット証券で口座開設するなら取引ツールも考慮
ネット証券で口座開設を考えているならば、各社の取引ツールも考慮に入れてどこに口座開設をするかを決めるのがいいだろう。ネット証券各社がリリースしている高機能トレーディングツールを使えば、豊富な投資情報と最新の株価情報を活用して、精度の高いスピーディーな取引ができるからだ。自分の投資スタイルにマッチしたものならストレスなく使え、資産運用の心強い味方になるだろう。そこで、使用料が無料、または一定の条件を満たせば無料で使えるトレーディングツールを紹介する。
SBI証券「HYPER SBI」――ワンクリックで注文が完結
株式の現物取引や信用取引、先物・オプション取引に利用できるトレーディングツールだ。
業界初となる、板情報画面でマウスをドラッグ&ドロップするだけの高速発注・訂正・取引操作がウリだ。1秒単位で取引を行うデイトレード向けの仕様になっている。
SBI証券が誇る豊富な投資情報を十二分に活用する機能もあり、投資分析の結果を余すことなく取引に反映できる。株価や市況を知らせるアラート機能もあり、取引のベストタイミングを逃さない。お気に入り銘柄は、1万件まで登録できる。
ダウンロードは無料。基本使用料は月額540円(税込)だが、新規口座開設で1ヵ月間無料、1ヵ月に1回以上の現物取引で翌営業日から36日間無料(つまり毎月1回取引すれば実質無料で使用できる)など、無料利用条件が設けられている。
楽天証券「MARKETSPEEDⅡ」――圧倒的な情報量とプロ仕様のアルゴ注文ができる
国内株式・米国株式・為替・日経225先物・オプションなど様々な金融商品を取引できる「MARKETSPEED」の後継機種で、株式取引機能に特化してバージョンアップされている(2018年3月7日時点)。日経テレコンをはじめとした圧倒的な情報量や高速発注システムはそのままに、MARKETSPEEDⅡにはプロ仕様のアルゴ注文(事前に設定した条件を満たすと自動売買される仕組み)機能が新たに搭載。お気に入り登録した複数銘柄の各種情報を1画面に集約できるため、銘柄情報を素早く確認できる。
月額利用料は2,700円(税込)だが、初めての利用で3ヵ月間無料、預かり資産残高が30万円以上で無料、スイープ設定で無料など、各種条件を一つでも満たせば無料で利用できるため、実際には9割以上の利用者が無料で使用している。
2018年3月時点で、MARKETSPEEDⅡはWindows版だけなので、MacユーザーはMARKETSPEEDを使用することになる。
松井証券「ネットストック・ハイスピード」――株価ボード・チャート表示と発注が1画面に
現物株式と先物・オプション取引ができる、無料の高機能トレーディングツール。チャート画面や株価ボード、発注画面などを自由に組み合わせてオリジナルの取引画面を構築できる。何を組み合わせればいいかわからない初心者でも安心な取引画面「株式Trading Center」も搭載している。
注文条件を事前設定しておけば、売買したい価格帯を1クリックするだけで発注が完了するスピード発注機能もある。
プロのディーラーが使用する投資環境も装備されているが、見やすい画面とシンプルな操作でどんなレベルの人でも使いこなせる。
カブドットコム証券「kabuステーション」――各種銘柄情報を連携して表示できる
現物取引と信用取引、先物オプション取引に対応。サンプルレイアウトを呼び出して、それを基にお好みで各種投資情報や発注ウィンドウを組み合わせて配置できる。HOTキー機能で、各銘柄情報を連携して表示させることができるので便利だ。
独自のビックデータ解析技術やデータドリブン型の投資情報などを拡充して、個人投資家の取引環境を全面的にサポートしている。発注方法は、フル板発注・クイック発注・プリセット発注など、5種類の方法を選べる。
利用料金は月額972円(税込)だが、初回申し込みの翌々月第1営業日まで無料、約定回数が1回以上で翌月無料、信用口座開設済みで無料など、条件を満たすと実質無料で利用できる。
DMM.com証券「DMM株PRO」――取引に特化した高機能トレーディングツール
国内株式と米国株式の現物取引・信用取引に対応。
取引に特化したシンプルな機能が特徴。バスケット発注やリスト発注ができ、事前に登録すると最大20件まで一括発注できる。画面のカスタマイズも簡単で、複数銘柄の発注画面を1画面に表示することもできる。どの個別銘柄情報画面でも、右クリックで発注パネル・ニュース・チャート・板情報を呼び出せる。
口座を開設していれば、DMM.com証券ホームページにログイン後、ツールを無料でダウンロードできる。利用料も無料だ。
高機能トレーディングツールは無料で使って投資に活用する
ネット証券各社がリリースする高機能トレーディングツールは、各社の技術の集積だ。投資家にとって有益な投資情報を豊富に取り揃え、機能や操作性、発注スピードにもこだわった「会社の顔」とも言える。これが無料となれば、使わない手はない。
各ツールは機能的に大きな違いはないが、使い勝手や画面の見やすさなどは人によって感じ方が違うだろう。各社のホームページでツールのマニュアルやデモ画面を見て、比較検討してもらいたい。
文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES
【関連記事 MONEY TIMES】
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング
ネット証券比較――手数料、ツール、シェア数ランキング
ネット証券会社比較 手数料の安い4社
証券会社のネット口座開設数ランキング1位は?上位5社
ネット証券会社のシェアランキング1位はSBI証券