営業職はさまざまな業界で求人がある職種だ。そのため、40代で営業職の転職を考える人も多くいるだろう。今回は、40代で営業職に転職する際に知っておくべき4つのポイントを紹介する。
営業職には「法人営業」と「個人営業」がある
営業職に転職する前に知っておくべきことは、営業職は営業先によって「法人営業」と「個人営業」に分けられる点だ。企業が営業職の求人をする際も、法人営業と個人営業を分けて募集する。
法人営業と個人営業には、異なるスキルと経験が求められる。どちらの人材としてアピールできるかが、転職を成功させる鍵を握っていると言えるだろう。
法人営業……会社の顔としての企業間の営業
法人営業とは、法人を営業先として営業を行う業務を指す。法人営業で求められるスキルは大きく以下の2つだ。
・個人ではなく会社を代表して営業活動を行うことができる
法人営業の担当者は、他企業からすればその会社の顔である。会社間の取引をすることを自覚した行動ができる人材が求められる。
・相手先企業のニーズや経営戦略をふまえた提案型営業ができる
提案型営業とは、お客様と営業側の双方にメリットがある営業手法。そのためには、業界の知識や動向を常にキャッチしながら学ぶ姿勢が必要である。
個人営業……個人の顧客に対するきめ細かな営業
個人営業は、個人を営業先として営業を行う業務を指す。個人営業に求められるスキルも2つある。
・営業活動に必要な専門的な知識の取得
法人営業でもそうだが、個人営業では前提知識のない顧客に商品を購入してもらう場合もある。そのような場合は専門的な知識を多く持っている必要がある。例えば、金融業界の個人営業であればファイナンシャル・プランナーなどの知識を持っているほうが有利になるだろう。
・クレーム対応のスキル
個人営業は、個人である顧客との距離が近いのが特徴だ。個人の顧客からクレームが発生する可能性があるため、必須スキルとも言えるだろう。
40代の転職で知っておきたい営業職の3つのやりがい 貢献、評価、高収入
営業職に転職する前に知っておくべきことは、営業職のやりがいについて理解することだ。転職に対するモチベーションアップのためにも、営業職のやりがいを感じるポイントについて解説しよう。
(1)顧客との距離が近いため貢献を実感できる
営業職は事務職と違って顧客と直接会って活動するがゆえに、人とのコミュニケーションが仕事とも言える。顧客の課題や問題点を解決するためのビジネスが成功することで、自社からも顧客からも称賛され貢献を実感しやすいだろう。
(2)成績が数字で現れやすく評価されやすい
成績が売上という数字で表れやすく評価されやすい点も、営業職の大きなやりがいのひとつだ。数字は明白で分かりやすいため、売上などの目標を達成すれば評価につながる可能性が高く、昇進や昇格にもプラスに作用する。
(3)インセンティブによって高収入につながる
営業職には、給与制度に売上に応じたインセンティブが用意されていることがある。インセンティブは営業実績に応じて設定される報奨金で、努力次第で高収入を手にすることが可能だ。
40代の営業職が転職で重視される5つのポイント 経験やコミュニケーション能力がカギ
では40代の営業職が転職で重視されるポイントはどこなのだろうか。ポイントを理解して、転職を有利に進めよう。
(1)コミュニケーション能力……顧客の対応ができるかは最重要
営業先への対応が業務の中心となる営業職で、最も重視されるポイントはコミュニケーション能力だろう。顧客と円滑なコミュニケーションを取ることができれば、活躍が見込まれるとみなされる。
(2)営業経験……個人でも法人でも経験があれば評価される
40代の転職では即戦力が求められているケースが多い。企業側は、現職のスキルをどのように営業に活かすかを重視するからだ。これまで営業経験があれば、即戦力としてアピールできるため、転職の成功率はグッと高くなる。
(3)マネジメント経験……40代では営業チームを率いる力も必要
営業職は個人で行う業務だけではなく、チームで動く業務が存在する。40代は会社でも中堅という位置であり、転職者であってもチームを牽引し動かすマネジメント経験が重視されるだろう。
(4)語学力……グローバルに活躍する営業には必須
グローバルに展開する企業では、語学力が求められることがある。海外拠点での営業や外資系企業との取引を有利に進めることができる語学力があれば、即戦力として受け入れられる可能性が高い。
(5)幅広い人脈……ビジネス機会を広げられる営業は重宝される
営業職を応募する企業の中には、40代求職者に対して今まで培ってきた幅広い人脈を期待している企業もあるだろう。人脈を活かすことで、新たな取引先を発掘できる可能性を秘めているからだ。これまでの職場や転職を通して、ビジネスチャンスのある幅広い人脈を築いてきた人は有利と言える。
40代の営業職求人が多い3つの業界 人材、不動産、IT
40代の営業職の転職が多いのはどのような業界だろうか。一般的に営業職の求人が多いのは20代〜30代だが、以下の業種では40代の営業職を積極的に採用している。営業の需要が多く、人手が不足している業界だ。
(1)人材業界……法人の人材採用を助ける営業
人材業界の営業は大きく分けて以下の4つだ。
・求人広告
・新卒採用支援
・人材紹介(中途採用支援)
・人材派遣
人材業界の営業先は法人が中心となる。人材不足が大きな課題となっている日本企業において、求人はニーズが高い分野でありすべての企業が見込客だ。既存顧客への営業とともに、新規の顧客開拓業務も重要な業界である。
(2)不動産業界……個人・法人に不動産を売買、仲介する営業
不動産業界の営業は大きく分けて以下の3つだ。
・不動産販売
・不動産賃貸仲介
・不動産販売仲介
不動産営業は、個人・法人ともに顧客先となる。不動産業界の営業において、個人営業の場合は物件の売買が主だ。一方、法人営業の場合は売買の仲介、賃貸の仲介など幅広い仕事を行う。顧客と業務の多さから、求人数も多い傾向にある。
(3)IT業界……主に法人にIT関連の商品を販売する営業
IT業界は拡大のスピードが速く、営業職の人手が不足しているため、求人数が多い業界だ。一般的に営業先は法人で、情報システム開発やソフトウェアの導入、Webを活用したマーケティング、Webサイトやコンテンツ制作など企業によってさまざまな有形・無形の商材を販売する。業界自体が新しい分野で営業経験者の数も限られているため、40代の営業未経験者でも採用される可能性がある。
40代の強みを活かして営業職の転職を成功させる
40代はビジネスマンとしての経験が長く、営業職に活かせる強みを持っているはずだ。40代の持つコミュニケーション能力や営業経験、マネジメント能力といった自分の強みをアピールすることが転職の成功につながると言える。
文・小塚信夫(ビジネスライター)/MONEY TIMES
【関連記事 MONEY TIMES】
40代で転職に失敗する人の5つの特徴
35歳以上で転職した人の52%が年収アップ!うち4割は100万円以上も増加
就職ランキングで人気の「三菱UFJ銀行」の平均年収はいくら?
「35歳転職限界説」が定説である理由 アラフォー転職の見えない壁
転職時に必要な保険証の手続きとは?病院へ行く場合はどうなる?