2019年12月4日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日3日(火)夜、トランプ米大統領は、米中貿易協議の合意について「中国との合意を来年の大統領選後まで待つのも良手」と発言したほか、ロス米商務長官も「何も変化がなければ15日(日)に対中関税を発動する」と述べるなど急な手の平返しに追われる展開となった。マーケットは今月15日(日)の対中関税の延期を織り込んで上昇していたので、思い切り梯子を外された格好でNYダウは400ドル超の下落となり、米ドル/円も108円ミドルまで下押しをしている。トランプ流でギリギリの駆け引きをしているのだろうが、香港への内政干渉を考えると中国側もこのタイミングでの譲歩は難しく、早期合意の可能性はかなり低くなってしまった。関税発動についてはまだ「延期」の可能性も残っており、本日4日(水)も米中高官の発言に目を光らせる必要があるだろう。また、リスクオフのモメンタムが強まるなか、本日4日(水)はADP全国雇用者数やISM非製造業景況指数といった米重要指標も控えている。特に一昨日2日(月)のISM製造業景況指数がマーケットの流れを大きく変えたことから、類似指標であるISM非製造業景況指数の注目度は高くなりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米中合意期待が剥落しており、新たな材料が出てこない限り米ドル/円はダウンサイドを意識した戦略になる。これまでくすぶっていた短期勢も円買いを仕掛けるもっともらしい口実ができたと言えよう。トレードはコアポジションがショートであればホールド、急ピッチで下落した反発があるなら108円後半で戻りを狙い、今週の安値を下抜けるような展開があれば短期でついていくイメージだ。ただし、トランプ米大統領のツイート一つで流れが変わるヘッドライン相場なので柔軟姿勢は求められる。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。