本記事は、椎原 崇氏の著書『やる気1%の続ける技術 ゆるゆるダラダラ続けることが最強の成功法則である』(SBクリエイティブ)の中から一部を抜粋・編集しています。

やる気1%の続ける技術 ゆるゆるダラダラ続けることが最強の成功法則である
(画像=Moto/stock.adobe.com)

タイパ教から脱しよう

どうせ続けるなら、短期間でしっかり成果があがる続け方のほうがいいのでは? そう思う人もいるかもしれません。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視したい人にとっては、「ゆるゆるダラダラ」は敵のように見えることでしょう。

確かに、いまはタイパ重視の世の中になっています。昔と比べて労働時間は減っていますが、成果を出すことは要求されますから、時間効率を高めなくてはならないという意識があります。
そのうえ、プライベートでも毎日大量のネットニュースやお役立ち情報に触れ、Netflix、YouTube、TikTokにInstagramとチェックするものがたくさんあって、時間がいくらあっても足りません。時間効率を高めるために、動画を倍速で見たり、展開が少ない箇所はスキップしたりするというのもよく聞きます。
多くの人がタイパ教信者のようになってしまっているんです。

時間は有限なので、時間効率を高めることは確かに重要ではあります。でも、タイパを絶対視して、重要な場面でも「最短で成果を出す」ことにこだわってしまうと、大事なことを見落とします。

たとえば、「面白い動画を作るクリエイターになりたい!」と思ったら、最短で成果を出すために、流行はやりのコンテンツに乗っかって視聴数を稼ぐことに意識を向けるよりも、自分が面白いと思う動画をコツコツと作り続けることが大事であるはずです。すぐには評価されなくても、続けてさえいれば必ず成功するでしょう。

でも、タイパ至上主義になっていると、「早く成果が出ないのはおかしい」と思って落ち込んだり、自分を責めたりして続けるのが苦しくなります。短期的に成果が得られそうなことばかりに手をつけて、本当に重要なことには手がつかなくなります。

人生をロングゲームとして考えたときに、メインのゲームを進めずに、ミニゲームばかりやっているようなものです。
やりたくないことのタイパを追求するのはいいですが、人生にとって大切なことはタイパを追求しちゃいけないんです。
タイパ教から脱して、ロングゲームにじっくり取り組んでいくほうが、はるかに大きな果実を得ることができます。ダラダラしているように感じても、最終的には続けた人が勝つようになっているんです。

1%を続ければ37.8倍成長する

ガチ継続に洗脳されている人ほど、「そんなにゆるくやっても意味がないのでは?」と思うものです。
意味、あります。大いにあります。

1日単位で見たらわずかな差しかないように思えますが、時間のパワーはものすごいのです。
1日にたった1%の成長を繰り返した場合、1年後にどれくらい成長するかご存じでしょうか。
たった1%ではたいしたことないように思いますよね?
ところが、
1.01×1.01×1.01…… =約37.8!
なんと、1年で37.8倍にもなるのです。スーパーサイヤ人級です。

これは「1.01の法則」と呼ばれ、毎日1%の努力を積み重ねると、1年後には約37.8倍に成長するという考え方です。
つまり、小さな努力が、長期的に継続することで大きな差を生むことを示しています。楽天の三木谷浩史社長が最初に提唱したそうです。経営の世界でもよく引き合いに出される数字です。

もう1つ例を挙げましょう。

ドミノは、立った状態で少量の位置エネルギーを持っています。小さなドミノをコツンとはじいただけで、位置エネルギーが運動エネルギーに変換・蓄積されていって、やがて大きなパワーになります。その結果、大きなサイズのドミノも倒せるようになっていくんです。

2001年にサンフランシスコの物理学者が証明したのは、5㎝の高さのドミノから始まって、1.5倍の大きさのドミノを倒すことを繰り返していくと、8個目に子どもの背丈くらいの大きさのドミノも倒せるということでした。
すごいですよね?
たった5㎝のドミノから始まって、少し大きいものを倒し続けることで巨大なものを倒せるようになります。1.5倍を繰り返す場合、31番目のドミノはエベレストよりも高く、57番目のドミノは月にまで届いてしまうのです!
(参考:『THE ONE THING』ゲアリー・ケラー ジェイ・パパザン/著 門田美鈴/訳 SBクリエイティブ)


いきなり月まで届く巨大ドミノを倒せと言われても途方に暮れてしまいますが、小さなドミノから始めて、少しずつ大きいドミノを倒すようにしていけば、最終的にとんでもない大きさのドミノを倒すことが可能なんです。

最初の一歩が小さいからって、バカにしてはいけません。
ゆるゆるダラダラ続けているとき、1日単位ではたいして成長しているようには思えないかもしれません。本当に意味あるのかなと疑ってしまうこともあるでしょう。でも、続けていればいつのまにか、想像を超える自分に成長していることに気づくのです。

やる気1%の続ける技術 ゆるゆるダラダラ続けることが最強の成功法則である
椎原 崇(しいはら・たかし)
1981年生まれ。コンサルタント。中学を卒業後、高校へは進学せずパチンコ店に入り浸り、月200万円以上を稼ぐパチプロ生活を送る。その後、パチプロを卒業。一時は進学や資格取得を目標とするが、根っからの怠け者、面倒くさがり屋で勉強も続かず、挫折。アルバイトを始めてみても、人間関係を継続するのが苦手なためどれも長くは続かず、人生が行き詰る。仕方なく、「自分で起業するしか選択肢がない」と、一度も就職することなく経営者の道に飛び込む。起業後は運にも恵まれ、飲食店、小売店を5店舗経営するビジネスオーナーとなり、28歳からセミリタイヤ生活を始める。セミリタイヤ生活中に独自の手法で成功の本質を徹底的に研究、「誰でもうまくいく理論」を確立する。その視点から生み出されるコンサルティングは、法人からも個人からも問い合わせが絶えず、「伝説のコンサルタント」と呼ばれるようになり、コンサルティングはもちろんのこと、講座や講演会などのイベントも即満席となる状態が続いている。特に「継続法」を扱った講座は「挫折者ゼロ」と話題の一番の人気コンテンツとなっている。著書に『うまくいったやり方から捨てなさい』(三笠書房)などがある。

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