世界のフィランソロピス:ト6位から10位

6位 エリ・ブロード 寄付金:35億ドル、純資産:63億ドル(2013年3月現在)。実業家、美術品収集家。住宅建設会社KBホーム、そして、年金会社サンアメリカの創業者。

7位 ジョージ・カイザー 寄付金:33億ドル、純資産:100億ドル(2013年3月現在)。エネルギー投資家。

8位 マイケル・ブルームバーグ 寄付金:28億ドル、純資産:270億ドル(2013年3月現在)。実業家、政治家。第108代ニューヨーク市長。金融界では馴染みの深いブルームバーグの設立者。

9位 アジム・プレムジ 寄付金:21億ドル、純資産:112億ドル(2013年3月現在)。インドにある世界で最も大きなソフトウェア会社の一つウィブロ・テクノロジーのCEO兼会長。

10位 ジェームズ・ストワーズ 寄付金:20億ドル、純資産:1億ドル(2012年現在)。アメリカ投資信託運用会社アメリカン・センチュリー・インベストメンツの創業者。

彼らの共通点

上記であげたほとんどの方が実業家か投資家です。そして、相続してこれだけの富を得たというよりも、勤勉に働くことで財を成し遂げたいわゆるワーキングリッチだと思います。その彼らは彼らの作り出した財のいくつかを社会に還元することで社会貢献活動を行っています。

しかし、彼らは寄付をしたら終わりという訳ではなく、むしろ積極的に社会貢献活動に参加しています。彼らの中には自らの財団を立ち上げ、それにビジネスや投資で培った知識・知恵を交えて社会的問題を解決する方もいます。

また、慈善事業だけではなく政治を変えるために、政治団体への資金援助を行うなどして政府への働きかけている方もいます。そう考えますと、彼らはただの富裕層やフィランソロピストではなく、起業家的な手法で慈善事業に資本を投じるフィランソロキャピタリスト(フィランソロピー+キャピタリスト)なのだと思います。

フィランソロキャピタリスト

かつての多くの富裕層は、モノを所有することや贅沢することで喜びを得ていたように思います。しかし、浪費することだけでは喜びが見いだせなくなった今、富裕層の行き着くところがフィランソロキャピタリストなのかもしれません。

それほどの資産の持っていない純粋なフィランソロピストからのフィランソロキャピタリストへの批判はあるようでが、リーマンショック以後、世界各国の財政問題を抱え政府主導の慈善活動にもより制限がでている中、フィランソロキャピタリストの役割は非常に大きいと思います。

そして、こうしたフィランソロキャピタリスト達とその他の慈善団体がコラボレーションを組むことで、より機動的で制限の少ない慈善活動が可能になるのではないでしょうか。

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