今年6月に金融庁が公表した報告書で「老後の資産形成には公的年金以外に2,000万円が必要」という見解が示されたことが、現役世代の注目を浴びています。この影響を受け、以前より資産運用についても大きな話題になっています。しかし、本当に安泰な老後を目指すなら不動産投資がベストいうことができるでしょう。

老後の不安は貯金と年金だけではぬぐえない

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(画像=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

「老後2,000万円問題を解決するために」と資産形成を促す声があちこちのメディアで聞かれるようになりました。ただし、その多くは「貯金」「株式や投資信託」「iDeco(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)」が中心のようです。

消費税増税、社会保険料負担の増加などが影響し、国民の財布のヒモが固くなっていることを配慮した呼びかけと推測されます。しかし、いずれも投資額がそれほど大きくありません。投資額が少なければ、得られる利益も少なくなります。つまり、多くのメディアで推奨しているような運用方法では老後の不安はぬぐえないのです。

一方、「老後2,000万円問題」の解決策として不動産投資を勧める声はあまり聞こえません。しかし、すでに安定収入やまとまった現預金があり、本気で老後の資産形成を考えている人こそ、不動産投資を検討するべきなのです。

2,000万円必要世代が不動産投資すべき3つの理由

老後2,000万円問題を本気で解決したい人は、なぜ不動産投資をすべきなのでしょうか。理由は3つあります。

収入面

最も大きい理由は、収入です。最近「70代になっても働こう」と言われていますが、40代、50代と年を取るにつれて体力や気力が落ちたり、思わぬ病気になったりするものです。

しかし不動産賃貸を行っていれば、ケガや病気、体力の問題などで働けなくなっても安定的に収入が得られます。空室が発生したとしても、民泊など工夫次第で再び収入を得ることができます。

また、まとまったお金が必要な時に売却したり、不動産を担保にいれて融資を受けることもできます。

税金面

不動産投資のメリットを享受できるのは、収入面だけではありません。税金面でもメリットがあります。

まず、所得税を節税することができます。不動産賃貸業を営み、不動産収入から必要経費を差し引いた不動産所得(あるいは損益)が赤字になった場合、給与所得や事業所得など他の所得と相殺(損益通算)することができます。損益通算を行うと所得金額が下がるので、その結果所得税額自体も下がります。

さらに、相続税も節約できます。相続税の課税の基準は、財産評価額です。現預金で1億円を相続すれば、そのまま1億円が財産評価額となります。しかし、1億円で不動産を購入し賃貸物件として運用すれば、不動産の相続税法上の評価に関する以下の制度によって評価額が半額以下になることもあり得ます。その結果、節税することができるのです。

【土地】
・路線価評価:実勢価格の80%
・貸家建付地として評価:上記評価額の70%×実際に賃貸されている部屋の床面積の割合
・小規模宅地等の特例の適用:200平方メートルを上限に上記評価額から50%減

【建物】
・固定資産税評価額で評価:実勢価格の60%
・貸家として評価:上記評価額の70%×実際に賃貸されている部屋の床面積の割合

心理面

老後の安心を求めて、2,000万円の貯金を今から目指す人は多いでしょう。しかし、2,000万円の貯金は本当に老後の私たちに安心をもたらしてくれるのでしょうか。

老後に、預貯金を取り崩す生活を想像してみましょう。実際、「預貯金を取り崩す」という行為は不安だらけです。

行動経済学には、不確実性における人間の意思決定モデルに関する理論として「プロスペクト理論」というものがあります。これによれば、人間は「利益を得るよりも損失を回避したがる生き物」であることがいくつかの実験で立証されています。

目に見える貯金を切り崩しながら生活することは、明らかに「損失(=現金を失う)を選択する行為」です。減っていく残高を見ながら「いつまで生きられるか」と不安に駆られる老後の日々は、ストレスフルであることが容易に想像できます。

心理的にも安心な老後を迎えたいなら、安定的にまとまった金額が入ってくる不動産投資が最適と言えるでしょう。

コツコツ今からノウハウを積むのが老後の安心のカギ

「老後の安心を作るためには不動産投資がベスト」だとしても、最初から成功できる人は多くありません。成功するためには、ある程度の失敗が必要です。失敗を経ることで教訓を得、自分なりの成功ノウハウを作れるのです。そして失敗に耐えられるだけの気力と時間があるのは、現役世代の今なのです。

不動産投資で老後の安心を実現するためには、今からコツコツ始めることをおすすめします。(提供:YANUSY

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