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【目次】
①アミファIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/12更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/10更新】 ※有料会員限定

会社名
株式会社アミファ
コード
7800
市場
JASDAQスタンダード
業種
その他製品
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 藤井 愉三 /1958年生
本店所在地
東京都港区北青山二丁目13番5号
設立年
1973年
従業員数
62人 (2019/07/31現在)(平均35.1歳、年収468.7万円)
事業内容
主にライフスタイル雑貨の企画・仕入れ・卸販売
URL
https://www.amifa.co.jp/
株主数
11人 (目論見書より)
資本金
32,000,000円 (2019/08/15現在)
上場時発行済み株数
3,200,000株(別に潜在株式35,000株)
公開株数
1,098,200株(公募455,000株、売り出し500,000株、オーバーアロットメント143,200株)
調達資金使途
システム投資、仕入れ資金などの運転資金
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2019/08/29→620~660円に決定
ブックビルディング期間:2019/09/02 - 09/06
公開価格決定:2019/09/09→660円に決定
申込期間:2019/09/10 - 09/13
払込期日:2019/09/18
上場日:2019/09/19→初値910円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:みずほ証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
大株主
ウィステリア(同) 1,150,000株 41.37%
レイクラム(同) 803,000株 28.88%
藤井愉三 350,000株 12.59%
藤井俊行 347,000株 12.48%
従業員持ち株会 20,000株 0.72%
村山和治 20,000株 0.72%
米田康三 15,000株 0.54%
山田昭 15,000株 0.54%
蒲生邦道 15,000株 0.54%
佐藤勝男 15,000株 0.54%
業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
2017/9 単独実績 4,112 282 313 230
2018/9 単独実績 4,736 184 198 264
2019/6 単独3Q累計実績 3,851 346 350 233
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2019年12月17日または上場後180日目の2020年3月16日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
7億2481万2000円(1,098,200株×660円)
潜在株数(ストックオプション)
35,000株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
アミファ<7800>はライフスタイル雑貨の企画・製造仕入れ・卸販売を行う、ファブレスメーカーである。商品の主要販売先は国内100円ショップ各社となっている。


■事業内容について
同社は「アートやデザインを日常の暮らしに気軽に取り入れる」ライフスタイルの提案を目指して、ギフトショッピング、デザイン文具、キッチン・テーブルウエア、フラワー関連商品などを中心とした、ライフスタイル雑貨を企画・製造仕入れを行っている。

事業としては「ライフスタイル雑貨事業」の単一セグメントであるが、下記の商品群を取り扱う。

・ワンプライス商品
ギフトラッピング商品など、最終消費者向けに100円ショップなどで販売される商品群。『amifa』ブランドで販売される商品と、販売先ブランド名で提供される商品がある。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

・OEM商品
販売先の委託に基づき生産される軽包装資材などを、主に商品メーカーや流通業者からの受注生産にて販売する。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

・フルール商品
同社ではフラワー関連商品を「フルール」と呼称。ブリザードフラワーを中心に、国内フラワーアレンジメント教室や花小売業者などへ販売している。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

・その他商品
上記に分類されない『エメルスタイル』ブランドで取り扱う、デザイン文具等が該当する。百貨店の催事販売や文具・雑貨専門店で販売。

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●ファブレスメーカーであり海外企業からの仕入・調達が約83%
同社は女性を中心に28名(2019年7月末時点)のデザイナーを配置。国内外の100名以上のフリーランスのイラストレーターと直接コミュニケーションを取り、共同作業で商品の企画開発を行っている。本企画開発を通じた合計販売数は年間8千万個に達し、新規に開発・更新されるアイテムは年間約1,300アイテムにも上る。

商品の製造は、自社工場設備を持たず国内外の工場へ委託生産を行っており、同社はファブレスメーカーである。海外生産中心であり、海外企業からの仕入・調達金額が約83%となっている。

自社設備を持たずに常に新しい委託工場を開拓し、「持たざる経営」を選択することで、新カテゴリーへの進出を容易にしている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■商品分野別の売上推移
2017年9月期 売上高41億円
・ワンプライス商品 35億円
・OEM商品 3.2億円
・フルール商品 2.8億円
・その他商品 0.4億円

2018年9月期 売上高47億円
・ワンプライス商品 41億円
・OEM商品 3.0億円
・フルール商品 3.6億円
・その他商品 0.1億円

売上高の85%以上をワンプライス商品が占めており、100円ショップ向けの売上高が大半の状態である。

尚、2018年9月期の売上先の比率は、セリア<2782>42%、大創産業<未上場>28%、キャンドゥ<2698>10%であり、大手100円ショップ向けの売上が約8割を占めている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■業績推移
2016年9月期 売上高37億円、経常利益2.4億円、当期純利益1.9億円
2017年9月期 売上高41億円、経常利益3.1億円、当期純利益2.3億円
2018年9月期 売上高47億円、経常利益2.0億円、当期純利益2.6億円
2019年9月期(予想) 売上高48億円、経常利益2.5億円、当期純利益1.6億円

売上高は着実な増加傾向にある。経常利益は2017年9月期がピークであるが、当期純利益は生命保険解約による特別利益2億円を計上した、2018年9月期がピークとなっている。

2019年9月期(予想)について、当期純利益は対前年同期比で減益となるものの、経常利益は増益の予想である。

2019年9月期Q3(累計)は、売上高39億円、経常利益3.5億円であり、通期予想達成に向けての進捗は順調である。尚、株式上場関連費用等の計上により、経常利益は通期予想に近い数字での着地を予想している。


■財務状況
2018年9月期末時点で、資産合計26億円に対して純資産合計16億円となっており、自己資本比率は63%である。借入金3.6億円に対し現預金が5.7億円存在している。また、たな卸資産も9.5億円であり、財務上に特段の懸念事項はない。


■資金使途
IPOにより2.6億円の資金調達を行い、資金使途は下記を予定している。

・設備資金 2億円(ERPシステムやSCMシステムなど、収益獲得に寄与するITプラットフォームの強化)
・運転資金 0.6億円(仕入代金支払など)

調達資金の大半は、ITシステムを中心とする設備投資資金に充当される。


■株主状況
藤井社長の持ち株比率は13%であるが、資産管理会社のウィステリア合同会社の持ち株比率が41%であり、実質的な藤井社長の持ち株比率は54%である。

また藤井専務の持ち株も資産管理会社のレイクラム合同会社と合わせると、実質的な持ち株比率は41%である。

藤井社長及び藤井専務で実質的に株主シェアの90%以上を有しており、安定的な株主構成となっている。


■今後の注目ポイント
100円ショップ向けに製品を企画・製造・販売を行う、ファブレスメーカーのIPO案件である。

ギフトラッピング商品、デザイン文具、キッチン・テーブルウェアなどを中心に出荷商品を増やしており、着実な成長を果たしている。

自社でデザイナーを有するファブレスメーカーとして、年間1,300アイテムの新商品をタイミング良く市場に投入しており、素早い商品サイクルスピードを実現している。

様々な製品群の取り扱いはあるものの、売上の約8割が国内100円ショップ向けであり、納入先の100円ショップの経営に同社も左右される面は否定できない。

当面国内100円ショップ中心の売上構成が続くと予想されるが、100円ショップの経営に過度に左右されない経営体制をどのように築くのか、という点が今後のポイントになると考えられる。