不動産投資の意見の分かれ目「地方or都心」

投資用マンション
(画像=PIXTA)

所有しているだけで継続的な収入が得られ、将来の備えにもなる不動産投資。最近では、20〜30代の若いうちから不動産投資に踏み切る人が増えてきました。早くから不動産投資を始めれば、働きながらローンを完済して老後の安定収入を確保することができます。

不動産投資で最初に悩むのは、いうまでもなく物件選びです。物件選びでは、しばしば地方物件を選ぶべきか、都心物件を選ぶべきかが議論されます。立地選定・物件選びは不動産投資の成否を分ける重要なポイントです。

地方物件・都心物件のそれぞれが持つメリット・デメリットを理解したうえで、慎重に投資先を決めましょう。

地方物件のメリット・デメリット

地方物件のメリットは、基本的に購入価格が安いこと、表面上の利回りが高いことなどです。地方物件の場合、場所によって濃淡はありますが、基本的に1坪あたり(1㎡あたり)の不動産価格は都心物件より安くなります。また、不動産投資の利回りは家賃収入を物件の購入価格で割って算出するため、物件価格が低い地方物件は利回りも高くなりやすいです。

一方、地方物件のデメリットは空室率が高いこと、売却しにくいこと、相場観を把握しにくいことなどです。人口減少が続く日本でも、都心部では実は人口が増えている場所もあります。それでも日本全体で人口が減少しているのは、地方での人口減少が顕著だからです。

地方物件を所有することは、人口減少の影響をダイレクトに受けることにつながるでしょう。空室リスクは不動産投資の最大のリスクともいわれます。地方物件を購入する際には、人口動態をはじめ周辺環境を入念に調査することが大切です。

また、地方物件は流動性が低く売却しにくいのもデメリットです。ローンを組んで購入している場合、空室になり家賃収入が途切れたとしても、売却できれば売却で得た資金を返済に充てることもできます。しかし、家賃収入が途切れて売却もできないとなると、自己資金から返済するしかありません。

地方物件の購入を検討する際には、自分にとってなじみのない土地が候補に挙がることもあるでしょう。暮らしたことのない土地だと周辺環境をイメージしにくく、どうしても相場観が得られません。そのため、家賃設定などで苦労する場合があります。また、地方物件は物理的に管理がしにくいのもデメリットです。

都心物件のメリット・デメリット

都心物件のメリットは、空室リスクが低いこと、売却しやすいことなどです。人口減少が続く日本でも東京圏では人口流入が続いており、賃料設定さえ間違わなければ空室が長く続く心配はほとんどありません。

また、いざという時に売却できるのも投資を始めるにあたって心強いことです。親の介護や家族の病気・事故など、突然お金が必要になる可能性がないとは言い切れません。そういったライフプランの変化が生じても、流動性の高い都心物件であれば売却という選択肢もあります。

売却によってまとまった資金が手元に入ることは、いざという時のリスクヘッジにもなります。都心物件であれば、「空室が続いて家賃収入が途切れたうえに、物件の買い手が見つからない」という最も恐ろしい事態に陥ることはほとんどないでしょう。

一方、都心物件のデメリットは地価が高く利回りが確保しづらいことです。都心物件を所有したい人は後を絶たないことからも、物件の購入価格は地方物件と比較すると高価格になります。物件価格が上がれば、その分利回りも見劣りしてしまうことが多いでしょう。

しかし、利回りだけが不動産投資の成功を決めるわけではありません。家賃相場が変われば当然利回りも変化します。利回りの高い地方物件であっても、それはあくまで入居者がいてこそです。空室になった途端利回りはゼロになることをよく理解しておきましょう。

地方物件でサブリースが少ない理由

都心物件と地方物件を比較する時、1つヒントになるのが「地方物件ではサブリースに応じる業者が少ない」という点です。

サブリースとは、不動産会社が一括でオーナーから賃貸物件を借り上げ、入居者に転貸するという契約形態です。サブリースだと、オーナーは入居者から直接受け取るより少ない家賃しか受け取ることができません。一方で、空室でも安定収入が入るという安心感があります。

地方物件でサブリースに応じる業者が少ないことは、それだけ空室リスクが深刻な問題だということを表しています。不動産運用の経験豊富な不動産会社ですら空室リスクに対応しきれていないことから、よほどのノウハウや地方での強いパイプがなければ、地方物件で空室リスクを避けるのは難しいことがわかるでしょう。

土地勘のある地方でたまたま条件のいい物件を見つけたなら、地方物件への投資に踏み切るのも一つです。しかし、そういった特殊な場合を除けば、リスクの低い都心物件を選ぶほうが安心かもしれません。地方物件を購入するのは、十分な経験が培われ、優良物件を見極める力が備わってからでも遅くはないはずです。(提供:マンション経営ラウンジ

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