2019年7月5日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日4日(木)の米国市場は独立記念日のため休場。注目はドイツ10年債利回り。ドイツ10年債利回りが初めて、ECBの中銀預金金利であるマイナス0.4%を下回っている。多くのアナリストはラガルド氏が時期ECB総裁に就任すれば利下げや量的緩和で景気刺激を強化すると確信し、利回り低下が続くと見込んでいる模様。その理由はユーロ圏経済の減速。ECB政策委員会メンバーのレーン氏によれば、ユーロ圏経済の減速はもはや「一時的な落ち込み」と見なすべきではなく、ECBは景気が悪化した場合に備え準備すべきだとコメント。さらには「政策手段は豊富にあるとし、いつでも新たな資産の購入を再開することもできる」とも主張。米ドル金利の急低下がユーロ/米ドルを押し上げると想定していたが、欧州経済の急低下と、欧州債利回りの低下がユーロ/米ドルを重くしている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日5日(金)は米国雇用統計。非農業部門雇用者数の増加が2カ月連続で10万人割れとなれば、マーケットはFRBのさらなる利下げを織り込む展開となる。現時点の7月31日のFOMCでの利下げ織り込み度は100%(25bpの利下げの織り込み度が74.5%、50bpが25.5%)。G20後も米ドル金利の低下が止まらず、米ドル/円の上値は限定的。米ドル/円は104円台にむけて、戻り売りのスタンス継続で。欧州債利回りが軒並み低下していることからユーロ/円の動向にも注目したい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。