2019年11月19日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円の上値は109.50円にかけてかなり重たい。これは実需の売りやオプションの売りなど、色々ある。また現在、IMMのポジションが円売りに傾いているため、上がれば利食いが出てくるだろう。よって110.00円には乗りづらいと思われる。一方、下サイドに関しては、108円ちょうど付近も108円台前半も、輸入の買いがかなり出てくることが想定されるため、下値もさほど大きく下がらないとみている。ただ、気になるのが米中の貿易協議だ。先週15日(金)に米国の要人が2人続けて合意が近い趣旨の発言をしたため、米ドル/円は上がったわけだが、その後CNBCの女性記者のツイートで状況が一変。内容的には、実際には中国の高官は失望しており、合意は近くないと中国側が感じていること。そして、中国は自国を一番に考えており、今後、米国側の問題、大統領選やトランプ弾劾報道などにさらに注目していくといったものだ。そうなると大統領選まではまだ1年ほどあるため、早急な合意の実現性が遠のくことで、ドルが売られるかもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円の予想レンジは107.80~109.85円。ただ、米中の合意がもっと後にずれていくことになれば、基本もう一段階下がって、107円ミドルくらいまでは行くかもしれないと思っている。戦略的には押し目買い。買から入って109円のミドルではしっかり利食わないといけない。ただし、現在は難しい相場のため、無理をせず押し目が来たら買って、跳ねたところを確実に利食う、という形で臨みたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。