少子化や国の財政赤字が続いていることから、老後の生活に不安を抱く人は少なくありません。漠然とした不安を不安のまま放置するのではなく、自分の老後のために早くから備えておくことが大切です。老後の不安を取り除くための資産形成について解説します。
老後の必要資金と平均的な年金受給額
老後の生活に不安を抱いていても、実際にどのような生活になるのか、収入・支出ともにイメージがわかない人も多いでしょう。
2017年の総務省の家計調査報告によると、無職の高齢夫婦の平均支出額は月235,477円です。そのうち最も多いのが食費の約6万4,500円で、他に医療費や被服費、交通費、通信費などがあります。
これに対し、無職の高齢夫婦が受け取っている平均社会保障給付は191,880円です。支出額を差し引くとマイナス43,597円となり、年金だけでは支出をカバーできていないことがわかります。
この不足分を埋めるためには、老後を20年と仮定すると約1,046万円、25年とすれば約1,308万円が必要です。これに、車や家の修繕費、家電の買い替え費用、医療費・介護費用が加わります。家族のために葬式費用を準備しておく場合もあるでしょう。
これらを踏まえて、一般的に老後資金は夫婦2人で3,000万円必要だと言われています。
40歳から毎月いくら貯金すればいい?
65歳で定年退職する時点で3,000万円の老後資金を確保するには、早いうちから貯蓄を始めることが大切です。例として、40歳から貯蓄を始めるケースを見てみましょう。
3,000万円の老後資金のうち、仮に1,500万円は退職金でまかなうとしても、残りの1,500万円は自力で貯蓄しなければなりません。40歳から65歳までの25年間で1,500万円を貯めるには、年間60万円、毎月5万円貯蓄する必要があります。
ただし、3,000万円という数字はあくまで目安で、持ち家か賃貸かによっても変わってきます。また、貯蓄を始める年齢や退職金の額、相続予定の資産、両親の介護費用なども加味する必要があります。
貯金を運用しながら賢く資産形成をする方法
貯蓄の方法の一つに定期預金がありますが、低金利が続く状況で預金口座にお金を寝かせておくのは賢い選択とは言えません。貯蓄は日々の生活費と違って、基本的に老後まで手をつけることのない資金なので、投資に回すことができます。そうすることで、効率的に貯蓄を増やすことができます。
毎月5万円を貯蓄すれば、25年で1,500万円貯まります。これを金利0.01%の定期預金に預けても、利息は25年間でわずか2万円です。
一方、毎月5万円を年利2%で25年間運用すると443万円増えて1,943万円になります。年利5%なら、1,441万円増えて2,941万円になるのです。
資産運用において、2%・5%という利回りは決して非現実的な数字ではありません。仮に利回り5%の資産運用に成功すれば、定年退職後に必要な資金をほぼ貯めることができ、退職金は夫婦で好きなように使ったり、いざという時に備えて取っておくことができます。
老後資金を貯蓄するなら、貯金ではなく資産運用を検討しましょう。老後の生活費に対する不安を取り除きたいなら、株式やFXも悪くはないのですが不動産投資も選択肢に入れましょう。
不動産投資であれば、信頼できる不動産会社を見つけることで、働きながらでも手間をかけずに投資を継続することができます。入居者の募集やクレーム対応などは不動産管理会社に一任できるため、特別なノウハウは必要ありません。
不動産投資は借入をして物件を購入することが多いため抵抗があるという人も多いですが、受け取る家賃収入の中から融資の返済資金を捻出するため、現状の生活が大きく変わることはありません。
また、不動産投資であれば老後も継続的に家賃収入を得ることができます。給与収入が途絶えた後も定期収入があることは、老後の心の支えになるでしょう。いざという時は不動産を売却し、まとまった資金を得ることもできます。(提供:ヴェリタス・インベストメント)