全労済はCMでも有名な医療保険となっているが、実際にどのような保険タイプなのかや保障内容といった部分までは知らない方が多い。日本は保険の種類が多岐にわたるためしっかりと保険の種類を把握しておく必要がある。今回は全労済の医療保険がどのような人におすすめなのかといった部分から種類、特徴までを紹介する。
全労済の医療保険とは?
全労災の正式名称は「全国労働者共済生活協同組合連合会」といった形になりCMなどでは「ぜんろうさい!」という最後のフレーズが記憶に残る親しみやすい医療保険となっている。
全労済が行っている事業は大きく分けて二つ存在しており「共済事業」と「共同組合」となっている。
共済事業というのは生活していれば身の周りに起きるであろう危険の病気やケガといったものから自然災害まで様々な「万が一」に備えるための共済となっている。
保険の仕組みを簡単におさらいするとみんなでお金を出し合いながらいざとなった場合に他の方が積立た資金を使用できるシステムを構築することで、被保険者の「万が一」に備える形だ。
通常の保険では上記のシステムから病気や災害といった各々の「万が一」に備えることでその役割を発揮している。
また全労済の共済事業においては「保険」という呼称を使用していないことにも注意しておこう。
もうひとつの事業である「組合事業」については、何か「万が一」があった場合ではなく、通常の生活を更により良いものにしたいといった願望をもつ方があつまり、みんなで資金をだしあうことで、全体の生活レベルを上げていこうといった試みだ。
たとえると市区町村の運営に似ているところがあり、全労済という団体の中でお金をだすことで全労済という町を動かしているといったイメージだ。
全労済の「協同組合」の合言葉は「一人は万人のために、万人は一人のために」といったものとなっており、みんなで助け合いながら生活していこうという全労済の心意気がみえる。
そんな全労済では2019年8月1日から新サービスもスタートしている。
全労済の医療保険は2種類
2019年8月1日からスタートしたサービスは「総合医療共済」という医療共済サービスだ。
医療保険とは、自身に万が一の病気やケガが発生、通院や入院、手術が必要となった場合に医療費の一部を給付金として負担もしくは共済金という形で受け取れる仕組みとなっている。
医療保険の中には貯蓄性があるタイプもあり、医療保険と一口にいっても様々な種類があるのを留意しておこう。
また医療保険といってもすべての病気をカバーしているわけではなく、三大疾病や女性特有の病気といったものまではカバーしていないものがあり、女性向けの医療保険やガン保険といった形で個別の病気に対応したものもある。
そんな医療保険だが全労済の「総合医療共済」にはどのような医療保険プランがあるのだろうか?
全労済の「総合医療共済」にある医療保険タイプは以下の二つだ。
・終身タイプ「医療プラン」
・終身タイプ「引受基準緩和型プラン」
どちらも終身保険のプランであることが特徴だ。
それでは上記の二つについてそれぞれ詳しくみていこう。
終身タイプ「医療プラン」
まず紹介するのは終身タイプ「医療プラン」という名称の終身医療保険タイプだ。
終身医療保険は被保険者が亡くなるまでに病気やケガで入院や手術、通院があった場合に給付金や保険金がおりるタイプの保険となっている。
終身タイプ「医療プラン」の他にも定期タイプの医療プランも存在しており、被保険者が亡くなるまでの「終身」ではなく一定期間だけ保障をおこなってもらうといったことも可能だ。
しかし定期タイプでは一定期間が終了すると保険の更新が必要となってきてしまうために更新のたび保険料が値上がりしてしまうといったデメリットがある。
従って一定期間の保険タイプを選択するのであれば、貯蓄が少ない方やどうしても一定期間だけは保障を付けなければいけないといった方におすすめだ。
それ以外の場合で医療保障を付けたいと感じている方に関しては終身タイプを選択した方が最終的な支払額は少なくて済むのだ。
これでは一般的な定期医療保険と終身医療保険の違いを解説したが、全労済の終身タイプ「医療プラン」の詳しい中身をみていこう。
終身タイプ「医療プラン」の加入できる共済適用範囲は「満15歳~80歳の方」となっている。
注意しなければいけないのが短期払いの場合は満15歳~65歳の方を対象としている点だ。
掛金払込期間は終身払いか短期払いとなっており、これは一般的な「定期医療保険」か「終身医療保険」かといったタイプ別ではなく、終身医療保険ではあるが「支払をどの期間にするか」といった選択になる。
ではどのような方に終身タイプ「医療プラン」はおすすめなのだろうか?
終身タイプ「医療プラン」は通常の医療保険もカバーしているが更に特筆すべきは「先進医療特約」というものが付いてくる点だ。
掛金が手頃であるのにもかかわらず最高1,000万円の保障がつくことも非常に大きなメリットといえるだろう。
この「先進医療特約」はベーシックプランと総合プランの二つのどちらかと組み合わせることができるものとなっており、総合タイプはベーシックタイプよりも掛け金が若干高い傾向になる。
ここまで読んだ際にでてきた「先進医療特約」の「特約」に気になった方も多いではないだろうか。
「特約」とは保険の契約形態を表すものとなっており、種類としては「主契約」と「特約」の二種類となっている。
それぞれどのような違いがあるのかというと、主契約は本来結ぶ契約となり、Aという保険を契約したいと考えた際にAと契約すればそれは「主契約」となる。
一方「特約」の場合はAという保険を契約した場合(主契約)にもう一つの保険であるBの保障内容も盛り込みたいと考えた場合にAをメインにしてBをサブで契約しようというのが「特約」といった契約形態なのだ。
主契約としてAとB両方契約できるが、二つそれぞれが単独の保険契約となってしまうため「特約」で契約した場場合に比べて少々割高になってしまう。
しかし「特約」の場合は、Aを契約解消してしまうと自動的にBの内容もなくなってしまうので、Aの保険はやめたいがBの保険は残しておきたいといった場合に不利になる。
以上のことを頭に入れたうえで終身タイプ「医療プラン」についてみていくと、主契約となるのが、「ベーシックプラン」または「総合プラン」、特約にあたるのが「先進医療特約」にあたることがわかるだろう。
また終身タイプ「医療プラン」には個別の病気に対する医療保険タイプも兼ね備えており、「三大疾病タイプ」や「女性疾病タイプ」といった医療保険も充実している。
三大疾病とは「急性心筋梗塞」や「脳卒中」、「がん」の三つをさし、治療が困難といった理由や高額な医療費がかかることから通常の保険タイプではカバーしにくい分野だ。
また女性特有の病気にあたる乳がんや子宮頸がんといったものも医療費が高い傾向にある。
このような個別のプランに関しては、自分は通常の病気やケガであれば公的医療制度で大丈夫だが、特有の病気に関してはちょっと怖いと感じる方に最適の保険タイプとなっている。
一口に終身タイプ「医療プラン」といっても終身か定期か、特約をいれるか、個別の疾病に対する保険にするか悩ましいところだ。
終身タイプ「引受基準緩和型プラン」
次に紹介するのが終身タイプ「引受基準緩和型プラン」だ。
終身タイプ「引受基準緩和型プラン」は名前が難しいように感じるかもしれないが、簡単にとらえれば、「通常は保険に加入するのが難しい人でも入れる保険」だと理解しておけば大丈夫だ。
保険は保険会社が資金をうけとっておいて、被保険者に万が一があった場合に保険金や給付金を支給することで万が一に備える仕組みだ。
しかしこの万が一が多くおこってしまうと保険会社は赤字となってしまい倒産してしまうことは容易に想像できるだろう。
従って予め持病をもっている方や収入が低く保険料払いに難がある方といった人々は最初から保険の適用範囲外となってしまうケースがある。
そんな方には保険に入ってはいけないという仕組みでは厳しいだろうということで出来たのが終身タイプ「引受基準緩和型プラン」だ。
終身タイプ「引受基準緩和型プラン」では元々持病がある方や既往症、通院、服薬といった保険会社からみればリスクがある方でも加入できるといったメリットをもっている。
終身タイプ「引受基準緩和型プラン」も終身タイプ「医療プラン」と同じく特約があり、「引受緩和型先進医療特約」という形で終身タイプ「引受基準緩和型プラン」専用の特約が存在している。
「引受緩和型先進医療特約」の掛金支払は特殊となっており、終身払いの場合は10年ごとに更新期間が設けられ、先進医療の恩恵を受けることが可能だ。
一方65歳払いの場合は65歳以降は1年ごとに掛金を支払う仕組みとなり、10年ごとに更新を行う形となる。
終身タイプ「引受基準緩和型プランでは終身タイプ「医療プラン」のように女性や三大疾病に対応した保険タイプはないが、特約を選択するのか、掛金払いをどうするかといった工夫の余地は残っている。
元々ディスアドバンテージとなっている方でも万が一に備えられるのは大きなメリットとなるので、工夫しながら自分いあう終身タイプ「引受基準緩和型プランを選択することが大切だ。
全労済の医療保険3つのおすすめポイント
全労済の医療保険タイプである終身タイプ「医療プラン」と終身タイプ「引受基準緩和型プラン」を紹介してきたが実際どちらが良いのかといった部分や、終身タイプ「医療プラン」において特約をつけるべきかといった部分はな非常に悩ましい部分となっている。
万が一という状況は非常に自身を不安にかりたてるため保険の説明を受けるとなんでもかんでも保険にもりこんでしまいそうになるのだが、自分にあっていない保険タイプを選択してしまったらその保険料は無駄となってしまう。
そのような状況にならないためにも自分にあった保険を選択するにはどういった区分で選択していけばよいのかそれぞれみていこう。
病気やけがを幅広くカバーしてくれる
全労済の保険は病気やけがを幅広くカバーしている保険だといえよう。
なぜならば総合プランやベーシックプランの他にも特約を用いることで自分にあった保険へカスタマイズができるからだ。
また女性特有の病気や三大疾病にあった保険タイプを用意しているところも幅広いといえる。
全労済の終身タイプ「引受基準緩和型プランと終身タイプ「医療プラン」のおおまかな保証料は一日あたり1万円~1万5千円程度となっており、健康保険の3割引とプラスすることで大きく医療費を減らすことが可能だ。
ここで考えたいのが医療費には診療以外にも自己負担分の医療機器や入院するのであれば食事やベッド代というものがかかる点だ。
こういった部分も全労済の医療保険にはいっておけば済むと考えるとお得だ。
一方気をつけなければいけないのが「先進医療」に関してだ。
いくら病気やけがを幅広くカバーしてくれるといっても「先進医療特約」に関していえば先進医療の技術部分に関する部分は保険を適用しないと全額自己負担、通常の治療部位に関していえば一部自己負担となってしまう。
そのため、保険に加入していない状態で先進医療技術を受けてしまうと多額の金額がかかってしまうことになる。
以上のことからも全労済の保険は幅広い病気やけがをカバーしておりどんなときも保障ができるような体制を整えている。
ライフスタイルで選べる
全労済の保険はライフスタイルやライフステージによって様々な種類があり、
・こども保障タイプ
・医療保障タイプ
・終身医療保障タイプ
・がん保障プラス
・総合保障タイプ
・シニア総合保障タイプ
・シニア医療保障タイプ
・障害タイプ
・障害Wタイプ
・個人賠償プラス
といった形で多くの種類が存在している。
自分のライフスタイルによって自身にあった保険を選択可能なのである。当たり前だが年齢を重ねてくにつれて保険内容をみなおしていかないと保険料が無駄になったり保障がカバーできていなかったりといったケースが発生する場合がある。
ライフスタイルやライフステージによってしっかり自分にあった保険を考えることが重要だ。
ニーズに応じて組み合わせが可能
前述したとおり様々な保険タイプがあることはさることながら「特約」といった形でニーズに合わせた組み合わせができるのも全労済の保険の良い点だ。
特約と主契約についての違いは前述しているが、こちらも自身がその保険を終身で使用するのか、それとも一定期間が過ぎたら見直しをするのかによって大きくことなってくる部分となる。
こちらも自分のライフスタイルやライフステージに合わせて組み合わせすることが重要となってくる。
全労済の医療保険はこんな人におすすめ
これまで全労済の医療保険を紹介してきたが、ライフスタイルやライフステージによって医療保険の種類を選択できたり、特約によって先進医療技術をプランに加入できたりすることから自由度の高い医療保険であることが分かったと思う。
最初からいろいろ決められている保険のタイプではなく自身によって保険の内容をつくっていきたいという方にはこの全労済の医療保険はおすすめだ。
しかしこういったカスタマイズできるものだと自身でどう組み込んだらよいかわからない方もおおいだろう。
そういった場合は、お金の専門家であるFPなどに相談して自身にあった保険を組み立てよう。
全労済の医療保険に申し込もう!
今回は全労済医療保険がどんな人におすすめなのか?種類やポイントといった部分を解説した。
日本は多くの保険商品で溢れかえっており、多くの人は自身が加入している保険の種類を理解している人は少ない。
中でも公的医療保障制度もあるため本来であれば保険に加入しなくても良い方が実はたくさんいる。
しかし将来に「万が一が起きたらどうしよう」という不安からついつい保険に加入してしまうものだ。
従って全労済の医療保険では自由度の高い保険の設定できることから、公的医療制度との兼ね合いや自身のライフスタイル、ライフステージにあった保険を選択するこができ、無駄のない保障をうけることができる。
あなたも自身の保険を見直してみて自分にあった保険にしてみてはいかがだろうか。
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