2019年9月24日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円は現在揉み合いで、レンジが続いているが、上値が重たいイメージだ。米中貿易摩擦問題も解決の目途はみえないが、どちらかというと、実需の動きで、具体的には本邦輸出企業の売りオーダーが分厚く残っているため、なかなか上には上がれないようだ。先週18日(水)に108.50円付近で上値を止めたのが、トヨタを筆頭に、本邦輸出企業の売りだったようだ。また下値に関しては現在、107.20円付近に一目均衡表の雲の上限、21日移動平均線、ボリンジャーバンドの移動平均線が全て位置しており、この付近がサポートとなっている。もしここが割れても106円のミドルにかけては輸入の買いオーダーが相当ありそうなので、下値は止まるだろう。さらに日足の雲の下限も106.60円のため、雲を下抜けはしなさそうで106.50円まではいかないかもしれない。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円予想レンジは106.50~109.25円。上値は200日移動平均線をなかなか超えないだろうということで、予想上値を現在指している109.25円に設定。戦略としては、一旦は売り方向から入りつつも下で買い戻しをかけて、売り回転させるスタイルが望ましい。利食い千人力のスタンスで。現在の一番の心配事は米中の貿易摩擦問題と、英国がEUに対して提出した離脱案に対する、欧州からのリアクションだ。今のところだと、ユンケル欧州委員会委員長も含めて、あまり色よい返事にはなっていない。マーケットは合意なき離脱の可能性がさほど高くないように思っているようだが、個人的には心配をしている。合意なき離脱になる可能性もあるため、そうなれば英ポンド/円はかなり下がるのではないかと思っている。ポンドに限らず、他通貨円含め、あまり調子に乗って高いところで買うのは控えた方が賢明かもしれない。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。