この記事は2026年4月24日にSBI証券で公開された「日経平均が一時6万円!好業績・株価上昇期待の11銘柄」を一部編集し、転載したものです。

日経平均が一時6万円!好業績・株価上昇期待の11銘柄
(画像=SBI証券)

目次

  1. 日経平均が一時6万円!好業績・株価上昇期待の11銘柄
  2. 一部掲載銘柄を解説!
    1. 三菱重工業(7011)~日本を代表する「防衛関連銘柄」の1社。ミサイル防衛等で貢献
    2. 日本精工(6471)?"フィジカルAI"時代のロボティクス基盤部品企業。円安も追い風
    3. JX金属(5016)~AI・半導体などハイテク産業を素材で支える

日経平均が一時6万円!好業績・株価上昇期待の11銘柄

東京株式市場が堅調です。日経平均株価終値は4/16(木)に史上初めて5万9千円台まで上昇。4/22(水)終値は59,585円86銭と過去最高値を更新しました。4/23(木)には取引開始直後に一時史上初めて6万円を超える水準まで上昇しましたが、その後は「目標達成感」が台頭し、利益確定売りに押される展開になっています。

日経平均株価が年初来安値を付けた3/31(火)を起点に、日経平均株価が終値ベースで過去最高値となった4/22(水)まで、日経平均株価採用銘柄の値上がり上位をみると、キオクシアホールディングス(285A)、太陽誘電(6976)、ソフトバンクグループ(9984)、古河電気工業(5801)、イビデン(4062)の順となっています。AI(人工知能)・半導体に関連した銘柄が上位を占めた形です。

3/31(火)~4/22(水)には、米国に上場している世界の主要半導体関連銘柄で構成される「フィラデルフィア半導体株指数」が16営業日連続高となり、その影響で東京株式市場でも、AI(人工知能)・半導体関連銘柄が人気化したとみられます。

一方、日本の企業業績を反映する「日経平均株価の予想EPS(1株利益)」は2/25(水)に2,867円の過去最高水準まで増加した後、3/12(木)の本田技研工業(7267)の業績予想大幅下方修正を経て、4/2(木)には2,672円まで減少していました。しかし、その後は小売企業の決算発表等を経て、4/22(水)には2,891円の過去最高水準となりました。3/31(火)~4/22(水)の日経平均株価上昇率は13.6%に達しましたが、その間は予想EPS上昇率は8.2%に達しており、日本株上昇を企業業績の見通し向上がある程度支えていた構図になっています。

日経平均株価が6万円を超えて上昇傾向を続けるには、上場企業、特に日経平均採用銘柄の業績向上傾向が今後も続くことが必要です。その意味で、今後発表が本格化する3月決算企業等の決算発表はかなり重要であると考えられます。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では、3月決算銘柄の中から市場の期待を上回る収益および業績見通しの発表が期待できる銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証プライム市場に上場
(2)予想EPSを公表しているアナリストが3名以上
(3)広義の金融を除く3月決算銘柄
(4)決算発表予定日が4/27(月)~5/15(金)
(5)2026年3月期市場予想EPS(Bloombergコンセンサス)が過去4週間で増加
(6)2026年3月期市場予想純利益(同)が会社予想純利益を上回る
(7)2027年3月期市場予想純利益(同)が2026年3月期市場予想純利益に対し増益予想
(8)2026年3月期第3四半期(2025年10~12月期)純利益が前年同期比20%以上増益
(9)2026年3月期第3四半期累計(2025年4~12月期)純利益が前年同期比20%以上増益、かつ増益率が2026年3月期(通期)市場予想純利益の前期比増益率を上回る
(10)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

掲載銘柄は上記条件をすべて満たしています。掲載の順番は、(6)において「2026年3月期市場予想純利益/同会社予想純利益」の数字が大きい順になっています。

日経平均が一時6万円!好業績・株価上昇期待の11銘柄 日経平均が一時6万円!好業績・株価上昇期待の11銘柄
(画像=SBI証券)

一部掲載銘柄を解説!

三菱重工業(7011)~日本を代表する「防衛関連銘柄」の1社。ミサイル防衛等で貢献

◎「防衛関連銘柄」の代表的存在

三菱グループの重工メーカーであり、防衛関連銘柄の代表格です。

売上収益構成比(2025年3月期)で最も大きいセグメントは「エナジー」(36.1%)で、火力発電、再生可能エネルギー、原子力といった幅広いエネルギーインフラを提供しています。「航空・防衛・宇宙事業」の売上収益が占める割合は全体の20.5%(同)です。防衛分野では戦闘機や潜水艦、飛しょう体などを製造。全社売上収益の14%が防衛省向け(同)で、防衛費増額による恩恵をダイレクトに受けやすい銘柄といえます。

「防衛・宇宙事業」の受注額は2019年3月期~2023年3月期には年平均5,200億円規模で推移してきました。しかし、2022年に防衛力の抜本的強化に向けた防衛力整備計画が策定され、2024年3月期および2025年3月期は各々1兆8,000億円台へと急増しました。スタンド・オフ防衛能力(※)や統合防空ミサイル防衛能力に関する開発案件を中心に増加しました。2026年3月期は過去2期に比較すると受注高は減るものの、1兆2,000億円程度と高水準を維持する計画です。

◎2026年3月期は受注高・事業利益等の計画を上方修正

2/4(水)発表の2026年3月期第3四半期累計(2025年4月~12月)では、受注高5兆291億円(前年同期比13%増)、売上収益3兆3,269億円(同9%増)、事業利益3,012億円と増収増益でした。受注高は「エナジー」を中心に増加し、「航空・防衛・宇宙」も引き続き高水準を確保しました。売上収益は、GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)や防衛・宇宙等で増収・増益をけん引しました。

2026年3月期は受注高6兆7千億円、売上収益4兆8,000億円、事業利益4,100億円、純利益2,600億円が会社計画です。昨年9/30に子会社である三菱ロジネクスト(7105)の売却を発表しており、その分を除く継続事業同士の比較では、前期比で受注高が4.6%増、売上収益10.1%増、事業利益15.5%増の計画です。前回(昨年11/7)公表値からは受注高が6,000億円、事業利益が200億円、純利益が300億円の上方修正となりました。市場予想(Bloombergコンセンサス)純利益は2026年3月期2,802億円、2027年3月期3,756億円となっています。

◎防衛装備品の輸出規制緩和が追い風に

政府は4/21(火)に「防衛装備移転三原則」(防衛装備品の輸出ルール)と運用指針を改定しました。日本企業が生産した武器の輸出を非戦闘目的に限定する「5類型」を撤廃し、戦闘機など殺傷能力のある武器の輸出を原則容認することになりました。日本の防衛産業は販売先がこれまで、おもに防衛省に限定されてきただけに、防衛・宇宙分野の販売先が広がる可能性が膨らんできました。これに先立つ4/16(木)には、NATO(北大西洋条約機構)30ヵ国の常駐代表等が大挙して茂木外相を表敬訪問し、三菱電機の鎌倉製作所を見学しています。中長期的にはNATOとの関係強化等が三菱重工業を含む日本の防衛産業にビジネス機会を提供しそうです。

※スタンド・オフ防衛能力:日本に侵入してくる艦艇や上陸部隊に対し、自衛隊が安全な距離から長射程ミサイル等で対処し、攻撃を効果的に阻止・排除する能力。

日本精工(6471)?"フィジカルAI"時代のロボティクス基盤部品企業。円安も追い風

◎国内トップ、世界第3位のベアリング大手

ベアリング大手で精密機械部品の製造・販売を行う企業です。自動車部品や産業機械向け製品を提供し、世界中で事業展開しています。

「ベアリング(転がり軸受)」は機械の軸を支え、摩擦を低減して円滑に回転させる部品です。自動車1台あたり100?150個程度使用され、自動車、産業機械、航空・宇宙など幅広い用途があります。当社は国内トップ、世界3位のシェア(2025年3月31日時点)を誇り、国内のライバルはNTN(6472)、ジェイテクト(6473)などです。

売上構成比(2025年3月期)は「自動車事業」51%、「産業機器事業」38%で、地域別内訳は日本33%、中国22%、米州19%、その他アジア14%、欧州12%と、グローバル展開が進んでいます。昨年10/30にはAIロボティクス企業「アールティ」へ戦略的出資を実施。ロボット事業強化を本格化させる方針です。フィジカルAI領域での技術連携が期待されます。

◎第3四半期発表時に業績予想を上方修正。第4四半期は想定以上に円安が進行

本年2/3(火)の第3四半期(2025年4?12月期)決算に合わせ、2026年3月期の予想営業利益は300億円→370億円(前期比30%増)に上方修正されました。通期の前提為替レートが円安方向に修正され60億円の修正要因となりました。

2026年1~3月期の前提為替レートは1ドル150円、1ユーロ180円、1人民元21円となっています。外為市場(三菱UFJ銀行対顧客外為相場)の同四半期における平均為替レートは、1ドル156円台、1ユーロ183円台、1人民元22円と前提為替レートよりも円安になっており、業績面で「為替」は上振れ要因になっています。配当は安定還元を基本方針とし、配当性向30?50%、DOE下限2.5%を目標としています。会社計画では2026年3月期の年間配当は前期同額の34円を予定しています。

JX金属(5016)~AI・半導体などハイテク産業を素材で支える

◎非鉄金属の大手企業

ハイテク産業の素材を支えるJX金属の歴史は古く、1905年に久原房之助氏が日立鉱山を開業したことに始まります。日立鉱山では主に銅を産出していました。ちなみに、この日立鉱山で使用する機械の修理製造部門から日立製作所は生まれています。その後、合併・統合などを経て2016年に社名を現在のJX金属に変更。2025年3月に東証プライムに上場しました。

現在では「半導体材料」「情報通信材料」「基礎材料」の3つのセグメントを柱としてデータセンターやAIなどハイテク産業に必要不可欠なチタン銅や薄膜材料を製造しています。もちろん祖業である銅の産出も続けており、最近注目されているレアメタルの産出や都市鉱山からのリサイクルも行っています。

◎通期業績予想を3度上方修正! 業績絶好調の理由は?

2/10(火)に発表された第3四半期累計(2025年4月1日~2025年12月31日)の売上高は6,145億円(前年同期比18.9%増)、営業利益は1,248億円(前年同期比44.8%増)となりました。また、同時に通期業績・期末配当予想の上方修正を発表しています。通期業績の上方修正は2026年3月期に3度目となります。

業績が伸びている理由としてAI関連の需要拡大があげられます。同社の生産している薄膜材料や半導体用ターゲットはデータセンターには欠かせないとみられます。また、電力設備の電線に使用される銅は需要が旺盛で、銅の価格は高値圏を推移しています。銅価格の上昇も銅を産出する同社にとっては追い風になっている状況です。

同社のポイントとしては注目度が高いAI・半導体、データセンターへの設備投資に関連する素材を手掛ける会社であるため、設備投資の需要が高まれば、おのずと業績も伸びていくと考えられる点です。

◎これからの業績予想は好調? 注意すべきポイントも!

イラン問題が落ち着くと市場の関心はインフレ対策や景気、AI・半導体、データセンターへの設備投資、さらに個別企業の業績へと移っていくとみられます。同社の2027年3月期業績予想はどうなるでしょうか。

まず半導体を取り巻く状況ですが韓国の半導体大手SKハイニックスが4/23(木)に2026年1~3月期の決算を発表しました。売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高でした。金祐賢最高財務責任者(CFO)は決算説明会で2026年の設備投資について「2025年比で大幅増を見込む」と説明し、半導体需要の力強さがうかがえました。このことから、データセンターや電力設備などに関連の強いJX金属の今期業績も好調ではないかと予想されます。

ただし、注意したいポイントもあります。銅の価格が下落した場合は、銅を産出する同社の株式は売りの対象になる可能性があります。また、半導体関連企業の決算発表で悪材料が発表されると、半導体やデータセンターに関連が強い同社の株式も売りの対象とされるでしょう。良くも悪くも景気やハイテク産業の業績に敏感な会社だといえます。

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数