転職エージェントdoda(デューダ)が、「残業の多い職業・少ない職業ランキング」を発表した。残業時間の多い職業トップは、1ヵ月あたりの残業時間が少ない職業トップの約4倍だった。今回は残業時間の多い職業トップ5と残業が多い理由を紹介する。

残業時間の長さ・短さは、仕事の満足度と比例しない?

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(画像=Bannafarsai_Stock/Shutterstock.com)

このランキングは、ビジネスパーソン1万5,000人以上を対象としたアンケートに基づいて、105の職種別残業時間の実態を調査したものだ。回答者の1ヵ月あたりの残業時間は、平均24.9時間。多い職業のトップは、平均のほぼ2倍だった。

意外なことに、同社が労働時間に対する満足度について調査した別のランキングでは、「残業時間の長さ・短さが、必ずしも仕事の満足感に直結しているわけではない」ことが明らかになっている。

同ランキングのトップは内部監査(企画/管理)、決済/計理/カストディ(金融系専門職)、アプリケーション・ミドルウェア・デバイスドライバ・ファームウェア(モノづくり系エンジニア)で、残業時間が少ない職種は1つもランクインしていない。

残業が多い職業ランキングTOP10 1位は設備施工管理

それでは、残業が多い職業ランキングを10位から順に見ていこう。各職種の平均的な残業時間も紹介する。

10位……法務アシスタント(事務・アシスタント)

残業時間:32.0時間
契約書のチェックや取引に関する相談など、企業活動で発生する法務関連業務を請け負うことが法務の領域だ。法務アシスタントは、業務全般のサポートを担当する。

9位……店長(販売・サービス)

残業時間:32.3時間
飲食店やコンビニ、アパレルなどの店舗責任者。販売計画から仕入れ、売上管理、人員配置・育成までを担当する。店舗の立地条件や周辺環境、客層などを把握し、売上を最大化するための洞察力も必須だ。

8位……設計監理(建築・土木系エンジニア)

残業時間:32.6時間
社会インフラの整備や都市再開発、大型商業施設・マンションの建設といったプロジェクトを、総合的に管理する仕事。立案から計画、予算やコンセプトの決定、設計および工事の発注先の決定、設計・工事開始後の管理に至るまで、すべてのプロセスに携わる。

7位……総合商社(営業)

残業時間:34.0時間
激務というイメージが強い総合商社。エネルギーや金属、インフラ、機械、化学品、食品、繊維、情報・通信サービス、金融、不動産など、広範囲における輸出入を担当する仕事だ。

6位……土木施工管理(建築・土木系エンジニア)

残業時間:34.2時間
土木施工管理は、建設工事の現場監督として工事のプロセスから形状、寸法、資材の強度、原価、安全性まで、様々な工事を管理・監督する仕事だ。

5位……ITコンサルタント(IT・通信系エンジニア)

残業時間:34.4時間
顧客の目標達成や経営課題のソリューションに重点を置いたITシステムの導入や開発、リニューアルを提案する仕事。特に、エンドユーザーとの接点となるアプリケーションが主な担当領域だ。

4位……プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連/クリエイティブ)

残業時間:35.2時間
クライアントの予算や目的、コンセプトに応じて、雑誌やWebの記事・広告、動画、ゲームなどのコンテンツを制作する仕事。制作するコンテンツにもよるが、クライアントとの打ち合わせや予算管理など業務が多岐に渡るため、激務になりやすい。

3位……食品/消費財メーカー(営業)

残業時間:35.9時間
自社が開発した食品や日用雑貨、衣類、電化製品などの生活用品を、小売業者や卸業者、または飲食店や小売店に販売・PRする営業職。飲食店や小売店には粘り強く通う必要があるため、長時間勤務になりやすい。

2位……建築施工管理(建築・土木系エンジニア)

残業時間:36.7時間
主に建物に関する建設工事の現場監督として、経済的かつ安全に工事が行われるよう、工事全体を管理する仕事。各工事現場に施工管理技士の有資格者が1人以上必要であるため、需要が高い。近年のオリンピック景気による建設ラッシュなどの影響で、建設業界は慢性的な人手不足。現場に長時間拘束されることも多い。

1位……設備施工管理(建築・土木系エンジニア)

残業時間:41.6時間
電気工事や設備工事、内装工事などにおいて、工事のプロセスから形状、寸法、資材の強度、原価、安全性まで、様々な工事を管理・監督する仕事。建設施工管理と同じく建設現場には欠かせない存在だが、業務も多く現場に長時間滞在することも多い。

残業時間が長いのは悪いことばかりでもない

残業時間の長い職種は必然的に労働時間が長くなるため、ワークライフバランスを取りにくいというデメリットがある。しかし仕事にやり甲斐を感じており、かつ上手く息抜きができるタイプなら、長い残業時間も満足感やキャリアアップにつながるのかもしれない。

文・アラン・琴子(英国在住のフリーライター)/MONEY TIMES

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