2019年12月10日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週の米ドル/円は、109.73円付近まで買われ高値を付けた。しかし、109.50円より上には本邦輸出企業の売りが相当並んでいたこと、そして110円ちょうどには今週末が期限の、かなり大きなノックアウトオプションがあったことで相当厚かった。109円ミドルを超えると、上をつけさせないためにオプション絡みの防戦売りが入ったが、先週2日(月)、これまで抜けられなかった109.50円を上抜けした際、短期勢が買いで参戦し、結果的に輸出の売りとオプションの防戦売りに潰されてしまい、「にわかロング」がつかまってしまって108.43円まで落ちたという流れだった。しかし、売りの勢いもそれほどではなく戻ってきて、上値が重くなっているというのが現状だ。昨日9日(月)も下値が108.43円と前回安値と完全に面合わせしている。ただ戻りが非常に重く、109円ミドルにかけては、本邦輸出企業は再度売ってくるとみている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、107.80~109.50円。方向的には109円台でひきつけて売りから入り、108.20円付近にサポートがあるため、108円台前半は買戻しスタンス。107.80円にかけて90日移動平均線が上がってきているため、107円台後半はロングを取ってみたい。また現在、21日移動平均線と200日移動平均線が上値を抑えている形となっており、109円前半や109円手前辺りは戻り売り。107円台後半には日本の機関投資家のオープン外債の買い玉があるようで、107円台はあまり売っていく感じはしない。また上下をオプションに止められていること以外に、クリスマス前で海外ファンドのAIが逆張りをやっているようだ。そのため、どうしても狭いレンジになりやすくなっている。予想レンジ内で跳ねたら売り方向から入るが、107円台では買い場探しをしたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。