生命保険を選ぶときに「掛け捨て型」と「貯蓄型」のどちらを選ぶべきか悩んでいる人はいるだろうか?名前を聞いたことあるが、詳しい内容は知らない人も多いだろう。今回は掛け捨て型と貯蓄型の生命保険の違いやメリット・デメリットに注目して解説する。

掛け捨て保険と貯蓄(積立)型保険の特徴を紹介

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(画像=PIXTA)

死亡のリスクを保障する生命保険になぜ2種類のタイプがあるのだろうか。ここでは掛け捨て型保険と貯蓄型保険の特徴についてそれぞれ説明する。

両者の特徴を理解して、自分の目的に合った商品を選ぼう。

掛け捨て型保険の特徴とは

掛け捨て型の生命保険とは、一定の保険期間内に起きた死亡を保障してくれる定期型の保険だ。一般的には10年・20年・30年というように10年単位で保険期間が区切られているものが多い。自分で設定した保険期間内は保険料を払い続ける必要があり、解約しても基本的に保険料が返ってくることはない。

代表的な掛け捨て型保険商品として定期保険が挙げられる。これは自分で決めた期間のみを保障してくれるというシンプルなものだ。例えば、20年間を保険期間とした定期保険に加入したとしたら、満期まで保険料を払い続けることになる。そして、満期後はなにも保障が受けられなくなる仕組みだ。ただし、更新型の定期保険であれば満期がきても保険期間を更新できる。

貯蓄(積立)型保険の特徴とは

貯蓄型の生命保険とは、死亡リスクに対する保障だけでなく貯蓄の機能も兼ね備えた保険だ。保険料の払込期間が終了してから解約すると今まで払ってきた保険料の総額以上の解約返戻金を受け取ることができる。解約返戻金の受け取り時期を遅くするほどその総額が増加して貯蓄の効率をよくすることも可能だ。保険料は契約時から一定となっており、一般的に若い時から加入したほうが保険料が安くなる。よって、加入を決めたらなるべく早いうちに加入するべきだろう。

代表的な貯蓄型生命保険として終身保険や養老保険が挙げられる。終身保険は保険料払込期間が過ぎた後に解約すれば、保険料の総額以上の解約返戻金がもらえる。対して、養老保険は解約返戻金は少ないが満期時に生存していれば満期保険金がもらえることが特徴だ。

最近では低解約返戻金型終身保険という商品が登場した。これは途中解約の払戻金が少ない代わりに保険料が安めに設定されている。このように貯蓄型保険にもさまざまな種類があるのが現状だ。

掛け捨て型と貯蓄(積立)型保険のメリット・デメリットを紹介

ここでは掛け捨て型と貯蓄型の生命保険のメリット・デメリットを解説する。それぞれ一長一短あるので、しっかりと違いを把握しておくことが重要だ。

掛け捨て型保険のメリット・デメリットとは

掛け捨て型保険のメリットは「保険料が貯蓄型保険と比べて安いこと」だ。掛け捨て型保険は貯蓄型保険と比べてシンプルな商品であるため、保険料の安さと保障の手厚さを両方とも実現できる。とにかく安く保障を充実させたいという人に適している商品だ。

対して、主なデメリットは「支払った保険料が戻ってこないこと」と「契約更新時に保険料が高くなること」の2つだ。掛け捨て型保険では契約を終了するとそれまで払い続けてきた保険料は返ってこない。ただし、途中解約の場合は少額ながら解約返戻金が受け取れることもある。

また、更新型の掛け捨て保険に加入した場合、同じ内容で更新すると保険料が以前より高くなってしまうことに気をつけたい。保険料は契約時の年齢と保険料率によって計算され年齢が高いほど保険料が上がる。掛け捨て型保険を更新するときは以前より年齢が上がっているため保険料が今までより高くなるという仕組みだ。ただし、もし全期型の掛け捨て型保険に加入したら満期まで保険料は一切変わらずその後は契約終了になるため、保険期間中に保険料が上がることはない。

貯蓄(積立)型保険のメリット・デメリットとは

貯蓄型保険の主なメリットは「保険と貯蓄を1度にできること」と「保険料が掛け捨てにならないこと」と「契約を継続させやすい制度があること」の3つだ。貯蓄型保険であればその性質から資産形成の手段の1つとして使える。預金を使って貯金しているとどうしても無駄遣いしてしまうという人もいるだろう。そんな場合は保険料の支払いを通して半強制的に貯金することも1つの手だ。

さらに、貯蓄型保険のような解約返戻金がある商品には「自動振替貸付」や「契約者貸付」といった中途解約のリスクを軽減できる制度がある。自動振替貸付とは、保険期間の途中で保険料が支払えなくなっても解約返戻金の範囲内で保険会社が立て替えてくれる制度だ。もう一方の契約者貸付は一定のお金を保険会社から借りられる制度である。

ただし、両者ともお金を借りていることに代わりはないため、返済義務と利息が発生することに注意しよう。しかし、貯蓄型保険において元本割れの観点から中途解約が大きなリスクである。もし保険料払込期間中にどうしても支払いが滞りそうであれば、制度の利用を検討するべきだ。一部の貯蓄型保険にはそういった制度がない場合もあるので1度確認するとよいだろう。

貯蓄型保険の主なデメリットは「掛け捨て型と比べて、保険料が高いこと」と「元本割れのリスクがあること」の2つだ。貯蓄型保険に加入すると保障と貯蓄のための代金を保険料として支払っていく。よって、保障の部分のみに保険料を払う掛け捨て型保険と比べて、保険料が高くなってしまう。

また、貯蓄型保険は保険料払込期間内に解約してしまうと支払った総額より少ない解約返戻金しか受け取れない。契約初期だと最悪の場合、全くお金が返ってこないこともある。保険料を支払ったら、そのお金は当分の間引き出せないものだと思っておく必要がある。さらに、緊急時でも対応できるように余裕を持って加入を検討しよう。

ライフスタイルに合わせて生命保険を選ぶのが大切

人それぞれ適している保険は収入や年齢、家族構成などによって大きく異なる。自分の状況をしっかりと考慮して慎重に保険を選ぶことが必要だ。保険を選ぶときは特に「目的を明確にすること」が大切である。では、掛け捨て型と貯蓄型の生命保険はどのような目的で選ぶべきなのだろうか。

死亡リスクを抑えたいなら掛け捨て型保険がおすすめ

掛け捨て型保険の最大の目的は「個人では対応しきれない生活上の経済的リスクに備えること」だ。よって、特に死亡リスクを抑えたいという目的で保険に入るのであれば掛け捨て型の生命保険に加入するべきだろう。

前述したが、掛け捨て型保険のメリットは安い保険料と手厚い保障にある。最も負担なく死亡リスクへの対策をするのであれば、掛け捨て型保険への加入が効率の良い手段だ。「子どもが独立するまで」や「住宅ローンを払い終えるまで」などの一定期間だけを保障したい人にもおすすめである。

また、その他の死亡リスクを抑える方法として「団体信用生命保険」への加入も挙げられる。団体信用生命保険とは、加入者が住宅ローンの返済中に死亡や高度障害などのトラブルに見舞われたときにローンの残額を保険金として支払ってくれるものだ。「団信」と略されるときもある。自分に何かあっても住宅ローンの返済において家族を経済的リスクから守るために使われている。死亡・高度障害の他に特約を付ければ、三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)への保障も可能だ。不動産投資をして資産形成しつつ、団体信用生命保険に入って死亡リスクを抑えよう。

団体信用生命保険に加入したら自分の保険の加入状況を確認することをおすすめする。他の生命保険に加入していて、目的と保障内容が被ってしまっている場合があるからだ。それではムダに保険料を払うことになるのでしっかりと確認して節約につなげよう。

ライフイベントへの金銭的リスク対策なら貯蓄(積立)型

貯蓄型保険は「保障も受けながら、ライフイベントへの資金を用意すること」が目的だ。よって、老後資金の準備や子どもの教育費などに備えたいという明確な目的を持って保険に入るのであれば貯蓄型の生命保険に加入するべきだろう。

貯蓄型保険に加入する場合、最も注意したいことは途中解約だ。これも前述したが、途中解約してしまうと基本的に今まで払ってきた保険料より少ないお金しか返ってこない。これは避けたい事態なので、加入前に保険料が家計にとって過度な圧迫とならないか相談して満期まで払い続けられる自信があるか確認しよう。もし支払いの継続が困難になった場合はできる限り自動振替貸付や契約者貸付を使って加入を継続するべきだ。

それぞれの特徴を理解して生命保険を選ぼう

生命保険には「掛け捨て型」と「貯蓄型」がある。一定期間のトラブルを保障するための商品が掛け捨て型保険で、それに貯蓄の機能が加わったものが貯蓄型保険とイメージすると分かりやすいだろう。

掛け捨て型保険は保険料が比較的安いにもかかわらず手厚い保障を受けられるメリットがある。しかし、支払った保険料は返ってこないことが大きなデメリットだ。一方、貯蓄型保険は保険料が掛け捨てにならず貯蓄できるメリットがあるが、その分保険料が高く途中解約で元本割れのリスクがある。このように掛け捨て型と貯蓄型でそれぞれ特徴があるため、それらをしっかりと理解して保険を選ぶべきだ。

自分に適した保険を選ぶためには保険に加入する目的を明確にすることが大切である。掛け捨て型保険は死亡リスクに効率良く備えたい人にはおすすめだ。対して、将来のライフイベントの資金準備も同時に行いたいかつ満期まで保険料を払い続けられる自信がある人には、貯蓄型保険がおすすめだといえる。掛け捨て型と貯蓄型の両方の側面を持った商品もあるが、自分の加入目的をしっかりと持っていれば大きく迷わず保険の選択ができるだろう。

ただし、充分な保障が受けられるかどうかという判断基準はどちらも共通して重要だ。保険とはそもそもなにかトラブルに遭ったときの損害を保障するためのものである。例えば、ライフイベントのために貯蓄型保険に加入したからといって充分な保障がなければ本末転倒に等しい。よって、一から生命保険を選ぶときは自分が死亡したらいくらのお金が足りなくなるのか具体的に計算しておく必要がある。

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