超低金利が続き銀行に預けてもわずかな利息しかつかない時代です。金融政策にも変更の兆しは見えず金利の上昇は期待できません。そこで経済的にも時間的にもゆとりがあるシニア世代に検討の余地があるのが興行会社の株主優待です。今回はシニアライフにおすすめの歌舞伎や演劇公演を優雅に鑑賞できる魅力的な株主優待を紹介します。

定年後豊かなシニアライフを送るために

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(写真=Kobby Dagan/Shutterstock.com)

一生懸命に働いてきた中高年の人にとって「定年後は豊かなシニアライフを送りたい」というのが願いではないでしょうか。ところが頼りにしたい老後の年金だけでは豊かなシニアライフを送るうえで十分な金額を受け取ることができません。そうなると持っているお金を増やすしかないのですが、安全に資産運用しようにも金融機関の預金金利は超低金利で雀の涙ほどの利息しか得られないのが現実です。

高金利の外国債券などもありますが為替リスクがあり単なる投資では値下がりして逆に資産を減らすことになりかねません。そのようなデメリットを考慮して検討したいのが、いま大流行の「株主優待投資」です。優待投資は目先の株価に左右されず長期保有が前提です。

例えば、興行会社の株主になり優雅に演劇鑑賞するのも楽しいかもしれません。代表的な演劇興行会社3社の優待獲得最低投資額(2019年10月17日終値により計算)で得られる優待内容を見てみましょう。

セレブ優待の代表、歌舞伎座<9661>の株主優待

日本の伝統芸能である歌舞伎を専門に上演する劇場が歌舞伎座です。優待内容も歌舞伎座への招待になります。

・株主優待の内容
優待獲得最低投資額:86万4,000円(1株5,760円×150株)
権利確定月:2月末日、8月末日
150株以上 年間1枚、1,000株以上 4枚(半年ごと)

歌舞伎座初心者は150株から始めるのもよいですが、愛好家では1,000株保有する人が多い傾向です。ただし1,000株を保有する場合576万円ほどの投資額が必要になります。まさにセレブ優待と呼ぶのにふさわしい銘柄です。配当金は2019年2月期で1株5円。

映画も演劇も鑑賞できる松竹<9601>の株主優待

松竹は「寅さん」でおなじみの映画会社であり演劇部門も持っていることから株主優待カードで株数によっては、映画と演劇の両方を鑑賞することができるでしょう。演劇については年間で4枚分付与されますが招待される月と劇場は指定されます。

・株主優待の内容
優待獲得最低投資額:158万円(1株1万5,800円×100株)
権利確定月:2月末日、8月末日
100株以上(映画) 映画鑑賞ポイント80ポイント(通常上映で8本分、半年ごと)
300株以上(映画+演劇) 映画鑑賞ポイント200ポイントおよび演劇鑑賞2枚分(半年ごと)

300株以上の保有では、年間で映画40本、演劇4公演分が鑑賞できるので個人では使いきれないかもしれません。家族や夫婦で使うのに向いている優待といえるでしょう。2019年2月期の配当金は1株30円。

多彩な演目が魅力、御園座<9664>の株主優待

御園座は館名からはイメージできないような多彩なジャンルの公演を行っています。通常の演劇はもちろんのこと歌舞伎やミュージカル、落語、歌謡ショーなどラインアップが豊富です。招待月や対象になる公演は指定されますが20%割引券利用の場合は好きな公演のチケットを割引購入することができます。

・株主優待の内容
優待獲得最低投資額:30万1,000円(1株3,010円×100株)
権利確定月:3月末日
100株以上 優待券年間1枚+20%割引券年間1枚

こちらは年間1枚と割り当て数が少ないので家族で利用するには向いていません。お一人さま向けの演劇優待といってよいでしょう。2019年3月期の配当は無配です。

シニアライフを株主優待でエンジョイしよう

上記で見てきたように演劇優待は投資額も大きく、ある程度経済的な余裕がないと獲得が難しい優待でもあります。ただ優待投資には「総合利回り」という考え方があり、配当金に加え招待される演劇・歌舞伎・映画などの入場料を現金に換算すると高利回りになる銘柄も少なくありません。シニアライフを豊かにしてくれるこれらの優待投資は、超低金利下では検討に値する運用先といえるのではないでしょうか。

※当記事は、紹介した銘柄への投資を推奨するものではありません。投資への最終的な判断は自分自身の責任でお願いします。(提供:Dear Reicious Online

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